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本別町最大手の建設会社野田組が新体制で船出

坂入隆社長(左)と大野末治会長

9月16日、本別町ナンバーワンの建設会社「野田組」の社長にプロパーの坂入隆氏が選出された。企業の歴史や風土を尊重し、現場の人材を生かす同ホールディングスらしい戦術で底上げを図り、さらなる業績向上を目指す。

新社長に坂入隆氏
プロパーに現場一任

近年、あらゆる業界でM&Aが盛んになっている。ただし、失敗例も多く、企業統合の難しさが浮き彫りになっているとも言える。

そうした中、M&Aをことごとく成功させてきたのが、北海道ロードメンテナンスを筆頭事業会社に置く「HRMホールディングス」。

2007年に広島建設(本社・北広島市)、13年に北海ロード(同・北見市)、16年にダイワ整備機工(同・札幌市)をM&A。いずれの企業も業績を伸ばしている。

成功の秘訣は企業風土を尊重し、企業カラーを塗り替えるのではなく、足りない色を補うという手法にある。経営陣は可能な限り内部昇格で賄い、時には一般社員を取締役に抜擢。社員の能力を適正評価し、埋もれている才能を掘り起こす。無理に変革するのではなく、支える役割に徹することで、各社、そして社員の潜在能力を引き出してきた。

今年3月には、本別町最大手の建設会社「野田組」および子会社の「山中」をM&Aした。

大野末治会長は「野田組は後継者問題を抱えていた。本別町になくてはならない存在である野田組を守りたかった。雇用を守り、社員の生活を安定させることで地域、社員にメリットが与えられる」と経緯を説明する。

9月16日には、グループ入り後初となる株主総会を開催。新体制を発表した。

社長には専務の坂入隆氏が昇格。小泉英利顧問、加藤滋二土木部長は再任。社員の津田和彦氏を常務に抜擢し、この4人が常勤取締役となった。

HRMホールディングス会長兼CEOの大野末治会長は引き続き会長職。HRMホールディングスの大野晃専務、北海道ロードメンテナンスの米野孝之社長、吉持俊則常務は非常勤取締役に就いた。常勤取締役はプロパーで固め、グループからは非常勤取締役のみという体制は、プロパー社員たちに現場を任せる意思表示だ。 

技術で選ばれる
オンリーワン企業に

野田組の創業は1934年。林業土木、農業土木、河川整備、森林整備、道路整備まで幅広く土木工事を手掛けてきた。また、橋梁長寿命化工事にともなう橋梁補修工事も毎年、コンスタントに施工するなど、その技術は折り紙付きだ。

顧客は本別町、十勝総合振興局をはじめとする北海道、国土交通省北海道開発局などで、ほぼすべてが公共事業となっている。

大野会長は「営業力を強化していく。価格競争、積算勝負だけでは企業が弱体化していく。野田組ならではの技術を磨き、技術で選ばれる企業にしたい」と期待を寄せる。

HRMホールディングスグループの多くが得意としているのは道路維持。ニッチな市場で、同グループにしかできない業務をおこない、技術を磨くことで圧倒的な道内最大手の地位を築いた。野田組にもそうしたオンリーワンの技術習得を期待している。

坂入社長は「明るい職場にしていきたい。コロナの影響もあるが、全社員が一丸となり、これまでの受注を守り、さらに伸ばしていく」と意気込む。 

入社から約40年。実父も野田組の社員。親子2代で同社を支えてきた新社長の手腕に期待が広がる。

同グループはかねてより災害復旧、防災に積極的に取り組んできた。札幌、北広島、北見に加え、本別・帯広に拠点ができたことで、災害対応にもこれまで以上に力を注ぐ意向だ。

野田組も北海道胆振東部地震にともなう緊急治山工事をはじめ、今もなお、さまざまな復旧工事をおこなっている。また、東日本大震災では、大船渡漁港海岸高潮対策工事を地元企業とともに5年間おこなうなど、災害復旧には力を入れてきた。なお、坂入社長自身も個人で災害復旧ボランティア活動に参加するなど熱心。防災活動にも拍車が掛かる。

左から坂入隆社長、小泉英利顧問、加藤滋二土木部長、津田和彦常務の常勤取締役
HRMホールディングス(札幌市中央区北1東12☎011・585・6010)
野田組(十勝管内本別町北3丁目5-9☎0156・22・2101)
胆振東部地震災害復旧では厚真町高丘地区の斜面崩壊にともなう緊急治山工事などを担った