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札幌円山整形外科病院

腰部脊柱管狭窄症

脊椎脊髄疾患に対する治療の幅を広げ、根治を目指す

 膝や股関節、手、スポーツ医学など、さまざまな整形外科分野の診療にあたる「札幌円山整形外科病院」。疾患別に専門分野を持つ医師がいる中で、脊椎・脊髄疾患を専門とするのが小熊大士副院長だ。

 腰部脊柱管狭窄症をはじめ、椎間板ヘルニア、腰椎変性すべり症、脊椎圧迫骨折など、さまざまな手術に対応。執刀数は2018年が210例、19年は224例を担当した。
 全ての脊椎手術で顕微鏡下での低侵襲を採用。中でも実施する医療機関が限られた脊椎固定術の「XLIFエックスリフ」を得意とする。この術式は身体の側方を切開し、筋肉は切らずに椎間板にアプローチする。
 小熊副院長は「背中を大きく切開する従来の手術に比べ、大幅に腰背筋へのダメージ軽減を図れるほか、椎間板の代わりに挿入するスペーサーをより大きなものにできる。その結果、背骨の安定性と変形の矯正力が向上した」と語る。
 小熊副院長は15年から1年間、米国のオレゴン健康科学大学へ留学。海外の技術を学ぶ過程でXLIFを習得した。17年からこの術式を開始し、これまでに60例を執刀(20年7月末現在)。現在は脊椎手術の20%を占めている。
 また、脊椎圧迫骨折には「経皮的椎体形成術」(BKP)をおこなう。骨折で潰れた背骨に対し、骨セメントを注入して背骨を固める術式だ。30分ほどの手術で身体への侵襲が少なく、同院では手術当日の夕方から自由行動を許可している。
 小熊副院長はBKPの有用性や認知を目的に、定期的に講演会を開催。道内の整形外科医をはじめ、他科の医師も参加している。
 さらに18年8月からは、椎間板ヘルニアに対する酵素注入療法「ヘルニコア」を開始。全身麻酔の必要がなく局所麻酔でおこなえるため、身体的負担が小さいメリットもある。
 同院では17年から「脊椎脊髄病センター」を開設。小熊副院長がセンター長となり、竹林庸雄院長と阿部恭久診療部長が在籍。3人がともに日本脊椎髄病学会の指導医であり、チーム体制で治療にあたっている。
 同法人では札幌市西区に3つのクリニックを運営。小熊副院長は週に1度「札幌琴似整形外科」に出向き、手術を担当している。
「脊椎治療は再発が多い分野のため、手術は〝安定した脊柱の維持〟を念頭にしています」と小熊副院長。

小熊 大士副院長
おぐま・ひろし/1995年札幌医科大学医学部卒業。函館五稜郭病院、札幌医科大学整形外科などを経て、2005年札幌円山整形外科病院。12年より現職、17年脊椎脊髄病センターのセンター長に就任。日本整形外科学会認定整形外科専門医。
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