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吉田学園

医療福祉系を中心に4校が教育を展開する大通キャンパス

芽生えた奉仕と慈悲の精神を全力で応援する

 今年で創設64年を迎え、道内の教育界をリードする「吉田学園」。道内屈指の総合学園として、札幌市内に大学1校、大学校3校、専門学校5校を展開。来年3月には、卒業生が3万人を突破する見込みで、人材養成の面からわが国の産業や経済を支えている。

 専門学校では医療、福祉、自動車、IT、公務員、動物など多彩な学科やコース、専攻を用意。2013年には「札幌保健医療大学」を開校するなど近年は医療、福祉分野の人材養成に力を入れている。

 そんな医療業界を揺るがしているのが新型コロナウイルスだ。同学園では感染症対策として4月からオンラインでの遠隔授業を開始したほか、WEB上でホームルームや健康相談サービスも実施。学生の不安や悩みに耳を傾け、メンタルをケアしている。

 また、北洋銀行の支援のもと、独自の経済支援策「吉田学園学生生活特別支援制度」を新設。対象は、保護者の収入が減ったことで仕送りが困難なケースやアルバイトの収入が減額した学生。支給額は1人3~5万円で、申請承認後に随時支給する。

 コロナ禍の影響で全国的に病院や介護施設などで実習ができない事態となっているが、模擬実習を含めたさまざまな代替策も検討中。学生の習熟度に応じて個別の支援も強化していく。

 同学園ではアフターコロナにおいても〝教育の遠隔化〟が根付くと予想。平時はもとより、有事の際にも授業を円滑に進め、質の高い教育を提供することを最大のミッションと位置づけ、独自の緊急対応マニュアルの作成も進めていく。

 コロナ禍において医療機関や保健所への協力も迅速だった。「吉田学園医療歯科専門学校」で所有する救急実習車を活用。新型コロナウイルス罹患者を搬送した。救急救命士と看護師の資格を持つ三上剛人副校長補佐は、札幌市保健所で感染対策実施アドバイザーとして現場を支えた。

 医療・福祉の人材は以前から慢性的に不足しているが、コロナ禍でさらなる悪化が懸念されている。

「少子高齢化が加速する中、国の抜本的な制度改革が必要でしょう。また、福祉・医療の重要性を義務教育期間にもっと子どもに伝えてほしい。医師、看護師、介護福祉士の職位のあり方も見直すべきです。ただ、新型コロナを経験したからこそ『人を助けたい』という意識が芽生えた子どもたちもいるはず。彼らの奉仕と慈悲の精神をしっかりと受け止め、全力で応援していくことがわれわれの役割」と大山節夫学園長は意気込む。

救急救命学科で使用している救急実習車
オンラインでの遠隔授業を実施
大山節夫学園長