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松本鐵工所


工具の機械化により効率と安全面が向上

業界再編に備えて人材を積極採用 万全な体制で顧客ニーズに応える

 製紙機械の据付やメンテナンスを主事業とする「松本鐵工所」。紙を抄く工程でかかせない抄紙機に至っては、国内製紙工場で稼働するほぼすべてを手がける。
 国内大手の製紙メーカーを顧客に持ち、この分野での実績は圧倒的。さらには各種産業用機械の設計から施工、据付、メンテナンスも手がけるなど、技術力と機動力を武器に活躍の場を広げている。
 苫小牧に本社を構え、全国10拠点、総勢約260人のエンジニアが在籍。2018年にトップに就任した松本英久社長が下した決断は〝攻め〟だ。
「コロナウイルスによる経済の衰退も懸念される中、積極的な採用活動を継続しています。中小企業は慢性的な後継者不足にあり、産業用機械分野でも業界再編が進むことが予測できます。こうした時こそ事業拡大のチャンス。万全な体制を敷くためにも若い力が必要」と松本社長。
 昨年のインターンシップでは市内の女子高校生も受け入れた。「機械化によって安全面も著しく向上しており、性別関係なく働ける環境となりつつあります。女性の採用も進めます」と松本社長は意気込む。
 今後、増加する顧客ニーズに応えるべく、技術の伝承とブラッシュアップにも余念がない。
「働き方改革による労働時間の制約で、工期が延びています。いかに工期を短縮するかが、顧客満足度に直結します。技術向上や工具類の更新なども含め、効率化を図っていきたい」と松本社長。
 さらに重要となるのが適正価格での受注だ。作業に要する時間や人数で、受注額が増減する業界の通例の打開が課題となっている。
「工期短縮はお客さまの工場の早期稼働につながる。いわば価値の提供です。安易な安売りによる受注はしません」(松本社長)と自社ブランドの強化を図る。顧客とウィンウィンの関係を構築した先には、従業員満足度の向上があるからだ。
「仕事に誇りを持つことが品質向上にもつながる」と松本社長。
 20年3月期の売上高は約36億円を見込み、利益もしっかりと確保。期末賞与を付与するなど、利益は従業員に還元している。

松本英久社長
抄紙機をはじめ、各種産業用機械を設計
苫小牧市に本社工場を構える