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新千歳空港に最上級ホテルが開業。 「ポルトムインターナショナル北海道」北海道トラベルネットワークの拠点を目指す

四季を表すシルクの草木染めは京都「染司よしおか」の作。5~8階の客室フロアー中央吹き抜けに飾られている

 新千歳空港国際線ターミナルに国内最上級のホテルとして開業した「ポルトムインターナショナル北海道」。ポルトムとは「すべての人のための港」を意味するラテン語の造語。観光立国を謳う北海道の案内役〝北海道コンシェルジュ〟としての役割にも期待が寄せられる。

【旅客ターミナル直結の富裕層向けホテル】

 道内観光やビジネスの起点として年間2000万人超が利用する新千歳空港。世界基準の空港を目指し充実が図られ、昨年8月には国際線ターミナルビルがほぼ倍の面積に拡張。搭乗カウンターや保安検査場など増え続ける来道客の受け入れ体制が強化されている。

 これにともない新施設も拡充。11月1日にはコンベンション施設の「新千歳空港ポルトムホール」の供用を開始。会議や講演会、イベント、披露宴といった幅広い用途での利用が進んでいる。

 そして2月1日には、4~8階に国内最上クラスの新ホテル「ポルトムインターナショナル北海道」が開業。旅客ターミナル直結という便利さと、冬の北海道観光のトップシーズンということもあって、順調な滑り出しを見せている。

 運営を担うのは、千歳市内や国内線ターミナルビルでホテルを展開する「ホテル&リゾート」(本社・千歳市)。

 田頭清輝副社長は「メーンターゲットはラグジュアリートラベラー。海外富裕層のみなさんに日本文化を満喫してもらえるアートホテルとして、最上級のサービスを提供しています」と意欲的に語る。

 コンセプトは「旅に出逢いと彩りを」。旅にかかわるさまざまな出逢いを大切に、心あたたまるパーソナルサービスと洗練されたくつろぎを提供するという意味が込められている。

【美術品など日本文化との出合いを提供】

 そのコンセプト通り、施設内には多彩な〝出逢い〟が用意されている。例えば、客室はもちろん、ゲストサロンやフロントロビーといった館内の随所に、日本美術や日本古来の技法によるアート作品が飾られている。

 特に宿泊客専用のゲストルームには伊藤若沖の「伏見人形図」などの掛け軸30点や中村芳中の「十二ヶ月花卉図押絵貼屏風」、葛飾北斎の浮世絵など、道内ではなかなか出合うことのない歴史的名作に触れることができる。

 また、5階から8階まで吹き抜けになった客室フロア中央には、京都「染司よしおか」が手掛けたシルクの草木染が飾られ、風情豊かな空間を創出。3月には数寄屋づくりの「茶室」や日本舞踊が見られる大広間もオープン予定で、空港に居ながらにして日本文化が楽しめる。

 ダイニングには、京都で160年続く老舗料亭「京都 下鴨茶寮」と、フランス料理界の重鎮・吉野健シェフの「TATERUYOSHINO」が入店。道産食材を使った和食と洋食を提供する。日本やアイヌ関連本が多言語でそろうカフェ&バーも開設している。

 171室ある客室は、全室が43平方㍍(スーペリアルーム)以上と余裕の広さ。スイートルームは「数寄屋」「淋派」「禅」の3室で、特に世界の超VIPを迎える最上級の「数寄屋スイート」は250平方㍍の広さを誇る。室内には茶会ができる和室やエアポートビューの温泉などを贅沢に配置。開業当初から1泊100万円の特別室として話題となっており、海外富裕層からの注目度も高い。

 今年1月に北海道空港(HKK)を中心とする企業連合「北海道エアポート」による道内7空港の民営化がスタート。なかでも新千歳は道内航空網の中核〝リーディングゲートウェイ〟に位置づけられている。

 例えば、同ホテルを拠点としてプライベートジェットを利用すれば函館空港まで約30分。日帰りで道南を観光し、翌日は道東を巡るなど、道内全域の観光名所を存分に満喫できるプランの提供も可能となる。

「当ホテルは北海道〝トラベルネットワーク〟の拠点を目指すと同時に、来道者の〝北海道コンシェルジュ〟としての役割を果たしていく。もちろん道民のみなさまにも海外旅行へ旅立つ際の前泊や学会、会議などの宿泊に利用していただきたい」(田頭副社長)と語る。

ホテルは4~8階。国際線の出発、到着ロビーと直結する
贅沢な大空間の4階フロントロビーにはアイヌの「夷酋列像」図も飾られている
ゲストサロンには「伏見人形図」などの掛け軸
府中美術館に所蔵されていた「十二ヶ月花卉図押絵貼屏風」などが展示されている
フレンチの「TATERUYOSHINO」は国内3店目