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自治体関係者は必読ー専門家が解説する水銀灯の生産終了と大規模停電を乗り切る方法

あかりみらい社長の越智文雄氏(左下が住宅用安心給電キット)

 2019年3月の蛍光灯器具の生産終了に続き、「水銀に関する水俣条約」(以下水俣条約)の発効で今年6月には水銀ランプの生産も終了する。自治体や企業などの活動を脅かしかねない照明の生産終了問題に対し、あかりみらい社長の越智文雄氏は解決策を提案している。また越智氏が進める自動車を活用した大規模停電対策の現況についても聞いた。

【水銀灯の終了で自治体運営や住民生活に影響】

 越智文雄氏は、北海道電力と電気事業連合会で勤務し、危機管理対策課長、北海道洞爺湖サミット環境総合展の事務局長などを務めた。その経験を生かして2012年に「あかりみらい」(本社・札幌市)を創業。北海道の経済活性化にも貢献するLED化推進などに尽力する。
 また地方創生アドバイザーや危機管理アドバイザー、コストダウンコンサルタントとしても活躍している。
 北海道胆振東部地震や19年の台風15号による千葉県での大規模停電以降はマスコミからも取材依頼が殺到している。
 ブラックアウトの経験から、災害時に車からの給電を容易にできる「安心給電キット」を開発したことでも知られており、既存照明の生産終了問題、水俣条約による水銀灯問題についても、早い時期から警告を発してきた。
「20年6月にはパナソニックが水銀ランプの生産を終了することが発表されている。水銀灯照明を使用している場合は、早急にLED化の工事を考える必要があります」と越智氏。
 水銀灯はその性質上、街路灯や体育館、工場、スキー場、トンネル灯など、さまざまな場所で用いられている。
 そのため、従来のように「壊れた」「切れた」などのタイミングで個別に改修していくと膨大なコストがかかる。しかし、生産終了を知らなかったため大規模改修費用を21年度予算に盛り込んでいないところは多い。
「特に自治体への影響が大きい。更新ができなければ道路や公園、病院学校など住民の活動や安全にもかかわる憂慮すべき事態も想定されます」と越智氏。
 実は越智氏は18年度だけで富良野市をはじめとする8市町村250施設のLED化をおこない、19年度は60を超える自治体にLED化のコンサルティングをおこなっている専門家。設計から省エネ試算、見積もり調査、施工、補助金の申請代行までサポートできるのが特長だ。
 さらに、LEDは電気料金を大幅に削減できるので、リース方式を活用すれば削減した電気料金を支払いにあてられるので、全面改修費を予算化していない自治体でもすぐに実行できる。
「今後、環境省も6月に向けて水銀灯終了の告知を全国に展開する。全国で駆け込み需要が増えれば20年末にかけて工事が集中し、LED在庫が払底し、工費も高騰する可能性がある。早急にご相談を」(越智氏)。

【大規模停電を乗り切る「安心給電キット」を開発】

 越智氏が停電対策に開発した「安心給電キット」が評判となっている。これは自動車を電源として安全に給電できる装置。「ジェームス」など全国のカー用品店や通販大手のアマゾンで販売している。昨年から今年にかけて東京、大阪、札幌のモーターショーに出展した結果、自動車メーカー、ホームセンター、家電量販店から引き合いがあり、すでに生産が追いつかない状態だという。
 車からの給電は、道内各地の防災訓練でも導入やマニュアル化が進む。1月に北見市で開催された「北海道厳寒期防災訓練」では、ハイブリッドカー2台で電気毛布30枚に給電。関係者を驚かせた。
 さらに、この技術を推し進めて「停電しない家プロジェクト」として「住宅用安心給電キット」も新たに開発。全国のハウスメーカーなどに供給する。同商品は19年の「ジャパンホーム&ビルディングショー」で「2019みらいのたね賞」も受賞した。
「今後は全国を舞台に業務を拡大します。すでに経済産業省の『電動車活用社会推進協議会防災活用ワーキンググループ』の委員の委嘱を受けており、これまでの防災対策や実証実験について提言する計画です。20年度内には沖縄支社も開設し、LED化と自動車による停電対策の普及を進めていきたい」と越智氏。 
 問い合わせは011・876・0820。詳しくは「あかりみらい」で検索。

越智氏は照明のLED化や「安心給電キット」(左)の普及などに取り組む
今年1月に開催された「札幌モーターショー2020」にも出展した