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よもやま話

阿部 明
昭和14年12月生まれ
37年スポーツ新聞社に入社、高校野球などの一般スポーツほかプロレス、競馬、釣り記者を経て現在に至る。記者歴37年。北海道スポーツ記者倶楽部会友。

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2019年1月号 ボラの話

 雪が舞うちょうどいま頃の積丹海岸の釣行で、フナに似た魚を釣ったことがある。海でフナはないだろうと思ったがこれまで経験のない釣果で近くにいた人に尋ねてみると「これはボラだね」と教えてくれた。この御仁、魚を手にすると包丁を持ち出し鮮やかな手つきで捌き、刺身を造ったのである。しかも醤油にわさびも持参している。聞けば小樽で鮮魚店を営むプロでいつもこのように即席で料理するのだそう。「私のボラなのに…」と思いながらも食べるとこれが実に旨い、うまい。
 ボラは寒冷な水域は好まないようだが小樽、石狩、果ては留萌などでも結構釣れる。ボラ科に属し形がそっくりのメナダとは他魚種だが北海道では区別せずに総体的にボラと呼んでいる。
 成長するにつれ名が変わる出世魚で知られ順にオボコ、イナッコ、スバシリ、イナ、ボラ、トドとなる。これにはそれぞれ意味があってオボコは幼い子、イナッコは水田(稲)でも生息できる。スバシリは淡水の砂地を走るから。イナは鯔でボラの幼魚のこと。ボラは成魚。トドは年老いた魚でとどのつまりで行き着くところ。なんとも上手に名付けたものだ。
 食べては刺身もおいしいが卵巣を塩漬けにし、乾燥させたものをカラスミといいこれは珍味。食通にいわせると酒の肴には最高で一度食したら止められないそう。