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よもやま話

阿部 明
昭和14年12月生まれ
37年スポーツ新聞社に入社、高校野球などの一般スポーツほかプロレス、競馬、釣り記者を経て現在に至る。記者歴37年。北海道スポーツ記者倶楽部会友。

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2017年6月号 海の老

 胆振沖の海域で甘エビが取れている。春から初夏にかけてが漁期だそうで、いまがとろけるような甘みで一番おいしいという。正式名は北国赤えび、別名を南蛮えびと呼ぶ。このようにエビは地方の名前に由来したものが多く、北海道には生息しないが伊勢エビなどはその代表だろう。海老という漢字名も腰が曲がっているように見えるから海の老と付けられた。日本人のエビ好きは世界中に知られるところで、なにしろ約85%が外国産で、その原産地を問うのは難しいほどという。東南アジアでは日本人用に大規模な養殖まで行われている。従って天然のエビはわずかしかなく、もし市場などで「天然もの」と書かれたものを手に入れるならこれは貴重品である。
 こうしたエビ好きの要因はおいしいからにほかならないが、もう一つは見た目もあると料理研究家は口をそろえる。正月料理に欠かせない伊勢えびは常に重箱の中央を占め、長いヒゲを張らせた姿は豪華でさえある。道南の海域でわずかに取れる車えびも立派な形姿で、おいしさは伊勢えびより上とされる。腹部の茶褐色の横じまが車輪のように見えるからその名が。ただ、この種に限っては養殖、天然の差がないのだそう。そんなこともあって取れたての甘エビを先日、生食と天ぷらにして食べてみた。その甘味があってうまいこと…。まさにいまが食べ頃である。