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よもやま話

阿部 明
昭和14年12月生まれ
37年スポーツ新聞社に入社、高校野球などの一般スポーツほかプロレス、競馬、釣り記者を経て現在に至る。記者歴37年。北海道スポーツ記者倶楽部会友。

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2015年7月号 シロギス

 昨年の初夏のことだが、函館の釣り仲間とキス釣りを体験した。そのやさしそうな魚名からするとひ弱な魚を想像するが、食い込んだ時の引きは意外に強く「これがキスなの?」というほど面白かった。
 キス(接吻)を連想させるほほえましいこの魚名は、漢字では鱚。これもなんともうれしくなるような文字で、昔から祝儀魚の1つになっているのもわかる。また一方では上アゴが突き出ていることから「鼠頭魚」とも書き、奇妙な名前が付けられている。
 日本に生息するのはシロギス、アオギス、ホシギス、モトギスの4種類だが、北海道にいるのはほとんどがシロギス。大きいものは30センチ超にもなり「巨ギス」の名称もあるほど、その引きの強さがうかがえる。事実、小型の物でもアタリは強烈。理由はその捕食にある。餌の虫類を砂の中から引き抜くようにして食らいつく獰猛さ。釣りでもサオをひったくるようにして魚振を伝えてきて楽しめるのはこの辺にある。反面、警戒心の強い魚で逃げ足が早いので「キスは足で釣れ」の格言がある。一カ所に粘っていても釣れないという教えだ。
 食べてはいまごろが一番の旬で、刺身を始め塩焼きや天ぷら、椀ものとなんでも上品な味がありうまい。特筆は天ぷらの際に三枚におろした中骨を骨せんべいにしたもので一度食べたらやめられない食感とか。