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よもやま話

阿部 明
昭和14年12月生まれ
37年スポーツ新聞社に入社、高校野球などの一般スポーツほかプロレス、競馬、釣り記者を経て現在に至る。記者歴37年。北海道スポーツ記者倶楽部会友。

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2013年12月号 カタクチイワシ

 今年は道内の港でカタクチイワシがよく釣れていた。日によっては入れ食いになることもあり、老若男女が束釣りをするシーンがあちこちの岸壁で見られ、まさにこれぞファミリーフィッシングそのもの。釣り天国北海道ならではの微笑ましい風景が繰り広げられた。
 この魚漢字では「片口鰯」と書くが上アゴが下アゴに比べて著しく大きいことが片口の名の由来。丸イワシと呼ぶ地方もあるが、これは魚体の円筒形からきているのだろう。カタクチのほかイワシ族には多くの近縁がいて親分格のマイワシを筆頭にしてウルメイワシ、キビナゴ、サッパ、コノシロなど挙げたらきりがない。面白い話ではカタクチイワシの幼魚は、素干しにされ稲作の肥料になったことから田作り=五万米(ごまめ)といわれたこともあるが、現在は大事な食用魚の一つである。
 今年の北海道の秋はサンマよりマイワシが多く捕獲されたが、それより捕獲量の多いのは実はカタクチイワシなのだ。また昔の話になるが定置網に掛かり過ぎて招かざる客とされ捨てたということもあったが、まことにもったいない話ではある。大きなものは刺し身にすると最高の旨さ。小物は煮干し、目刺しはお馴染み。本州方面ではシラス干しや佃煮。アンチョビーにするなど多彩な食べ方がある。江ノ島などで有名なすだれ干しにした畳鰯(たたみいわし)はこの魚の仔魚。