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よもやま話

阿部 明
昭和14年12月生まれ
37年スポーツ新聞社に入社、高校野球などの一般スポーツほかプロレス、競馬、釣り記者を経て現在に至る。記者歴37年。北海道スポーツ記者倶楽部会友。

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2011年6月号 コウナゴ

 昔の小噺の中に「風が吹くと桶屋が儲かる」というおもしろ、おかしい話がある。風が吹くと目にゴミが入り…から始まって、最後のオチは浴水したくなることから桶屋が儲かるという説なのだ。なぜこんな話をするかというと、いま話題になっている魚、コウナゴはなにやらこれに似ているのだ。
 3月に起きた東日本大震災は、地震から津波、そして原発の事故と飛び火して福島を中心にした海が放射性物質で汚染され、いまが旬であるコウナゴが放射性濃度が高いため売れなくなってしまった。こんな三段跳びのようなあってはならないことが現実に起きてしまったのだ。まだまだ尾を引く悲しい事故である。
 コウナゴは小女子と書く。実は地方名で正式名はイカナゴ。ただ北海道でも東北でもコウナゴ、コナゴで通りよい。道内沿岸はもちろん日本各地に分布して、面白い生態を持つ。水温が20度近くになると砂の中に潜り動かなくなる。これを冬眠ならぬ夏眠というそうでこの時はエサも食べなくなる。
 数年前の話だが奥尻島で釣りをしている時、コウナゴ漁から帰ってきたばかりの船から獲れたてを手の平いっぱいもらい食べたことがある。醤油もかけなかったが、海水がしみて実にうまかった。市場では佃煮が有名で煮干しにする地方もある。養殖魚のエサにも利用されている。