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よもやま話

阿部 明
昭和14年12月生まれ
37年スポーツ新聞社に入社、高校野球などの一般スポーツほかプロレス、競馬、釣り記者を経て現在に至る。記者歴37年。北海道スポーツ記者倶楽部会友。

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2019年11月号 秋の味覚

 秋の魚といえば秋味(サケ)、秋刀魚(サンマ)を思い浮かべるが、鰍(カジカ)もこれから晩秋にかけて最も秋にふさわしい魚ではなかろうか。この鍋を食べたさあまり好釣り場が目白押しの日高路通いをする人が多い。
 この鰍は種類が多いのとグロテスクな姿、形に付けられたネーミングの面白さにも興味をそそられる。マカジカはカジカ属の代表的存在だが正式名はヤリカジカ。エラぶたのトゲが長く槍のように見えることからで、別名はナベコワシ。そのうまさに鍋の底まで突っつき壊してしまうから。
 ケムカジカというのもいる。毛虫のように触るのも嫌になる醜さからのようだが、食べてはナベコワシに匹敵するうまさでこの卵の醤油漬けは絶品。渡島当別の海域で多く獲れるのでトウベツカジカの別名が付く。
 オニカジカはえらぶたにあるトゲが鋭く突き出ている故に鬼の名が。別名はツノカジカ。網にかかると外しにくく、漁業者からは厄介者扱いされる。ベロカジカもなんとも嫌らしい名前だが滑らかで粘膜に富むのでベロとか。このほかにもギスカジカ、ツマクロカジカ、ヨコスジカジカなど珍名が魚図鑑をにぎわす。
 ただ、こんなびっくり仰天の名前の割りには食べては大変おいしく、各種のカジカとも一度味わったらやめられない。まさに北海道の秋の味覚である。