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集部日記

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2014-08-11 週刊誌レビュー(8月4日~8月10日)

今週も各誌、佐世保高1女子同級生殺害事件の真相に迫ろうと、続報が誌面をにぎわせています。週刊現代8月16・23日号は「スクープ!佐世保『高1同級生惨殺』事件 すべて私のせいなのか……人生はある日突然、狂い出した 加害者の父『悔恨と慟哭の日々』」、週刊新潮8月14・21日号は「『絶対殺人衝動』を知りながら『少女A』を街に放った父」、週刊朝日8月15日号は「佐世保同級生殺人 少女Aと父の愛憎16年」、サンデー毎日8月17・24日号は「佐世保・高1同級生殺害事件の深部 弁護士の父と東大卒の母『名士』の家で“壊れていた”加害少女」、フラッシュ8月19・26日号は「高級クラブにはミス佐世保ホステスと同伴して…佐世保少女Aが憎んだ父の『実母葬儀』ご高説1時間」と父親との関係に迫っています。その父親が少女Aにとった行動が、週刊文春8月14・21日号の「佐世保高1女子惨殺 加害少女父はA子を祖母の養子にしていた!」です。さらにフライデー8月22・29日号が報じる「佐世保加害者少女の父が配っていた20歳年下新妻『自慢ビラ』」ということもあったようです。

また、週刊SPA!8月12・19日号では、コラムニストの神足裕司さんが連載していた「これは事件だ」が緊急復活。「佐世保女子高生バラバラ殺人事件 10年前の記憶を呼び覚ます少女たちの息遣い」と書き、週刊大衆8月18・25日号は『人を殺してみたかった-愛知県豊川市主婦殺人事件』や『17歳の殺人者』などの著書があるノンフィクションライターの藤井誠二さんが「高1女子に何が……佐世保同級生惨殺事件『殺してみたい』子どもたちの闇」でコメントしています。“トンデモ”系でいくと、週刊ポスト8月15・22日号が「佐世保同級生殺害 かつて『愛する人』を解剖した経験者が分析『親友を斬首する快感』が暴走する瞬間」の見出しで、パリ人肉事件の犯人として日本中を騒がせた佐川一政氏に取材。ちょっと意図がわかりません、というか、事件の動機、本質があまりにもかけ離れていて取材の意義を感じられません。週刊アサヒ芸能8月14・21日号は「佐世保高1女子『解体殺人』の深層『女酒鬼薔薇』16歳 実父も恐れていたレズ悪魔素顔!」とすごい見出しなのですが、内容はこれまでの報道をなぞっただけのもの。どうしてこういう見出しになったのか、少々理解に苦しみます。

政治関連では、今週も内閣改造に関した憶測記事が散見されました。週刊ポストは「親安倍vs反安倍 9月内閣改造イス取りゲームはこうなる」。フライデー「9月内閣改造『大臣になりたい』女たちの濃く熱い闘い」、週刊新潮「『小渕優子』『稲田朋美』の“三役”を書く異様な『新聞辞令』」といった具合です。また、週刊現代は「『改造内閣、石破はすでに死んでいる』安倍総理ほか『オフレコ発言』を全部書く!」と安倍晋三総理と石破茂自民党幹事長の暗闘を描いています。週刊文春の大人気連載「池上彰のそこからですか!?」は真夏の激突対談スペシャルと銘打って菅義偉官房長官にインタビュー。分刻みのスケジュールの合間をぬって、喫緊の課題である内閣改造、拉致問題、外交問題等に遠慮なく切り込んでいます。

経済誌を見てみましょう。週刊東洋経済8月9・16日号の巻頭特集は「さようなら、ミスター牛丼 安倍修仁と吉野家の時代」。アルバイトで入社して42年、社長になって22年、吉野家の浮沈をすべてみてきた男・安倍修仁氏が8月末で経営の第一線から退くことを受けたもの。14ページの大特集で、1つの時代が終わろうとしている寂莫感をノスタルジックにかつドラマティックに綴っています。弊誌記者は若い連中が多いのですが、こうした一代記を書ける実力を早くつけてもらいたいものです。

週刊ダイヤモンド8月9・16日号の特集は「最強のテーマパーク」です。レジャー消費争奪戦で勝ち残る経営の真髄に迫っています。その中で、全国のテーマパークの売上高ランキングが1位から100位まで一覧で掲載されています。トップは、もちろん東京ディズニーランドを擁するオリエンタルランド(千葉県)。入場者数は3130万人、売上高は3413億2700万円(ともに2013年実績)。2位はユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のユー・エス・ジェイ(大阪府)、1050万人の821億2700万円ですから、オリエンタルランドはケタが違います。以下、東京ドーム(東京都)570億5500万円、ナムコ(東京都)480億2500万円、長島観光開発(三重県)260億1400万円と続きます。そして、11位に加森観光の143億円がランクイン。74位に登別マリンパークニクスを経営する北海道マリンパークは6億1000万円。登別伊達時代村は3億8400万円で93位でした。

ディズニーランドやUSJのような巨大なものはありませんが、道内にもたくさんのテーマパークがあります。ただ、バブル期に開業したところは、ほとんどが閉園してしまいました。それでも、年間入場者数165万人を誇る「旭川市旭山動物園」があったり、同29万4000人の「北の大地の水族館」(北見市)、同1万3000人「三笠鉄道村」のようなところもあります。「サッポロビール博物館」や石屋製菓の「チョコレートファクトリー」などは相当な集客力でしょう。

そこまで大きくなくても「小樽石原裕次郎記念館」のような小ぢんまりとしたものでも、コアなファンが期待できそうなものはもっとあっていいと思います。東京都三鷹市には「三鷹の森ジブリ美術館」があります。東日本大震災で被災しましたが、宮城県登米市には「石ノ森章太郎ふるさと記念館」があります。鳥取県境港市には「水木しげる記念館」があります。兵庫県宝塚市には「手塚治虫記念館」があります。これは宝塚市立の施設です。北海道はこうしたサブカルチャーの宝庫でもあります。少なくとも「ルパン三世」「機動戦士ガンダム」、個人的には「コブラ」、こういった“キラーコンテンツ”が北海道と深いかかわりをもっています。これを形にしない手はないでしょう。

ルパン三世は釧路管内浜中町出身のモンキーパンチさんの原作。機動戦士ガンダムのキャラクターデザインを手がけたのは網走管内遠軽町出身の安彦良和さんです。そして、海外からの評価も高いコブラは旭川市出身の寺沢武一さんの原作です。何かやるといってもお金がないでしょうから、そこは行政が資金を出してもいいと思います。そして企画・運営はNPOでも指定管理者でもいいので、本当に好きな人に任せれば、これだけのために全国から人が来るでしょう。戦後教育のせいなのでしょうか。あまりにも現代の日本人は歴史や文化を粗雑に扱いすぎだと思います。

さて「今週の大谷翔平」ですが、残念ながら1誌だけでした。週刊大衆の「『投手で15勝』+『打者で3割』=100億円 007がヤンキース首脳陣に送った日ハム・大谷翔平“3年後のセリ値”レポート中身」です。ヤンキースは本気で大谷獲得を狙っているようで、北海道日本ハムファイターズで監督を務めたトレイ・ヒルマン氏を育成担当特別補佐として日本に派遣。大谷選手の調査に当たっているといいます。早ければあと3年で海を渡るかもしれません。移籍の際には100億円以上の金が動きそうです。球団はホクホク。考えてみるとものすごい商売です。

今週、私が注目したのはフライデーの「安倍政権を完全に支配する『日本会議』の正体根底から暴く!」と、アエラ8月11日号の「『安倍さんは東京裁判を否定したいんだ』 野中広務が語った安倍政権の『真意』」です。この2つの記事は、実はリンクしています。そもそも「日本会議とは何ぞや?」ということですが、発足は1997年5月。ある2つの団体が統合されて生まれました。1つは74年に設立された「日本を守る会」。日本の歴史や伝統を守ることを目的に、主に神社本庁などの保守系宗教団体によって構成された団体です。もう1つは、保守系文化人や旧日本軍の関係者などが中心となって81年に発足した「日本を守る国民会議」。両者の憲法観、歴史認識はほぼ一致していたので、日本の伝統回帰、憲法改正のために大きな団体をつくろうと統合されたのです。現在、会員数は全国に約3万5000人、総支部数は228あるそうです。

安倍内閣19閣僚のうち13人は「日本会議国会議員懇談会」のメンバーです。安倍総理を筆頭に、麻生太郎財務大臣、谷垣禎一法務大臣、甘利明経済再生大臣、稲田朋美行政改革担当大臣、古屋圭司拉致問題担当大臣、茂木敏光経済産業大臣、岸田文雄外務大臣、菅官房長官、小野寺五典防衛大臣、根本巧復興大臣、下村博文文部科学大臣、田村憲久厚生労働大臣。まさに「日本会議内閣」です。また「日本会議地方議連」には1700人を超える議員が参加しています。東京都議会でセクハラヤジを飛ばした鈴木章浩都議や、新宿で集団的自衛権に抗議した男性が焼身自殺を図ったことについて、ツイッター上で「迷惑極まりない行為で明らかに犯罪」「マスコミは完全にイカれている」とつぶやいた小野寺秀道議もメンバーです。

同会議の機関誌『日本の息吹』には「南京虐殺はなかった」「東京裁判は誤り」「首相の靖国参拝を」いった主張が展開されています。歴史観1つとっても同会議の考え方はあまりにも一面的です。戦争に「正しい戦争」などあるはずがないのですが、彼らは前の大戦を賛美しているようにしか見えません。野中さんは1925年生まれ。本土決戦に備える護土22756部隊の幹部候補生として終戦を迎えたといいます。戦争を最もよく知る日本人の1人です。アエラの記事はジャーナリストの青木理さんのインタビューです。青木さんの質問に答える野中さんの一言ひとことは非常に重いものです。それがまったく現政権には伝わりません。ひょっとしたら日本国民にも、もう伝わらないのかもしれません。過去の出来事にあまりにも鈍感になってしまいました。ここにも大手マスコミの罪はあると思います。

そのアエラ記事中の写真はオスプレイが展示された札幌市・丘珠空港の風景が使われていました。そのキャプションは次の通りです。「札幌市で展示された米軍の新型輸送機オスプレイ。来年は陸自にも導入されるが、集まった5万人の見物客に『戦争』の実感はあったのだろうか」――

そのほか道内関係は、週刊大衆でJRA騎手の武豊さんの連載コラム「人生に役立つ勝負師の作法」で「北海道の競馬場でぜひGⅠを!」と書いています。14日発売の弊誌「財界さっぽろ」9月号では、新しくなった札幌競馬場のグラビアを掲載。武さんも弊誌誌面を飾っています。また、週刊朝日の連載「ドラマのトリセツ」では、ドラマ評論家・成馬零一さんが「才能をめぐる青春ドラマ」と題して、テレビ東京系で放映中の「アオイホノオ」を取り上げています。原作は札幌市出身の漫画家、島本和彦さん。同名のコミックは現在12巻まで出ています。もちろん、私は全巻持っています。ドラマ化の話が出たときに「こんな自伝的でマニアックな作品を映像化して面白いのかな」と疑問に思いました。しかし、いざ見てみると非常に原作に忠実で楽しめるドラマに仕上がっていました。新世紀エヴァンゲリオンの庵野秀明、ネコじゃないモン!の矢野健太郎、めぞん一刻の高橋留美子などが実名で出てきます。興味のある方は、ぜひドラマもご覧ください。ではまた来週。(鈴木正紀)