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集部日記

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2014-08-18 週刊誌レビュー(8月11日~8月17日)

みなさま、いいお盆休みは過ごせましたでしょうか。出版業界もお盆ということで、先週発売の週刊誌は、ほとんどが合併号。今週の発売は3誌のみでした。新聞も休刊日というのがあります。それこそ一斉に休みます。どう考えてもカルテルです。そうした不正な談合を批判しているのは新聞なのですが、自分たちは別なんですね。他人には厳しく、自分には甘い典型です。

どこか1社くらい「うちは出しますよ。一貫して世間の談合を批判してきましたし、そもそも自由経済なんですから」と言いそうなものですが、そうはなりません。ただ、過去にはあったような記憶があります。しかし、現在はありません。想像するに、業界から総スカンを食ったんでしょう。また一律になってしまいました。そういう意味では3誌ではありますが、独自性を保っている雑誌業界は健全だと思います。

その3誌とは、週刊朝日、アエラ、週刊プレイボーイです。出版社でいうと朝日新聞出版社と集英社。親会社は朝日新聞社と小学館になります。片や新聞社、片や教育図書。どちらも雑誌業界にどっぷりとは漬かっていないということでしょうか。

何ごとにおいてもそうですが、独自の路線を持つ、自決できるというのは絶対の強みです。戦後69年、一度も戦争をしてこなかったという稀に見る平和国家という独自路線をかなぐり捨て、TPP、集団的自衛権と、さらに米国の属国にならんとしている日本の現状を見るにつけ、自決の大切さが身にしみます。

さて、本題に入りましょう。8月5日、その第一報は日本列島に大きな衝撃を与えました。STAP細胞論文共著者で理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長が自殺したのです。センター内で首を吊った状態で発見されました。52歳でした。週刊朝日8月22日号は「『元気ではないけど、生きています』自殺直前、行方不明になっていた笹井氏最後のメール」の見出しで、謎に包まれていた笹井氏の自殺前の行動について詳述。アエラ8月18日号は「小保方晴子さんの上司、笹井芳樹氏の早すぎる死 何が自殺に追い込んだ」。同誌は、メディアからの執拗な取材攻勢と科学界がSTAP細胞を100%黒と認定した空気に、プライドの高い笹井さんが耐えられなかったのではないかという見立てを展開していました。

政治関連では相変わらず、内閣改造についての予想記事が誌面をにぎわせていました。安倍政権の成長戦略の中に「2020年までに指導的地位に占める女性の割合を3割にする」という数値目標があります。現在の女性閣僚は2人ですが、改造で増えることは確実。大臣ポストは18ですから、単純にその3割といえば5・4。5人程度は女性大臣が誕生してもおかしくないということです。しかし、そもそも国会議員の男女比は9対1。自民党の女性議員は40人です。永田町の常識では、衆議院議員なら当選5回以上、参議院議員なら同3回以上が“大臣適齢期”といわれています。その数は約60人。女性議員40人のうち1回生を除くと23人。現閣僚の中ではTPP交渉に当たっている甘利明経済再生大臣ら5~6人の留任は濃厚です。そして、もう1つの注目が石破茂幹事長の処遇です。

週刊プレイボーイ9月1日号は「9月内閣改造 自民党の女たちの戦いと石破幹事長vs安倍首相」、週刊朝日は「安倍『内閣改造』大予想」として人事を予想しています。とくに週刊朝日は政治ジャーナリストの角谷浩一氏と自民ベテラン秘書軍団の予想を表組みで対比。一致しているのが、閣僚でいうと文部科学大臣の遠藤利明氏、防衛大臣の岩屋毅氏、そして幹事長の留任でした。両者の留任予想は、菅義偉官房長官、麻生太郎財務大臣、岸田文雄外務大臣、太田昭宏国土交通大臣、古屋圭司拉致担当大臣、そして、甘利経済再生大臣の6人でした。

今週の注目記事は週刊プレイボーイの「沖縄県知事選(11・16)&辺野古移設 自民党“金と脅し”の裏工作全事情」です。この号から短期集中連載「そうだったのか!沖縄問題」の第1回。同知事選の現在の状況は、現職の仲井真弘多氏、那覇市長の翁長雄志氏、元郵政民営化担当大臣の下地幹郎氏の3人が立候補の意思を表明。昨年12月、突如「辺野古沖埋め立て」を承認した仲井真氏に対し、辺野古移設反対を訴える翁長氏と、辺野古移設の是非は県民投票に委ねるべきと主張する下地氏の戦いとなっています。

言うまでもなく、今回の知事選の最大の争点は米軍・普天間基地の辺野古移設問題です。その結果、自民党は分裂。辺野古移設反対の公約を守れと訴える自民党那覇市議が、社民、共産との相乗りで翁長氏を擁立するという前代未聞の選挙となっています。安倍政権としては絶対負けられない選挙です。政府は2021年まで毎年3000億円以上の「沖縄振興予算」計上、カジノ特区法案による沖縄へのカジノ誘致など、早くも“札束攻勢”は始まっています。記者は現地取材の中で「沖縄はずっとヤマト(本土)の不当な差別にさらされ続けてきた。今回の選挙はそんなヤマトの植民地支配からの独立戦争だと思っている」という言葉を何度も聞いたといいます。今後の連載が非常に楽しみです。

もう1つ、週刊朝日の「きかんしゃトーマスが大井川鐵道を走る」というカラーグラビアが素晴らしい。7月から10月までの期間限定で静岡県の大井川鐵道・新金谷-千頭間を「きかんしゃトーマス」が走っているのです。機関車はもちろん客車もプラレールを実物大にしたというか、映像の中でしか知らないトーマスが本当に動いているのです。1942年製のC11型227号機を青く塗り、顔を取りつけ、トーマス仕様に改造。その顔は目も動く本格的なもの。顔にかかった費用は400万円だそうです。沿線にはカメラを抱えた人人人。ホームにはトーマスが大好きな子どもたちであふれています。このアイデアと実行力が、いまの(というか、これまでずっと)JR北海道には著しく欠けていると言わざるを得ません。

「今週の大谷翔平」はお休みです(笑)。さすがに今週は記事がありませんでした。そのほか、北海道関連でいうと週刊プレイボーイの特集「夏の甲子園 伝説の瞬間1970年代~2000年代編」で2006年第88回大会の「ハンカチ王子とマー君の球史に残る死闘!!」が紹介されていました。次ページには2003年第85回大会の「ダルビッシュ、無念の準優勝」、さらに2012年第94回大会は「ライバル大谷翔平不在も長身エースの速球がさえわたる!藤浪の連続完封で大阪桐蔭が春夏連覇」。また、週刊朝日「2014上期 追悼 著名人の弔辞」では4月30日に亡くなった上砂川町出身の作家・渡辺淳一さん(享年80)のお別れ会(7月28日、東京・帝国ホテル)での弔辞が紹介されています。読んだのは作家の林真理子さん。また3月14日に亡くなった俳優の宇津井健さんの弔辞(5月1日、ホテルオークラ東京)は芦別市出身の俳優・水谷豊さんがおこなっています。では、また来週。(鈴木正紀)