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集部日記

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2014-06-30 週刊誌レビュー(6月23日~6月29日)

今週は何といっても東京都議会の“セクハラやじ”問題でしょう。ただ6月18日の出来事のため、週の前半に発売される週刊誌は追いきれず、週後半の「週刊新潮」「週刊文春」「フライデー」が、やじを飛ばしたほう、飛ばされたほう双方に斬り込んでいました。

都議会本会議の一般質問で、女性の結婚や妊娠への行政支援について質問していたみんなの党の塩村文夏議員(35)に対し、「早く結婚したほうがいいんじゃないか」とやじったのは自民党の鈴木章浩議員(51)。当初はこれほどの大問題なるとは思っていなかったのか、しらを切り続けていた鈴木議員でしたが、5日後には塩村議員に公開謝罪。あまりにも恥ずかしく、みっともない対応に各誌は容赦なく追及します。公人中の公人なのですから当たり前です。フライデー7月11日号は「嘘つきヤジ男・鈴木章浩都議が隠したい過去暴く!」、週刊文春7月3日号は「セクハラやじ都議会 犯人の下劣」といった具合で、2年前に泳いで尖閣列島・魚釣島に上陸し沖縄県警に事情聴取を受けていることや、大田区議時代の海外視察レポートはコピペ、立正佼成会の信者、銀座のクラブやキャバクラの豪遊などが暴かれています。

もちろん、セクハラやじは鈴木議員だけではありません。「まずは自分が結婚しろ」「産めないのか」「不倫しているらしいぞ」等々の発言もあったとされています。週刊新潮7月3日号は「『スケープゴート』血祭りで余罪をすっとぼけた野次四天王」、フライデーは「鈴木都議より酷いサイテーヤジ都議の顔写真!」の見出しで記事を掲載。しかし“容疑者”は全員否定です。今後、声紋鑑定もおこなわれるでしょう。ことここに至ってもまだ平気でウソをつく大人たち。子どもが大人を尊敬するわけがありません。いずれにせよ、言った本人が一番わかっているわけですから、一刻も早く名乗り出るべきです。

一方で、やじられた塩村議員の過去もバッチリ暴かれます。週刊文春は「涙のヒロイン塩村文夏『華麗なる履歴』」、週刊新潮は「実は女の敵だった『美人都議』白いスネの傷」の見出しで、岡山県内の高校に在学中からモデルなどの芸能活動をしていたことや、ビートたけしが司会を務める「スーパーJOCKEY」(日本テレビ)の人気コーナー「熱湯コマーシャル」に出演しビキニ姿で自身の写真集をPRしていたこと、山川恵里佳らと「ミスヤングマガジン」に選ばれ、その翌年には平塚競輪のマスコットガールをしていたことなど、塩村議員はまさに“華麗” な経歴の持ち主です。その後、英国やオーストラリアに留学し、一時期は航空会社のキャビンアテンダントとしても働いていたようです。2007年からは明石家さんまが司会を務める「恋のから騒ぎ」(同)の14期生として1年間出演。年間のMVPを獲得します。そして放送作家、維新政治塾、みんなの党と渡り歩き、現在に至っています。一方で、許可なしポスターを貼って地元で顰蹙を買ったり、事務所の家賃未払いでオーナーと訴訟合戦になっているなど、醜聞も取り沙汰されています。まさに週刊誌が喜ぶ“逸材”といっても過言ではないでしょう。

「やじは議会の華」などとも言われるのですが、品のないやじは論外です。今回、あらためて日本の社会はセクハラに鈍感で、また議員という職業に就く人々の無能さ、低俗さが明らかになったのではないでしょうか。異常に多い国会議員の世襲もそうですが、日本の議会制民主主義はかなりの重症です。亡国の一途をたどっている現状の一端は、ここにあるのだと思います。

経済誌を見てみましょう。「週刊東洋経済」6月28日号は「海外投資家の正体」を特集。いまや日本の株式市場の売買は、6割超が海外投資家です。彼らのインタビューも出ていますが「アベノミクスに期待している」「一層の円安を望む」等々の意見には呆れます。とにかく自分たちが儲けるために、株を買った企業がどうなろうと知ったことではありません。また、日本国民の生活などまったく眼中にないのです。安く買って高値で売り抜けられればいいだけで、まさに博打です。こんなものに企業も日本国民も振り回されています。私は昔から、資本主義のあり方はどこかおかしいと思っていました。特段、経済学を勉強したことはありません。あくまで感覚的なものです。どこか違和感がある。それが現実のものになってきているのだと思います。資本主義経済は限界にきています。何か新たな秩序を早急につくらないと、取り返しのつかない事態に陥るのではないでしょうか。

「週刊ダイヤモンド」6月28日号で目を引いたのが「今こそ!『嫌われる勇気』仕事に効くアドラー心理学」。ダイヤモンド社が昨年12月に出した『嫌われる勇気』(著者:岩見一郎・古賀史健)が結構、売れているようで、その宣伝も兼ねた特集になっています。私も2月21日、文教堂書店札幌すすきの店で買っています。なぜ購入日や書店がわかるのかというと、いつどこでどんな本を買ったかということを、ずっと記録しているからです。この本を買った理由は、ズバリ「嫌われる勇気」という題名ですね。本当にネーミングは大切だと痛感します。

話が逸れました。この特集のテーマとなっている「アドラー心理学」はアルフレッド・アドラーという人物の思想のことです。アドラーは、ジークムント・フロイト、カール・グスタフ・ユングと並ぶ“心理学の三大巨頭”の1人。過去のトラウマに縛られる「原因論」を否定し、将来は自分で選ぶことができるという「目的論」を説いています。そのためには、嫌われる勇気も必要です。「感情には隠された目的がある」「あらゆる悩みは対人関係に行き着く」「叱ってはいけない、褒めてもいけない」など、アドラーの教えに衝撃を受ける人もいます。だからこそ職場や家庭で複雑な人間関係に悩む多くの日本人の心に響いているのかもしれません。特集の内容自体はかなり薄いですが、気づきのきっかけにはなると思います。

「フラッシュ」が4週連続で「日本が誇る100人シリーズ」という企画をやっていましたが、7月8日号がその最終回でした。今回は同誌が独自に集計した最新版の長者番付「ニッポンの大富豪100人」。2013年の推定年収1位は、ソフトバンク社長の孫正義氏(56)。その額は2159億300万円。2位以下とはケタ違いです。その2位は、孫氏の弟でガンホー・オンライン・エンターテインメント社長の孫泰蔵氏(41)の574億4200万円。そして、堂々の3位にニトリHD社長の似鳥昭雄氏(70)がランクイン。推定年収は413億9600万円とのことです。道内関係でいうと、札幌証券取引所アンビシャスに上場している健康コーポレーション(東京)社長の瀬戸健氏(36)が20億5500万円で49位に入っていました。このベスト100には10年前と20年前の推定年収も出ていて、その推移を見られるのも面白い趣向となっています。

今週、私が注目したのは「サンデー毎日」7月6日号の「中央公論が載せられなかった中森明夫『考察』を全文掲載『エルサとアナは一人の女性だ』」です。5月15日、アイドル評論家にしてサブカルチャーの旗手としても著名な中森氏に、中央公論の編集者がディズニー映画「アナと雪の女王」の大ヒットを考察してほしいとの原稿依頼がありました。ゴールデンウイーク明けに映画を観た中森氏は衝撃を受け、ヒットの背景を原稿用紙10枚にまとめ入稿。しかし、同26日、編集者から電話があり、原稿には3つの問題があると切り出されたようです。1つは、話の筋がバレていること、それとNHKの経営委員で埼玉大学名誉教授の長谷川美千子氏と雅子妃殿下に言及していることでした。中森氏は、ネタばれについては書き方次第で改善の余地はあると感じましたが、長谷川氏と雅子妃については「編集部の姿勢や質に合わない」と繰り返されるだけで、明確な削除や書き換えの要請もなかったといいます。結局、理由も判然としないまま電話一本で掲載の見送りが通告されたのです。中森氏はその経緯を6月17日付「毎日新聞」夕刊に公表。あわせてネット上で全文を公開しました。その反響はすさまじく4日で約1万件のアクセスがあったといいます。なぜ、中央公論は掲載を見送ったのか。誌上で全文を読むと、中央公論が読売系ということを差し引いても、メディアの自主規制がかなり危険なところまできていると実感します。

スポーツ関連では、フライデーが「いま一番“見られてる”ゴルフ美人姉妹に肉迫熱撮!」と、北海道出身の新人プロゴルファー・藤田光里さんと妹でキャディ兼モデルの美里さんのツーショットをカラー見開きで掲載。美里さんもプロゴルファーを目指していましたが、なぜモデルになったかは同誌記事を参照してください。8月に北海道で開催される「meijiカップ」では、この2人が並んで歩く姿が見られるそうです。さらに同誌ではソチ五輪メダリスト、スキージャンプの葛西紀明さんも登場しています。見出しは「葛西紀明が語る『妻はあげまん』『40から伸びる男の生き方』」。こちらもカラーページです。葛西さんは毎週どこかの週刊誌に出ている感じですね。葛西さんの関連では、週刊新潮が「レジェンド葛西がプロデュース『5層の家』は売れるか」という小ネタを紹介していました。北海道日本ハムファイターズ・大谷翔平選手のネタも、今週も健在。ただ中身はというと、週刊文春が「百六十キロ連発の大谷翔平、メジャーなら年俸はいくら?」と取り上げたのですが、メジャー関係者のコメントは「正直、年俸がいくらになるか想像もつきません」という身も蓋もない話でした(笑)。

そのほか道内関係では、週刊新潮が6月22日に起きたJR江差線泉沢―札苅間の脱線事故について「脱線『JR貨物列車』の積荷が『新聞ロール紙』だったので」という記事を掲載。また、週刊文春掲載の日本製紙連合会広告に釧路市出身の直木賞作家・櫻木紫乃さんのエッセイが掲載されています。週刊東洋経済は“水産王国”の道内漁業者も必読すべき「魚が消える!瀬戸際の水産資源」という特集を組んでいます。最後に「週刊SPA!」7月1・8日号の「エッジな人々」には、函館出身のロックバンド「GLAY」が「僕らは20周年を東北に捧げます」とのインタビュー記事。いまやTERUもTAKUROも43歳なんですね。興味のある方はぜひチェックを。では、また来週。(鈴木正紀)