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集部日記

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2015-02-02 週刊誌レビュー(1月26日~2月1日)

先週、この欄でイスラム国に拘束されていた湯川遥菜さんが殺害されたようだと書きました。1週間後、同じく拘束されていたフリージャーナリストの後藤健二さんも殺害されたようです。2週続けての悲報に、やるせない気持ちでいっぱいです。安倍晋三首相は先般の中東外遊で、イスラム諸国に対して取り返しのつかない、誤ったメッセージを発信してしまいました。日本の外交オンチも、ことここに極まれりといったところです。戦後70年、日本国民はアメリカ一辺倒の外交しかしてこなかったツケを払わされることになるのかもしれません。

フライデー2月13日号は、カラー3ページで「英米が生んだ世界一狡猾で残虐なテロ組織 イスラム国の殺人モンスターたち」を掲載。記事では「完全ドキュメント こちらの情報が筒抜けになっていた!イスラム国に翻弄された安倍官邸24時」「安倍官邸全舞台裏『緊迫の後藤健二さん救出作戦』」「安全な国は、もうどこにも無い!ここも危険!金持ち国の日本人を狙う『テロ集団』『やり口』」6ページで計9ページ。週刊文春2月5日号は「人質殺害『イスラム国』禁断レポート」と題して総力取材17ページ(飯島勲氏、池上彰氏の連載含)を掲載。「『10分300万円』に命を賭けた後藤健二さん 書かれざる数奇な人生」「ロンドン取材 父親は米大使館爆破犯の元ラッパー 首切り執行人ジハーディ・ジョン24歳の狂気」「イスラム国潜入ルポ 性奴隷、覚せい剤兵士、自爆ベルト主婦」など全8本の記事にモノクログラビア3ページ。週刊新潮2月5日号は「暗黒の支配地域に電話インタビュー!のべ37人に21時間15分!『イスラム国』大全」10ページに13本の記事を掲載。さらに「『イスラム国』残虐映像にすくんだ平和『日本』」と題した記事を5ページ。さらにモノクログラビア「イスラム国の闇」を5ページで、合計20ページを割いていました。

その他、Newsweek日本版2月3日号は「『イスラム国』残虐性の原点と実態」10ページ。フラッシュ2月10日号「総理自慢の安全保障・危機管理内閣、機能せず!新聞・テレビが報じない『イスラム国』非道の刃に屈した安倍官邸『無策』『失態』全部書く」5ページとカラー「独自の法体系で首切りを正当化する非道集団 イスラム国よ、どこまで残虐なのか!」2ページで計7ページ。週刊朝日2月6日号は「徹底取材『イスラム国』人質殺害 後藤健二さんが拘束直前本誌記者に送ったメール」ほか6ページ。週刊ポスト2月6日号は「新聞・テレビが報じない内幕スクープ 本誌だけが知る『後藤さん、湯川さん見殺し』の“3カ月交渉”スッパ抜く 安倍は『イスラム国テロ』に『俺はツイてる』とほくそ笑んだ」5ページ。週刊現代2月7日号「全国民必読 安倍総理は間違えた。これは悪夢の始まりにすぎない『イスラム国』から日本人に告ぐ!」4ページ。サンデー毎日2月8日号「『日本人殺害脅迫』不都合な真実 イスラム国の卑劣を侮った『安倍外交の誤算』」4ページ等々、安倍首相の軽率すぎる行動を批判していました。

週刊アサヒ芸能2月5日号は「イスラム国『日本人殺害予告事件』は邦人誘拐ビジネスの始まりだった」、週刊SPA!2月3日号「戦慄!『イスラム国』次なる標的は日本国内テロだ!」、週刊プレイボーイ2月9日号「2大組織の主導権争いに、日本は巻き込まれてしまった……アルカイダvsイスラム国『自己顕示テロ』合戦の行方&佐藤優『収束にはこの手段しかない』」、週刊大衆2月9日号「生還ジャーナリストが『日本人人質事件』の凶悪手口を明かす!イスラム国が『日本を狙う理由』」、アエラ2月2日号「イスラム国が日本人2人の身代金要求 演出された人質ビジネス」、週刊実話2月12日号「警察庁警戒!日本に牙を剥いたイスラム国『地下鉄サリン』同時多発テロの悪夢」といった具合に、否応なく日本人もイスラム国から狙われる立場になってしまったと危機を煽っています。必要以上に不安をかき立てるのは週刊誌の常套ではありますが、いまとなっては、ある程度の覚悟は持たざるを得ないのかもしれません。

やはり今週はイスラム国の人質関連の記事が多く、個人的には他に目ぼしい記事は見当たりませんでした。そんな中、先週来話題になっている話題の後追い記事が2本。ちょっと気を引きました。1本はフラッシュの「『ニュースウオッチ9』ではけっして報じないNHKと官邸の『危うい関係』! 真相直撃!大越健介キャスター『反籾井会長派』粛清で更迭!」。同誌記者が大越キャスターに直接話を聞いていました。週刊文春は「NHK大越キャスタート後任は超イケメンで英語ペラペラ」。もう1本は週刊アサヒ芸能「元夫・高相祐一が事件の真相を初激白!酒井法子と初めてシャブをキメた夜」。初激白とはいいながら、先週の週刊プレイボーイに先を越されていたのですが……。

週刊現代の「ビジネスマン必読 スズキ元現地社長は見た!中国で商売するなら、これだけは知っておけ」は、これから中国進出を目指す企業への忠告を書いています。ネタ元は中国で30年以上ビジネスをしてきた自動車メーカー「スズキ」の松原邦久氏。近著「チャイナハラスメント」(新潮新書)でその実態を明らかにしています。日本人の誠意などはまったく通じない国だということなのですが、昨年初めて中国へいった私からすると、必ずしもそうだとは思えません。それは、まさに私の皮膚感覚です。しかし、書籍となっている以上、誇張はあったとしても、松原氏がまったくの嘘を書くわけもなく、中国にはそうした一面があるということを認識はしておいたほうがいいでしょう。

アエラが組んだ大特集「エネルギーから見える世界と日本」は22ページ。「原油暴落ショック 投機マネーが危機を引き起こす」に始まり「早すぎた『シェールバブル』の終焉」「原発、絵に描いた餅も描けない混沌」「新電力に500業者殺到 電力選択時代が来る」「電気は自分の力で作る」「金融商品になった太陽光はバブル崩壊の危機」「トヨタが燃料電池車特許を無償提供する理由」「日ロが天然ガスパイプラインでつながる日」など多岐に渡る話題を提供。「ビジネスや地域をつくる旗手」という章では、鹿追町の自治体が糞尿を集め地域の農家を側面支援する事業が紹介されていました。

サラリーマンにとって出世は一大事。三井物産は4月1日付で新社長が就任します。なんと、取締役でもない執行役員の安永竜夫氏54歳です。週刊現代は「衝撃の『32人抜き』三井物産54歳の新社長その素顔と評判」、週刊文春は「三井物産54歳新社長に抜かれた32人の悲劇」と報じていました。昨年、執行役員になったばかりの安永氏は、取締役会議にも経営会議にも出たことはありません。それが4月から、いきなり社長として出席する。みんな年上です。果たして会議を仕切れるのか。考え出せば不安ばかりですが、やるしかありません。社長の任期は6年。人生、本当に何があるかわからないものです。

同じ社長人事ですが、週刊実話が「年末商戦惨敗で“賞味期限切れ”『任天堂』社長交代秒読み」と報じていました。任天堂社長の岩田聡氏は札幌出身。2002年、当時42歳の若さで社長に就任しています。ただここ数年は業績が思わしくなく退任も噂されていましたが、いざとなると辞めない。たとえば13年1月の決算説明会で、14年3月期の営業利益1000億円達成をぶち上げ「これはコミットメント」すなわち「公約」だと発言したことがあります。ところが、見事な営業赤字に陥ると「辞めると言った覚えはない」と開き直り、株主や社員、OBらから猛反発を食らいました。昨年秋の中間決算発表の会見では「年末商戦の結果に責任を持つ」と言い切りました。しかし、それもふるわず“万事休す”の感もあるようです。

週刊朝日は「安倍農協改革は第2の郵政か… 農協vs官邸 農村を滅ぼすな」を4ページにわたり掲載。農協改革の裏には、日米両政府による約400兆円の“農協マネー”の奪い合いがあると指摘しています。その「JAグループ」は週刊新潮に、カラー3ページの意見広告を出しました。その中で北海道大学名誉教授の太田原高昭氏が「JAの健全経営には中央会が欠かせない」とのコメントを寄せていました。

経済誌を見てみましょう。奇しくも「週刊ダイヤモンド」「週刊東洋経済」ともに、いまベストセラーとなっている書籍のテーマについて特集を組んでいました。ダイヤモンドは統計家の西内啓氏が書いた「統計学が最強の学問である」(ダイヤモンド社、定価1600円+税)から「統計学 自由自在!」を特集。同書はすでに35万部を突破しています。東洋経済は、現在世界的ベストセラーとなっているトマ・ピケティ氏著の「21世紀の資本」から「ピケティで始める経済学」を持ってきていました。ピケティ氏は43歳のパリ経済学校教授。データ収集などに15年の歳月をかけたといわれる「21世紀の資本」の英語版は昨年4月に刊行。700ページを超える学術書にもかかわらず、たちまちアマゾンの総合売り上げランキング1位に。現在までに十数カ国で発売され、累計で100万部を突破しているそうです。日本語版は昨年末に、みすず書房から発売されました。5500円という定価ですが、すでに13万部に届こうとしています。この大ベストセラー2作を読まなくても、今週の経済誌2誌を読めば、ことは足ります。有難いことではありますが、でも原著に当たってこその特集です。より理解を深めるためにはやはり原著を読みましょう。

道内関連でいうと、週刊新潮の巻末カラーグラビア3ページは「旬を迎える白老町のスケソウダラ漁」を取り上げていました。最近の事件をヒントに創作する同誌連載の「黒い報告書」。今回の執筆者は小樽在住の作家・蜂谷涼さんでした。テーマは「『源氏物語』を学んだパパが優しく磨いてくれたから」。週刊東洋経済の「『ご当地アイドル』奔る 発信力に行政も注目」という記事を見ると、北海道には「フルーティー」というアイドルがいるそうで。私はよく知りませんでしたが、札幌を中心に活動する10人組のアイドルユニットです。近々、AKB48の札幌版「SPR48」もできるようです。やはりライバルは必要です。相乗効果で北海道のアイドルシーンを盛り上げてもらいたいものです。

そのほか、週刊アサヒ芸能のカラーグラビアは「3月14日『北斗星』と『トワイライトエクスプレス』が引退 さらば栄光のブルートレイン」。ちなみにトワイライトエクスプレスの運転終了日は3月12日です。週刊現代の巻頭カラーは「有名人がハマった『この味』」。北海道出身の歌手・北島三郎さんは東京都武蔵村山氏の「紀の国屋」の「おこじゅ」というどら焼きを推薦。一方、俳優の中尾彬さんは後志管内余市町「南保留太郎商店」の「インディアンスモーク」を推薦。ご自身が10年前から取り寄せているといいます。それに続くカラー企画「びっくり!都道府県ランキング」では、幸福度、金持ち度、スタバ指数、ユニクロ率まで、なんでもかんでもランキングしていました。それをもとに「暮らしやすい県はどこなのか」を明らかにしようという趣旨です。ちなみに北海道が1位だったのは「コンビニがたくさんある」と「趣味・娯楽のための時間が長い」。コンビニは人口10万人当たり53.91件、趣味・娯楽のための時間は188分だそうです。贅沢な時間の使い方ができる北海道。それは、時間を惜しんであくせく働いている人や寝る間も惜しんで勉強をしている子どもたちが他県に比べて少ないということの裏返しでもあります。どちらがいいのかは価値観の問題ですから言えません。さて、総合ランキング、すなわち日本で一番住みやすい県はどこかというと、1位に輝いたのは山梨県。北海道は意外と低く、47都道府県中29位でした。なんとも微妙な位置です。

トヨタ自動車がおこなっている「トヨタ社会貢献活動」のPR記事が週刊文春に掲載されていました。「トヨタ・子どもとアーティストの出会いin苫小牧」という見出しで、苫小牧市立樽前小学校の子どもたちが登場。金工家・彫刻家の藤沢レオさんが、苫小牧の子どもたちと錬金術に挑戦している様子がカラー3ページで紹介されていました。週刊朝日「全国5902病院の手術数総覧」。手術数で“いい病院”がわかるというテーマのもと、厚生労働省のデータを情報公開で入手したもの。2013年1年間のがん、心臓病、脳疾患、人工関節など24項目の手術数。道内は375医療機関の実数が掲載されていました。気になる方は、ぜひ同誌を。ではまた来週。(鈴木正紀)