「情報を先取り、タブーに挑戦」を編集方針とし、生活者・企業経営者に
最新かつ有益な情報価値をご提供する、北海道の地域政治・経済誌

ロゴ

トップページ > 編集部日記

集部日記

このエントリーをはてなブックマークに追加

2013-10-15 記者クラブメディアは何を伝えているのか

来年4月からの消費税増税が決まりました。3%上がって8%になります。100円のものは108円。1000円のものは1080円。10000円のものは10800円。こうやって考えると、結構家計にドスンときます。やはり高い。サラリーマンは給料から天引きですからなかなか気がつかないのですが、実は保険料やら年金やらが上がっています。しかも、円安で物価も上がっている。家計が苦しくなるのは明らかです。それでも大手メディアの世論調査では、増税賛成が半数以上と報じています。本当でしょうか。少なくても私の周りに増税賛成者などいません。調査自体がどうなのか、あまりに大手メディアの「増税やむなし」の論調に流されてはいないか。そもそも増税したからといって国の借金が減るとは思えないし、社会保障が充実できるとも思えません。それはいまの政治家、中央官僚を見ていれば明らかだと思います。

政治家も官僚も、どこを見て国家運営をしているのでしょうか。少なくとも国民を見ているとは思えません。政治家であれば自分の支援者だとか自分の地元だとか極々狭い範囲の利益誘導にいそしむばかり。官僚は省益のことしか頭にありません。そんなふうに見えてしまいます。とにかく自分の省の予算を増やし、天下り先をつくり、権限を放さず、業界への影響力を強める。そこにどれだけムダな金が流れていることでしょう。われわれはもう気がつかなければなりません。

悲しい現実ですが、日本の大手マスコミの報道は鵜呑みにはできません。本当のことが出てくる仕組みにはなっていないからです。排他的で横並びの意識が強い記者クラブ制度。権力側にとっても、こんなに便利な制度はないのです。情報は記者クラブだけに流す。記者クラブ側は情報を独占したい。権力側が、そこに目をつけないはずがありません。飼いならすに決まっています。年に何度も開かれる権力側と記者クラブの懇親会。役所であれば税金を使うことになるでしょう。記者クラブ側も、いまは会費を払っているというのでしょうが、厳密に折半などということはありません。事務所も貸与(家賃はいくらか支払うようになってはいますが、その額が適正とは思えません。公益のためだから家賃は安くてもいいというのであれば、記者クラブの存在自体が本当に公益になっているのかどうか、きっちりと検証すべきです)、情報は一方的に流れてくる。これ以上ない便宜が図られているのです。篭絡されるのは当たり前です。

権力側に都合の悪いことを書けば“出禁”(出入り禁止)にされる。それが恐ろしくて権力側に楯突くなどということは、記者クラブメディアには、ほとんどないのです。でも考えてみてください。権力側から一方的に流される“都合のいい情報”がカットされたからといって、一般国民は何も困りません。仮にその情報が半日遅れたとしても、国民生活に何の支障もないのです。そんなことを恐れて突っ込んだ取材も、権力監視もできないのであれば、報道機関の意味はありません。私なんかは出禁になったほうが自由な取材が出来ていいと思いますけどね。

権力と報道ということでいえば、北海道警察の裏金問題の顛末が思い起こされます。北海道新聞社は2003年から特集を組んで裏金問題を追及しました。その結果、日本新聞協会賞、日本ジャーナリスト会議大賞、菊池寛賞、新聞労連ジャーナリスト大賞など、ジャーナリズムに関する賞を総なめにしました。道民のみならず、全国からも絶賛されました。

これに対し道警はどう出たか。まず事件の情報を道新にだけ教えないという嫌がらせに出ました。もちろん、他社には教えて道新だけ“特オチ”させる。あきれるほど子どもじみた行動です。さらに道新内部の横領事件も発覚。道新はこの犯罪事実を隠し、内部で処理をしようとしました。これが道警の知るところになり、本社に家宅捜索をかける、社長に事情聴取をする、というような圧力をかけてきたようです。これに道新は簡単に屈してしまいました。

なぜこのとき道新社長は「やるならやれ。私を逮捕したいならすればいい」と言えなかったのでしょうか。「そんな脅しには屈しない。犯罪を摘発すべき組織が、自ら犯罪に手を染めてどうするのか。道民が安心して暮らせる社会をつくる上で治安を守る組織は絶対に必要だ。それが道警だ。警察は市民から信頼される組織でなければ、正義はなくなってしまう。道民は道警を信頼したい。尊敬したいと思っている。だからわれわれは本当に道民から信頼される道警になってもらうまで、報道の手は緩めない。徹底追及する」と。そんな声明でも紙面に出せば、大方の道民は道新の味方になったでしょう。

残念ながら、道新にそんな気概はありませんでした。裏金問題の特別取材班は解体され、主要メンバーは次々と異動。道新は記者を守ることもなく、権力に取り込まれてしまいました。別にこれは道新に限ったことではありません。明らかに道新が道警から理不尽な扱いを受けているにもかかわらず、他の記者クラブメディアは沈黙していたのですから。他社の嫉妬、社内からの嫉妬もあったのかもしれませんが、それとこれとはまったく違う次元の話です。この一例のように、記者クラブメディアは権力におもねるのが当たり前になっているのです。これで本当のことが伝わるでしょうか。大手メディアは何を伝え、何を伝えていないのか。どうして伝えないのか。受け手側の“メディア・リテラシー”が問われる時代です。リテラシーとは「何らかの表現されたものを、適切に理解・解釈し、分析し、また記述・表現する能力」(ウィキペディアより)のことです。

さて、そこで雑誌です。記者クラブになど入っていませんから、何ごとも独自の視点で報道します。少なくともそんな簡単に権力に取り込まれるような位置にはいません。まさに野武士集団というか、ゲリラ集団というか。部員たちには、型にはまらない姿勢で真実に迫れとハッパをかけています。さて「財界さっぽろ」11月号は本日発売です。政治あり、経済あり、社会あり、風俗あり。今月も絶対の自信作。お早めに書店、コンビニへ。(鈴木正紀)