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集部日記

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2013-09-17 東京五輪と日本の財政

2020年、東京でオリンピックが開催されることが決定しました。前回の開催が1964年ですから、実に56年ぶりということになります。かくいう私は、その64年生れ。今年49歳です。こんなことがあるんだなあと何だか感慨深いものがあります。かといって、私自身は再び東京でやる必要性をまったく感じませんけどね。あと7年。私は56歳になっています。何ごともなければ生きているのでしょうが、来年のこともわからない。7年後のことなどまったく予想がつきません。自分自身は何をやっているのか、日本は、世界はどうなっているのか……。

安倍晋三首相はオリンピック招致委員会のプレゼンテーションで「フクシマについてお案じの向きには、私から保証をいたします。状況は統御されています」と言いました。ほとんどの日本国民、いや日本の状況をそれなりに知っている海外の人たちからすれば、ウソだということは明らかです。統御とは「統べおさめること。まとめ支配すること」(広辞苑第6版)という意味。もっとわかりやすくいえば「全体をまとめて支配すること」「思い通りに扱うこと」です。誰が現状の東京電力・福島第1原子力発電所を見て「統御」しているといえるのでしょうか。安倍首相がどう保証するというのでしょうか。ここまであからさまなウソをどうして言えるのでしょうか。私にはわかりません。見栄っ張りで、いいカッコしいで、責任感の欠片もない、そんな人物に見えてしょうがありません。ちょっと恐ろしくなります。

いずれにせよ、これでまた消費税増税への条件がまた1つ整いました。一般的に五輪招致は明るい話題としてとらえられ、景気浮揚の一因になると認識されるでしょう。安倍首相も今回の成功を「アベノミクス第4の矢」とも言っているようです。国が出してくるさまざまな数字はいいものばかり。これで増税をしないというのであれば、その理由づけのほうが大変そうですが、これもまた恐ろしい話です。

既存メディアは、こぞって「増税やむなし」の大合唱ですが、消費税を上げようが上げまいが、国が真剣に財政再建をしようとしているようには見えません。そもそも収入が50兆円にも満たないのに、平気で90兆円の予算を組む国です。年収500万円の家庭が年間400万円の借金をしているようなものです。それを月に直してみると給料は41万円で、借金は月に33万円。こんな生活を続けてきて、いつの間にやら借金の総額が1億円になりましたという話です。あなただったらどうやって返します?まともに考えれば返済は不可能。自己破産しかありません。

これだけの借金大国にした責任は誰にあるのでしょうか。民主党政権も新幹線建設など自民党以上のバラまきをおこなってきました。「コンクリートから人へ」というスローガンもありましたが、一度ストップしたはずの公共事業は次々とゾンビのようによみがえりました。その後、また自民党政権に戻り「国土強靱化」の名の下に、10年で200兆円の公共事業をやるとかやらないとか。まともな感覚ではありません。消費税を5%上げても焼け石に水です。これから人口はどんどん減る。移民受け入れもそれほど積極的はない。消費税を50%にでもするつもりでしょうか。

そもそも今回の消費税アップにしても、本当に増税分が何に使われるのかわからない。どれくらい社会保障に回そうとしているのか、借金払いにいくら使うのかも、国民にはよくわかりません。そもそも年金の一元化すらできない国です。歳入庁もつくれません。税制も抜本的に変えれば、消費税の増税などしなくてもいいのかもしれません。制度疲労を起こしている既存の仕組みは変えなければいけない。でも、それは官僚にはでないのです。

公共事業が増えるということは、そのぶん美しい日本の自然が失われるということです。国土強靭化で太平洋側の海岸はコンクリートで覆われることになるでしょう。いまだに新たなダムやら道路をつくっています。農業予算の大半は土木工事費です。21世紀にもなっていまだに日本は“土建国家”のまま。アベノミクスでいいだけ財政出動しておいて、財政再建で国民をあおるという支離滅裂さ。ダメ過ぎです。

収入が50兆円しかないなら、50兆円で予算を組めばいいだけの話です。組めないというならどうして組めないのか、徹底的に事業を洗えばいい。どこにどれだけムダがあるか、はっきりするはずです。わけのわからない、ありとあらゆる業界にある天下り団体などまっさきに切ればいい。どれだけのお金が浮くでしょうか。それでも足りないなら公務員の給料の削減です。国の出先機関などなくしましょう。その余った国家公務員は地方へいくか、国税庁とか、公正取引委員会とか、会計検査院とか、自衛官とか、人の足りないところへ回せばいい。高齢社会です。40代50代の国家公務員も現場に出てもらいましょう。同じ国家公務員です。横断的人事でやりましょう。そう簡単にクビにはできないのですから、給料を払うのであればずっとこのほうが有効的です。民間企業は、利益が上がらなければ最終的に従業員の給料を下げます。国の収入が少ないのに、国家公務員の給料が下がらないというのは、まったく理にかないません。

正確な計算はできませんが、こうしたことをやれば増税などしなくてもいいのではないでしょうか。「借金も財産のうち」といいますが、国債の利払いに何兆円という額が支払われているはずです。日本国債を買っているのは、大半は日本国内の企業と個人といわれています。では、その何兆円の利子は国内に回っているのだと思いますが、国民はそのお金を見たこともなく、恩恵にあずかっているという実感もありません。いま日本銀行が大量に国債を買っています。満期がきたら日本国は日銀にその金を払っているんでしょうね。そのあとはどうなっているのでしょう。

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