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集部日記

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2013-04-15 勝負勘と大局観

アベノミクス、円安・株高、国土強靭化、TPP、消費税増税、憲法改正、原発再稼働、少子高齢化、人口減少社会、南海トラフ地震……。政府はこの国をどうしたいのでしょうか。まったく将来ビジョンが見えてきません。そこにあるのは自民党的旧来型発想のものばかり。新しい時代を切り拓き、世界をリードするようなメッセージは何もないように思えます。

それでも国民は自民党を選びました。いや、選ばざるを得なかったというのが正解でしょう。先の民主党政権があまりにもひどすぎたので、選択肢はありませんでした。何だかんだいっても戦後復興を果たしてきたのは自民党政権だし、バブルの夢を見させてくれたのも自民党。その間の政治は3流だったと思いますが、国民は繁栄を謳歌し、政治に関心など持たなかった。それが自民党政治を続けさせた要因でもあったと思います。

この国にいる指導者層には、大局観もなければ勝負師としての勘も働かない人ばかりなのでしょう。直近のいい例はWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)でしょうか。何とかベスト4まではいきました。他の3カ国を見ると、実力からして日本が優勝しておかしくなかったと思います。確かに勝負事には“時の運”があります。それを含めての実力なのですが、今回の采配等を見ていると、指導者層に勝負師がいたとは思えません。

これは経験によって磨かれるものではあるでしょうが、天性のものも否定できません。世の中、賭け事にめっぽう強い人はいるものです。もともと勘が働くから賭け事に挑戦する。そこで、さらに勝負勘は磨かれる。相乗効果です。実戦から離れていたということもあるのかもしれませんが、残念ながら山本浩二監督には研ぎ澄まされた勝負勘はなかったように思えます。

ひょっとすると大局観というのも、天性のものなのかもしれませんね。考えてみれば、そうそういないのかも。少なくとも世間からエリートと呼ばれる官僚に、その能力があるとは思えません。あまりに近視眼的で、前例踏襲的で、自らの利益誘導型です。その意味では大局観を持って国を動かせるのは政治家しかいないのですが、さて、いまの政界にそんな人物はいるでしょうか。

安倍晋三首相はどうでしょう。親族に政治家が多い絵に描いたような世襲議員です。父方の祖父は元衆議院議員の安倍寛。母方の祖父は元首相の岸信介。大叔父に元首相の佐藤栄作。父親は元外務相の安倍晋太郎です。

日本の政界に世襲議員が多いのは周知の事実。天皇制の影響なのでしょうか。日本人は皇室が大好きなように、血統とか血脈も大好きです。しかし、政治は歌舞伎や競馬とは違います。事実、あまたいる世襲議員のうち、父親を超えたという議員はどれだけいるでしょうか。国のためになったかどうかは別にして、橋本龍太郎、小泉純一郎くらいしか思い浮かびません。世襲でありながら異彩を放っているのは、河野太郎、渡辺喜美くらいなものでしょうか。期待は小泉進次郎……?

果たして、彼らに大局観はあったのでしょうか。そこで安倍さんです。私には、残念ながら大局観があるとは思えません。仮にあったとしても、それを実行できるだけの芯の強さがあるとも思えません。そこに“世襲議員は世間を知らないボンボンだ”という偏見が入っているのは間違いないところです。でもどうでしょう。石原伸晃、後藤田正純、赤城徳彦、松本龍、鳩山由紀雄……実際にそうした輩が多いのは事実です。ある意味、まだこうして名前があるのはいいほう。箸にも棒にも引っかからない世襲議員“そのた大勢”が税金を貪り食っているのですから。

北海道も北海道です。この沈滞ムードは何なのでしょうか。やはり大局観を持った発信力が必要です。それが国にも地方にもない。指し示す方向性がないから沈滞している。理想を語れないのは、そうした考えを持っていないからなのか、大国を敵に回すからなのかはわかりません。ただ、後者だというのであれば話は違ってきます。指導者に発信力さえあれば、逆にそれは回避できるのだと思います。

成長という名のドッグレース。人類が繁栄するために残された地球上の土地は、インド、アフリカ、シベリアくらいしかありません。そこを開発し尽くしたら、人類はどこへ向かうのでしょう。人口は爆発し、地球環境の破壊は取り返しのつかないところにいっているでしょう。海底でしょうか。南極でしょうか。宇宙でしょうか。人類は違う価値観を見つけ出すしかありません。それは人間のあまりにも自己中心的な欲望をどのように抑えるか。ここにこそ人類の英知が試されているのだと思います。

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