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集部日記

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2014-02-14 そんなこと、起こりっこない……?

2月9日、東京都知事選がおこなわれました。結果はご承知のとおり、元厚生労働大臣の舛添要一さんが200万票余りを獲得して初当選しました。この選挙には、元総理の細川護煕さんも立候補。バックには、これまた元総理の小泉純一郎さんがついたことでガゼン注目されました。小泉さんといえば「原発即時ストップ」を訴え、昨年はマスコミにも大きく取り上げられました。

選挙自体は、主義主張がはっきりしていて、それなりに面白い展開だったと思います。しかし、投票率の低さも影響したのか、結果は意外なほどの大差がつきました。投票率は前回から16.46ポイントも低い46.41%。大雪の影響もあったと思いますが、期日前投票も含め有権者の半分は投票しませんでした。

私が個人的に驚いたのは、反原発の細川さんと元日本弁護士会連合会会長の宇都宮健児さんの2人の得票を合わせても、舛添さんには及ばなかったということです。東京電力・福島第1原子力発電所の惨状は、事故から丸3年を迎えようとするいまも、なんら変わっていません。かえって悪化しているようにも見えます。放射性物質は相変わらずダダ漏れでしょう。この現実を直視すれば「原発即時ストップ」は当たり前のことです。その当たり前のことができないから“三匹のおっさん”ならぬ“三匹のじいさん”(細川さん、小泉さん、宇都宮さんも含めて)が立ち上がりました。

「原発問題は東京都民に直接は関係ない、もっとほかの課題があるだろう」というのは、現実逃避の言い逃れのようにしか聞こえません。東京は電力の大消費地です。マスコミは、細川さんは「原発即時ストップ」と都民の不安を煽るように喧伝しました。しかし、その真意までは報じていません。細川さん(大半は小泉さんの主張でしょうが)は、いまゼロという方針を明確に打ち出さないと、将来ゼロにするのは難しいということです。いますぐゼロにしても廃炉には50年、60年とかかります。「2030年代にゼロ」とか「安全が確認できたものは再稼働」とか、そんなことを言っていたのでは、転換などできないままズルズルといってしまうでしょう。少なくとも小泉さんはそれがわかっています。「いますぐゼロ」と「将来ゼロ」とでは、結果がまったく違ってくるのです。

年寄りにしてみれば、原発があろうがなかろうが、あまり関係ないのかもしれません。でも、自分たちの子や孫の世代のことを考えれば、本当にこんな選択はできるのでしょうか。どうしても「いまさえよければそれでいい」という刹那的な“大人の都合”には情けなくなります。未来に対して無責任というほかありません。

相変わらず若い世代の投票率は低かったようですが、出口調査の結果を見るとある傾向が浮き彫りになりました。元航空幕僚長の田母神俊雄さんは約61万票を獲得しているのですが、若者からの得票が多かったようです。朝日新聞の出口調査によると20代の得票率約24%で第2位。30代でも約17%で第3位でした。これには海外のメディアも驚いたようです。若者の票の受け皿として考えられていたのは、35歳のIT関連会社役員・家入一真さんでした。ホリエモンこと堀江貴文さんも応援していました。しかし、結果は8万9000票足らず。安倍晋三首相の右傾化に呼応するような若者の投票行動。本当に日本は戦争をする国になるんじゃないでしょうか。

でも、いまの若者に戦争をするような気概があるのでしょうか。もちろん、有事となって最初に戦地に赴くのは自衛隊(自衛軍)ですが、戦況によっては徴兵もあるかもしれません。いずれにせよ、最初に死ぬのは若い世代です。安倍さんや石破茂さんが戦地の最前線に行くわけではないのです。いまの若者には、そんな想像力すらも働かなくなっているのでしょうか。

北海道は、日本に属していると本当に危ういことになります。北海道の子どもの学力は全国でも最低レベル。しかも運動能力も著しく劣っているという結果が出ました。戦争になれば北海道の若者は、徴兵の草刈り場になるかもしれません。「どうせ本州の若者より劣っている。捨て駒に北海道の若者を使おう。北海道の若者を優先的に兵隊にとってやろう」などということがないとも限りません。まじめに独立を考えたほうがいいと思います。

「そんなこと、起こりっこない」――そうでしょうか。歴史は繰り返します。人間は歴史に学びません。喉元を過ぎれば熱さを忘れます。これは日本人の国民性もありますが、必ずしも日本人に限ったことではなく、人間という生物の特性なのかもしれませんね。この日記にも何度となく書いています。人間は高等生物のような顔をしていますが、人間ほどおろかな生物はいないのですから。

さて、2014年3月号は明日発売です。1月15日に死亡が確認されたJR北海道相談役・坂本眞一さんの大特集を組んでいます。総力取材、32ページの特集名は「坂本眞一怪死、JR北海道“底なしの闇”」です。いますぐ書店、コンビニへ。(鈴木正紀)