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集部日記

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2011-09-15 いまこそ雑誌の出番

世の中、本当に予想だにしなかったことが起こるものです。そう言って最初に思い浮かぶのは、やはり3・11の想像を絶した大津波、そして“きっと安全なんだろう”と、わけもなく盲信していた原子力発電所の事故。

最近では、苦節21年、ようやく手に入れた大臣の椅子を、わずか9日で失ってしまった北海道4区選出の民主党衆議院議員、鉢呂吉雄さんの経済産業相辞任。さらには9月12日、道内超有名企業JR北海道社長、中島尚俊さんの失踪。かなりレアなケースが続いています。

とくに鉢呂さんの辞任には正直、まいりました。というのも本日発売の「財界さっぽろ」10月号に、大臣就任の抱負を語ってもらったインタビューを掲載しているからです。この取材は組閣のあった9月2日の午後10時50分ごろからスタート。認証式、就任会見等々、すべての行事が終わったあとの単独インタビューでした。まさに息つく暇もないスケジュールをこなし、きっとお疲れのことだったと思います。それでも鉢呂さんは地元のメディアだということで特段の配慮をしてくれました。

それが東京電力・福島第1原子力発電所の視察を終えた9月8日以後の言動で、辞任に追い込まれたのはご承知の通りです。メディアがこの問題を取り上げたのは9日。翌10日には正式に辞任しました。ここが月刊誌のキツイところ。物理的に記事の差し替えは不可能な時期で、当初の見出し・内容のまま掲載しています。ある意味“幻のインタビュー”となったわけです。

この辞任劇、またメディアの暴走を垣間見た気持ちです。新聞やテレビの報道は「死のまち」の一部分だけを取り上げ、まさに“ヘビーローテーション”。故・中川昭一元財務相の“酩酊会見”報道を彷彿とさせました。その発言のあった会見の様子をネットで一部始終見ましたが、私の感覚では特段違和感があるとは思えませんでした。実際「死のまち」発言に対する記者からの質問もありません。

「放射能つけちゃうぞ」騒動も、各社それぞれ表現が微妙に違い、何が本当なのかよくわかりません。きっとそのような言動はあったのでしょう。一方で対話の大半は深刻な話だったとも伝えられています。誰が考えてもジョークでしかありません。それでも被災者のことを考えるならば「軽率」のそしりは免れない。被災者の怒りの言葉ばかりが報道されますが、中には「大した問題ではない」と答えた人もいるでしょう。しかし、それは報道されません。

やらせのようなものです。いま電力会社の「やらせ問題」がクローズアップされていますが、いまさら驚くほうがびっくりです。この手のシンポジウムなどで、やらせがないと本気で思っていたのでしょうか。どんな会合や集会にも、演出があり、動員がかかり、サクラのいることは、公然の秘密。人間社会がつくり出すものごとは、それらを割り引いて考えないと、とんでもないことになります。だからこそ調査報道が重要。いまこそ雑誌の報道姿勢が必要とされる時代です。

本日発売の10月号、今月もトバシてますよ。もちろん、いい意味で(笑)。特集は「原発・欺瞞の渦」と題し、一連の泊3号機対応から見える高橋はるみ知事の“ヒール像”に迫ります。前述の“幻のインタビュー”も見逃せません。鉢呂氏の脱原発に対する意気込みが“刺された”きっかけなのかもしれないからです。そこはぜひ本誌インタビューをご覧になり、みなさんで判断してください。そのほかにも注目記事だらけ。今すぐ書店、コンビニへ。(鈴木正紀)