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サスティナビリティ(100)
J-VER:北海道の環境資源を産業活性化に(3)
更新日:2010年09月30日

    

 本ブログ「サステイナビリティ」がついに100回目となった。2007年1月12日に第1回を掲載してからあっという間の3年だった。当初、北海道洞爺湖サミットを前に、「北海道の豊かな自然環境とサステイナビリティに取り組む姿勢を世界に紹介する絶好のチャンス」として取り上げたものだった。第1回のブログを見直してみると「気温30℃、湿度70%!梅雨時から残暑までの関東以西は日々の活動も思考力も減退してしまう。とてもまともに人間が生活できる環境とはいえない。これが年々その厳しさを増すだろうと予測されている。水不足、食料不足、過度の気温上昇、大気中の二酸化炭素の上昇に悩む世界の人々に北海道の美しい自然を紹介し、わが北海道に対するあこがれを抱いてもらいたいものである」と書いている。今年は、関東・中部・近畿で30℃どころか連日35℃以上の猛暑日が続き、わずか3年の間に地球温暖化が一層進んでいるのを実感させられた年でもあった。「サステイナビリティ(人類・環境の持続可能性)」は、せいぜい10回の連載のつもりで書き始めたが100回を超えることになったのは当初の想定外である。いずれにしても、このテーマでよくも続いたものだと環境問題の多面性と奥深さに我ながら感心させられている。近いうちに100回の総括を掲載したいと思っている。

 さて、連載中の環境省主催「第1回カーボン・オフセットEXPO」に戻る。前回は高知県の取り組みを紹介したが、同県の知事だった橋本大二郎さんのインタビュー記事をたまたま目にした。そこには次のようなコメントが載っていた。「高知県は80%が森林で、全国一の森林比率の高い県です。森林整備の大切さを地球環境の一つとして訴えてきました。森林環境税もそうですし、企業との“協働の森”の動きもそうです。この中でCO2の吸収証書を出したり、削減証書を出したりということをやってきました。やはり日本は緑・森林というものを大切な資源とする国です。こういうことを高知県から発信し、全国的な運動に取り組みとして広げてていくことをやっていかなければいけないと思います。」
 橋本知事が退任したのは2007年11月なので、2006年頃からオフセットカーボン(CO2削減による排出量の認定)に取り組んでいたことになる。これが、県を挙げての森づくり運動と、その資金源としての排出権の販売へとつながり今に至っているのだろう。本EXPOにおける高知県の積極的な出展とPR活動に感心しきりであった。

 高知県と同様に複数の出展ブースを持ち、積極的に森林J-VERプロジェクトをアピールしていたのが鳥取県である。我々から見ると鳥取は砂丘のイメージが強いが、実は県の大半が森林に覆われている。鳥取県は平成22年4月、環境省のJ-VER認定を受け平成20年と21年分合計621トンのCO2削減の認証を取得した。これは、日野町県有林529haの内50haの間伐を実施した事によるCO2森林吸収効果である。この県有林では平成24年までに110haの間伐を実施し、合計2,537トン(CO21トンあたりの排出量が1万円として金額換算2,500万円)のCO2削減によるJ-VERを取得する計画である。同県では県有林プロジェクトを先駆けとして、他に日南町町有林を含む5カ所でJ-VERの認定を現在申請もしくは申請準備をしている。これらが認められたらゆうに1万トンを超えるCO2が削減され、それがJ-VER(排出量)として企業や団体に販売可能になる。もちろん、これによって得た資金は間伐を中心とした森林整備に充てられCO2がさらに削減され、また木材、チップ、ペレット、民芸品などを生み出し、雇用創出や林産品の販売など地域活性化に貢献することになる。
 ご承知のように、今般の菅改造内閣で総務大臣に任ぜられたのは片山善博さんで、2007年3月まで鳥取県知事だった。片山氏は改革派知事として歯に衣着せぬ発言をすることで注目されていたが、実は森林整備においても積極的な取り組みを先導していた。2006年から「とっとり共生の森」プロジェクトを始め、企業の参加を呼びかけ森林保全の取り組みを推進している。現在はサントリーホールディングやイオン環境財団の参加をえて、16カ所364haの森林を保全・管理している。企業は環境貢献のイメージを広く発信でき、県は水源林の造成、自然災害跡地の復旧などの森林整備の協力を得ることができる。まさに“共生”のプロジェクトである。
 環境省主催「第1回カーボンオフセットRXPO」に参加して、高知県・鳥取県の先進的取り組みについて報告してきたが、全国の4分の1の森林面積を持つ北海道の取り組みはどうなっているのだろうか。次回以降に記載したい。