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サスティナビリティ(21) クリーンテック革命で北海道の再生を-(6)
Capital(クリーンテックへの投入資本)-2
更新日:2008年05月20日

    

 日本は森林の豊かな国である。国土の67%を森林が占めており(北海道はその4分の1)、これは森の国ドイツの40%よりも多く、英国の12%、中国の13%に比べても圧倒的な多さだ。戦後の林業振興で人工林は戦争直後に比べ3・8倍にも拡大している。この間に植林された樹木は30-40年の樹齢になっており、CO2の吸収が盛んになっている。
 京都議定書では2008年から2013年の間で日本は6%のCO2削減を義務付けられているが、そのうちほぼ3分の2にあたる3.8%(CO2 1,300万トン)が森林吸収によるものである。
 現在、産業界及び家庭でのCO2排出削減が叫ばれており関心が高まっているが、実のところその削減目標は0.6%である(ただし2007年段階でこの分野で既に8%を超えているが)。
 上記の内訳を見ると、いかに森林吸収が重要であるかを数値は示している。しかしながら具体的にどのように推進されているのかがわれわれには伝えられていない。農林水産省は平成19年から24年の6年間で330万ヘクタールの間伐による森林整備を行い(110万ヘクタールが追加分)、また「美しい森林づくり推進国民運動」を実施すると発表しているが、これも国民に浸透していない。CO2の森林吸収に関し多くの人が理解し、必要な取組を実行に移す時であろう。

 「日本の環境を維持するためには、先ず木を切ることから始めるべき」というのは誤解を生じるかもしれないが真実である。

 森林吸収を促進するためには、混みあった森林から曲がったり弱ったりしている樹木、樹齢が高く森林吸収力が弱った大木を伐採し、森林の中を明るく保ち生育を促す必要がある。このためには間伐が重要であり、森林の保水力を高めCO2吸収力を増加する。もちろん、その後に植樹する事も欠かしてはいけない。

 さて、道内の林業はしばらくの間、安価な輸入材、営林署の縮小、林業就業者の減少と高齢化で一時の勢いを失ってきた。北海道森林管理局によると、道内治山事業の総額(国有林・民有林)は2001年度の366億円から2005年には210億円と減少し、間伐面積は国有林が2001年から維持しているのに対し、民有林は25%下回っている。はたしてサステイナブル(持続可能)なCO2森林吸収は可能なのだろうか。
 そんな中、明るい兆しも見え始めている。ニトリ、加森観光、イオンなどによる“植樹活動が拡がり”を見せている。化石化資源の高騰による“バイオマスや天然資源燃料が脚光”を浴びてきている。新興国経済急成長による木材資源の需要と過度の伐採による供給不足で“輸入木材の価格が急騰”している。さらに国も“間伐事業推進”のために全国レベルで平成19年度765億円、20年度546億円の追加予算を計上している(平成20年度の「森林整備事業」と「治山事業」の予算総額は何と2769億円である)。
 この動きを加速させるのが、民間企業の参入と資金の投下である。サステイナビリティは企業にとってもはやCSR(企業の社会的責任)ではなく戦略となっている。今後予想される排出規制と炭素税は企業にとって大きなコスト負担になる。このため、CDM(クリーン・デベロプメント・メカニズム)等を利用し、海外(中国やインドネシアなどの新興国)で植林などの環境事業に投資し、高額な排出権を購入しようとしている。
 この排出権獲得の資本を北海道に投入できないだろうか。サステイナビリティをコストとしてではなく、事業機会として捉えられないだろうか。

 可能性として以下の案が考えられる。例えば、
1.民有林の間伐および植林に道内外の民間資本を大規模に勧誘する。資本投入した民間企業には相応する排出権を提供する。また、環境維持を支援する企業として、アピールの場を提供する
2.間伐・植林には他産業からの転換を呼びかける。
3.間伐された木材(特にカラ松)は建築材に利用促進すると共にチップ、ペレット、エタノールとし、CO2を相殺する天然資源の活用をはかる。これにも民間企業の参入を広く呼びかけ、排出権を供与する。

 これらの施策は既に一部開始されているが、道民運動として「北海道の再生をグリーンで」の旗印の下、進める必要があろう。
 次回ではより具体論に入っていきたい。