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サスティナビリティ(113)
2025年(4)
更新日:2011年03月01日

    

 2011年に入ってからも「ギリシャ危機はポルトガルなど南欧諸国に拡大するか」、「北アフリカ・中東で発生している動乱はさらに拡大し、アジアにまで波及するか」、「オーストラリアの洪水とそれに続くハリケーンは世界の鉱物・穀物市場に影響を与えるか」などなど、今後の世界経済に多大な影響を与えるようなニュースが飛び交っている。
毎日のように変化する状況の中、25年の世界・日本・北海道の社会・経済を予測するのは至難である。この連載を始めたのはとんでもない間違いだったのではないかと不安にさいなまれているのが本音だが、過去10年の歴史と各種予測をもとに、私なりのストーリーに挑戦してみたい。

 25年における世界・日本・北海道の姿を予測するに当たって、5年ごとに分けて見てみることにした。第1段階が11年から15年、第2段階が16年から20年、第3段階を21年から25年のそれぞれ5年間としてみた。第1段階を「日本はさらなる失なわれた5年間へ」、第2段階を「世界的経済混迷の5年間」、第3段階を「世界的規模の環境被害の5年間」、そして25年から「人類の叡智が地球再生に向かう」としてみた。その詳細分析および日本・北海道の対応については次回以降にするとして、その概略と前提は以下のようなものとしてみた。

第1段階(11年-15年):日本は更なる失われた5年間へ
 足元の日本経済は、長く続いた低迷から上向きになりそうな気配である。東証上場企業の11年3月通期の経常利益がリーマンショック後の08年の73%程度まで回復しており、日銀も「鈍化から脱却しつつある」と景気判断を上方修正している。ただ、はたして日本経済は今後の5年間順調に推移するのだろうか。
 現在の景気回復基調は新興国の急速な経済拡大と、QE2(米国の第2次量的緩和策)で大量のドルが世界市場に流入しているのが原因であると言われている。この2つが継続するかどうかについては疑問符がつく。
 中国を中心とした新興国経済もインフレ率、失業率、ジニー指数(所得格差)が拡大しており、さらに人民元の引き上げで今までのような一直線の経済成長は期待できないと思われる。北アフリカ・中東地域では食料の高騰と所得格差拡大により、相次いで動乱が発生しており、石油危機の様相を呈している。この点も、非常に気がかりだ。
 日本では、政治の混迷が今後5年間における最大の低迷要因だ。おそらく2度の衆議院選挙、2度の参議院選挙が終わるまで安定的な政権は出て来ないだろう。成長戦略、EPA/TPPによる市場開放戦略、税と社会保障に関する抜本的な改革案は、仮に国会を通ったとしても、それらの政策がこの5年間で実現されるのは厳しいと考えるのが自然である。
 国や地方の債務合計は15年にはGDPの200%を超え、個人貯蓄や企業の余剰資金の合計に近づき、格付け会社は日本国債の評価をさらに引き下げる可能性が大である。
 昨年11月、メキシコのカンクーンで開催されたCOP16:第16回国連気候変動枠組み条約)は、先進国と新興国間の前向きな合意が結ばれることなく閉幕した。15年までに参加各国が地球温暖化阻止に向け、地球規模の対策を取れるのかについては、見通しが暗いと言わざるを得ない。そうこうしている内にも異常気象が多発し、農産物や鉱物資源の不足が顕著になってきている。このままの状態が続けば異常気象が各地に多発し、食料を含めた資源問題が本格化してくるのは間違いないだろう。
 ただ、12年には米国・ロシアで大統領選挙、中国の国家主席交代があり、新しい政策を見守るという面で、13年までは世界経済に極端な変化はないと思われる。また、日本企業の円高対応力は増しており、新興国の経済も政治的混乱はあるものの中間層の生活改善が順次進むと見られる。日本経済そのものは1-2%のGDP成長で推移するのではないだろうか。日本経済には力強い回復はなく、低迷の時期が続くだろう。

第2段階(16年-20年):世界的経済混迷の5年間
 2桁に近い成長を続けた中国では、都市と地方の所得格差が一層顕著となり、就職先の見つからない若者たちの怒りが爆発し、これが契機になって不動産バブルが崩壊する。
 また、欧州中央銀行が必死になって防いでいるが、南欧のEU加盟諸国がIMF管理下に置かれる可能性が高い。これら諸国を支援していた独やフランスも、国民の「なんで働かない国を助けるのか」という怒号の中でこれ以上の支援は続けることを断念する。これによりEUは崩壊の危機に瀕することも想定される。
 世界人口の大幅な増加と中流化により、食料と資源価格が暴騰し、地域間格差・所得格差により世界各地で暴動が頻発し難民が発生する。自然災害の頻発がこれに拍車をかける。
 日本では、15年頃にようやく安定政権が誕生し、債務水準の改善と成長戦略の着手に取りかかるであろう。その時点では国・地方自治体の債務総額がGDPの2倍を超え、国民貯蓄資産を大幅に上回る。これを契機に金利上昇、国債の価値低下、為替レートの円安で大幅なインフレとなる危険性が生じる。危機に瀕し、日本もようやく抜本的な改革が国民の総意として開始されるだろう。
 地球温暖化防止の取り組みが先延ばしされていた結果として、20年を前に自然災害が多発するようになる。この現実に直面し、温暖化防止の施策がようやく世界的に実施されることになる。その中で、日本の環境関連技術が世界的に導入され始め、北海道でも、環境関連ビジネスが拡大していく。

第3段階(20年-25年):世界規模の環境被害の5年間
 20年までに上昇を2℃以内に抑えるとした地球気温は、対策の遅れで結局3℃の上昇となり、危惧されたティッピングポイント(地球を破滅に追い込む自然災害に至る転換点)の一部に達することになる。さらに、日本では関東直下型地震、東南海・東海・南海地震のいずれかが発生する可能性が高い。
 ただ、人類の叡智と20年以前に研究・開発された環境技術の普及により、自然災害は最悪の事態は回避し、25年を迎える前に世界経済は一部回復基調に入る。化石燃料依存から早期に脱却した日本は、海洋国の利点も生かし新たな成長に向け、世界をリードすることになる。
 次回以降に詳細分析をしたい。