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サスティナビリティ(121)
2025年(12)  2015年~2019年 「世界的経済混迷の5年間」(1)
更新日:2011年07月01日

    

 小豆をぐつぐつ煮て、不器用にあんころ餅を作っている自分を思い出す。ちょうど小学校に入学する時で、隣近所やお世話になった人達に2個ずつ配って回ったものだ。「お兄ちゃん大きくなったね。将来何になりたいの」と行く先々で聞かれた。
 戦後数年が経ち大混乱は幾分収まっていたのだろうが、今から考えると日本中はまさに貧乏のまっただ中だった。ただこの時分、未来に対する明るさと希望は持っていたような気がする。ラジオを聞きながら川上の赤バット、青田の青バットに興奮し、湯川さんという人が世界一の賞をもらったそうだと聞いて、こういう人になるようにがんばらなければならないと聞かされたりしたものだ。
 2015年から2019年にかけて孫達は学齢期に達する。孫達はどのような夢を追いかけるのだろうか。夢は我々の見たものと同じようなものだろうが、それを叶えるような世界を我々世代が準備できるのだろうか。非常に不安になる。

 2010年から2014年を「日本は更なる失われた5年間」として社会・経済、為替、国際、環境の各面から6回にわたって連載してきたが、その後の5年間の明るい展望は残念ながら見い出すことができず、「世界的経済混迷の5年間」と予測しなければならない。
 その大きな要因は東日本大震災後の政治の混迷である。数年後、2011年の相次ぐ政治の失態は、悔やんでも悔やみきれないものとして歴史に残るのではないだろうか。懸案の税と社会保障の一体改革は遅々として進まず、消費税増税について政治家は選挙を意識して誰も本気で取り組もうとはしていない。少子高齢化と社会保障費増額は年々その勢いを増しており、国の借金はどんどん膨らんでいる。TPPも企業減税も震災を理由に棚上げされている。このままではグローバル経済拡張の中、日本経済の空洞化はいっそう進むであろうし雇用機会はどんどん減少していく。地球温暖化による異常気象が常態化し、さらにティッピングポイント(地球を破滅に導く自然現象)も“想定外”ではなくなって来つつある中、温暖化防止への取り組みは停滞したままである。政治混迷は、2度の衆議院選挙と参議院選挙による安定政権ができるまで延々と続くのではないだろうか。
 2015年には学齢期になる孫達は、サステイナブルな世界で育っていくのだろうか。

 本ブログの113回(2025年第4回)では、2015年から2019年の5年間を次のように概観した。

 二桁に近い成長を続けた中国では、都市と地方の所得格差がいっそう顕著となり、就職先の見つからない若者たちの怒りが爆発し、これが契機になって不動産バブルが崩壊する。
 欧州中央銀行が必死になって防いでいた南欧諸国が、IMF管理下に置かれる可能性が高い。これら諸国を支援していた独やフランスも、国民の「なんで働かない国を助けるのか」という怒号の中でこれ以上の支援は続けることを断念する。これによりEUは崩壊の危機に瀕する。
 世界人口の大幅な増加と中流化により、食料と資源価格が暴騰し、地域間格差・所得格差により世界各地で暴動が頻発し環境難民が発生する。自然災害の頻発が混迷に拍車をかける。アフリカやアジアを中心に飢餓難民、環境難民が膨大な数で発生し、欧州・米国、(場合によっては日本にまで)に押し寄せ、国際紛争の種になる。
 日本では、2015年以降まで安定政権は誕生せず、その時点では国・地方自治体の債務総額がGDPの2倍をはるかに超え、国民貯蓄資産を大幅に上回る。これを契機に金利上昇、国債の暴落、為替レートの円安で大幅なインフレとなる危険性が生じる。危機に瀕し、日本もようやく抜本的な改革が国民の総意として開始される。
 地球温暖化防止の取り組みが先延ばしされていた結果として、2020年を前に自然災害が多発するようになる。この現実に直面し、温暖化防止の施策がようやく世界的に実施されることになる。その中で、日本の環境関連技術が世界的に導入され始めるだろう。

ブログ113回で2015年~2019年の概観を掲載したのは震災前の3月1日だった。震災による日本経済へのインパクト、原子力発電停止による電力不足、さらに拍車をかける政治混迷で、想定した概観は変わったのだろうか。

次号より、世界経済、日本経済、温暖化問題、北海道のやるべき行動と4回にわたって、2015年~2019年を予測してみたい。