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サスティナビリティ(131)
2020年~2024年 「世界規模の環境被害の5年間」(1)
更新日:2011年12月01日

    

 2010年~2014年を「日本は更なる失われた5年間へ」、2015年~2019年を「世界的経済混迷の5年間」と題し、22回にわたり本年1月から連載してきた。今回からは2025年を前にした2020年~2024年を「世界規模の環境被害の5年間」として、数回で見ていきたい。

 2011年も1カ月を残すのみとなったが、振り返ると今年は日本の社会・経済にとって誠に厳しい年だった。3月11日に発生した東日本大震災とそれに続く原発事故と電力不足、国際商品価格の高騰と超円高、タイの大洪水によるアジア生産拠点の被害。世界経済に目を向けると、欧州は金融・財政危機で当面身動きが取れず、米国は野党共和党が支配権を持つ議会の抵抗でオバマ政権は景気刺激策を打ち出せず、中国は世界的な景気後退でGDPの30%近くを占める輸出に陰りが出ており不動産価格の低迷も成長減速要因になってきている。インドも貿易赤字の拡大とインフレ率の高まりで失速の様子が出てきた。環境被害も各地で顕在化している。
 本ブログで指摘してきた「日本は更なる失われた5年間へ」、「世界的経済混迷の5年間」も現実味を帯びてきているのではないだろうか。

 経済・社会のグローバル化の中、世界的景気低迷の影響を受け、日本は2012年も全体として「更なる失われた5年間」のまっただ中と思われる。
しかしながら、新たに迎える年2012年は日本・北海道にとって、やりようによっては希望につながる年になるような気がする。
千年に一度とも言われている震災も、被災地の方々の“おもいやり”“たくましさ”“がまん強さ”で克服しつつあり、予算を伴って本格的な復興が開始され経済成長を押し上げるだろう。電力不足もしのぎ、再生可能エネルギーへの関心の高まりなど地球と共存する新たなライフスタイルも生まれてきている。欧米や新興国の直面する金融・財政問題の影響度も日本は比較的軽微である。何よりも実物経済を基盤にしている経済力は引き続き力強い。
北海道の経済を活性化するためには、2025年に向けその強みを活かした積極的な成長戦略を打ち出す必要があり、2012年はその出発点として重要な年である。
“風”“林”“水”“菜”、再生可能エネルギーへの本格的シフト、林業の振興、水資源の活用、そして農水産物の生産拡大に向け、具体的な取り組みが開始される年にする必要がある。
それが、2020年~2024年に予想される「世界規模の環境被害の5年間」にも北海道が持続的に成長し、日本さらには近隣諸国に支援の手を差しのべる力を持つことになる。
2020年以降の地球環境はどうなっているのだろうか。これは、世界各国が一体となった取り組みを早急に実行に移せれるかどうかにかかっている。

昨日(11月28日)COP17(気候変動枠組条約第17回締結国会議)が12月8日までのスケジュールで開始された。COPは「気候に対して人為的干渉を及ぼすことにならない水準において、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを究極の目的とする」というややこしい目標を掲げているが、要は「地球温暖化を促進するCO2を始めとした排気ガスを削減しよう」とする国債会議だ。
開催場所は南アフリカのリゾート地ダーバンで、2010年FIFAワールドカップの会場にもなった人口322万人の大都市でもある。

COP(気候変動枠組条約締結国会議)は194カ国・地域が参加する最大の国際会議の一つで、1995年に第1回会議をドイツベルリンで開催し、今回が17回目だ。
われわれ日本人にとって記憶に残るのが、1997年12月京都で開催されたCOP3だろう。この会議で「京都議定書」が採択され190カ国が批准している。
これだけの国が批准していても、削減を数値で義務化されたのは日本、EU、ロシア、カナダ、米国で、日本は2008年から2012年の第1次約束期間で1990年対比6%の温室効果ガスを削減することが決められた。
米国は7%削減義務を約束したが、議会での批准が通らず「京都議定書」から外れることになった。さらに最大の温室効果ガス排出国である中国は頑として受け入れることを拒否している。世界の排出量の18%の米国と23%の中国、さらには今後排出量の増加が予想されているインドが外れており、「京都議定書」の効果は限定的であるのは明白だ。

さて、問題は「京都議定書」の第1次約束期間は2012年で終わってしまうので、2013年からどうするかだ。昨年メキシコのカンクンで開催されたCOP16でも、「京都議定書」削減義務国のうち日本、ロシア、カナダは継続に反対しており、米国・中国も削減数値義務を課せられるのには猛反対した。
結局、何も結論を得ることなく今年のCOP17 ダーバン会議に「京都議定書」の後をどうするかは先送りされている。
果たして、ダーバン会議で何かが決まるのだろうか。閉幕する12月8日にならないとわからないが、おそらくは前回のカンクンと同じく具体的な合意はなされないのではないだろうか。
「気温上昇2度未満を達成させるため温暖化ガス濃度を450ppm以下に抑える」は国際社会の共通の目標であるが、先進国と新興国・途上国間で具体策が合意される様子は全くなく、どんどん先送りされている。この間にも地球温暖化は進んでおり、毎年極めて異常な気象現象が世界各地で発生している。
地球の気温が2度上昇するとどうなるのだろうか。
2010年4月から10回の連載で、「地球を激変させる8つのティッピングポイント」を本ブログで連載したが、「世界を襲う猛烈な砂塵」「エルニーニョ・ラニーニャの規模拡大」「北極の氷山・南極の氷床の溶解」「海洋大循環の停止」「メタンハイドレートの気化」「アマゾン熱帯雨林の消滅」「海洋のCO2吸収退化」などの発生する可能性が極めて高くなる。
すでに、これらティッピングポイントによるものと思われる異常気象現象が見受けられるようになった。

 IPCC(気候変動に関する政府間パネル:数千人の科学者による地球環境の調査研究)は、温暖化ガスによる今後の気温上昇と、それによる影響をいくつかのシナリオで予想している。
 最も気温上昇の小さいシナリオB1は、環境の保全と経済の発展が地球規模で両立する社会のケースで、気温上昇は1.8度から2.9度の範囲(平均1.8度)と予想し、今世紀中には何とか2度以内を守れる。一方、化石エネルギー源を重視しつつ、高い経済成長を実現するシナリオA1F1では、2.4度から6.4度(平均4.0度)まで地球気温が上昇する。
現在はシナリオA1F1に近い形で推移している。下手をすれば、2025年にも2度上昇することも地域によっては充分考えられる。

 COP17では、ポスト京都議定書の合意がなされることなく、また各国の採るべき責任ある行動も具体化されることなく終了するのではないだろうか。
COP17で問題が先送りされると、COP18でも各国の利害対立で合意することなく同じく先送りされるだろう。そうこうするうちに「京都議定書」の期限2012年が終わってしまう。

 さて、これらの情勢を勘案し、2020年~2024年の5年間で地球温暖化はどのように進んでいくかをみてみたい。世界は、日本は、北海道はどうなるのだろうか。
 次回より「世界規模の環境被害の5年間」を具体的に予測してみる。