「情報を先取り、タブーに挑戦」を編集方針とし、生活者・企業経営者に
最新かつ有益な情報価値をご提供する、北海道の地域政治・経済誌

ロゴ

トップページ > 社長ブログ > 新年にあたって(2)

長ブログ

このエントリーをはてなブックマークに追加

サスティナビリティ(78)
新年にあたって(2)
更新日:2010年01月20日

    

  2010年、地球温暖化に関連し北海道ではどのような変化が起きるのでしょうか。私は、風力発電に大きな変化がある年になると思っています。
 年初に雑誌協会の新年交流会があり、その際、東京駅丸ノ内出口の正面にある「新丸ビル」に行ってきました。「新丸ビル」は、以前にも本ブログで紹介しましたが、環境に配慮した設計になっています。本年4月から、消費する全ての電力を再生可能エネルギーでまかなうと発表し脚光を浴びています。青森県六ヶ所村で発電された蓄電池付き風力発電や水力・バイオなどの自然エネルギーを、東北電力と東京電力の送電網を使って同ビルに送り込むとのことです。商業施設や事務所で排出されるCO2は日本全体の19%で、製造・建設などの産業(34%)や家庭(20%)と共に削減が求められている分野です。
 東京都は、国に先駆けて本年4月に環境確保条例を施行し、本格的な排出量取引を開始します。当初、オフィスなど業務部門の1400事業所を対象に10-14年まで6-8%の削減が義務づけられます。対象とされた事業所は、CO2削減に向け具体的に取り組まなければなりません。新丸ビルは再生可能エネルギーを100%採用することにより、環境条例開始と共に規制基準をクリアすることになります。六ヶ所村の風力発電が高く売れることになるわけです。このような動きが本年は本格化するでしょう。前にも本ブログで紹介したように、青森県は昨年北海道を抜き、都道府県の中で風力による発電量が最も多い地域となりました。
 青森県より数倍の風力発電量を生み出す可能性を持っている北海道はどうでしょうか。最も大きな問題点は送電網にあります。気候に大きく左右される風力の発電量に対応するには送電線の電力負荷を平滑化する必要があり、送電システムを強化したりや蓄電用大容量バッテリーを備えなければなりません。北海道電力はRPS(再生エネルギー買取義務)により、現在36万キロワットの風力発電枠を受け入れてきましたが、それを2014年までに30-60%高めると発表しています。また、東京電力との送電網連結により北海道で発電された風力エネルギーを東京などに送電することも計画されています。新丸ビルのようにクリーンなエネルギーを採用することで、東京都のCO2排出規制基準を満たそうとする事業所は次々に出てくることになるでしょう(1400の事業所が他府県にも広がり最終的には1万4000になるともいわれています)。風力発電の需要は間違いなく拡大し続けていくでしょう。
 さらに、政府・民主党は全ての再生可能エネルギーの全量買取を3月頃に提示する方向で準備しています。2020年までに現在2%弱の再生可能エネルギーを10%に拡大するとのことです。欧米で急速に風力発電が普及していますが、固定買取制度(FIT)に負うところが大です。地域風力発電事業者には大きな朗報となるでしょう。送電網の電力負荷平滑化についても、オバマ大統領が力を入れている次世代電力網スマートグリッド(電力供給網と情報通信網の一体化で、電力の需要と供給を調整するシステム)の研究が日本でも進んでおり、本年8月に青森で日本初の実験が開始されます。また、風力発電の電力貯蔵に適しているといわれるNAS(ナトリウム・硫黄)電池も価格的に採用可能になってきています。リチウムイオン電池の低価格化が本年は大きく進むであろう2010年は、北海道の資産である“風”がグリーン・ニューディールとして、大きなビジネスなるスタートの年なのではないでしょうか。
 今回は詳しくは触れませんが、東京都の環境確保条例の開始は、その他の分野でも北海道に様々なビジネスチャンスをもたらすことになると思われます。森林整備・小型水力発電への公的支援や環境省が推進する「オフセットクレジット(J-VER)、経済産業省の「国内クレジット制度」が北海道にビジネスをもたらす年になると思います。