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サスティナビリティ(35)
愉快なスペインの人達と
更新日:2008年10月10日

    

 本年7月に遡るが、突然スペイン政府から依頼状が届いた。スペインから視察団を送り、日本の流通業界を視察したいので支援してもらいたいという内容だ。今に至るもなぜ私に依頼がきたのかは判然としないが、ことは国際間の問題なのでむやみに断ることも出来ず、承諾の旨先方に返事をしてしまった。これは失敗だと気付いたが時すでに遅しである。先方の依頼は、日本を代表する流通業各社(大手量販店及び大手百貨店)さらに東京都中央卸売市場・築地市場を視察する事が主要目的で、また日本の流通市場に関するレクチャーも要請された。しかし、時が経つにしたがって先方の要求はエスカレート。訪問先の追加、訪問先からの詳細な企業説明、店内写真撮影の許可取得など次々に広がっていく。訪問先企業(例えばイオンや伊勢丹)で、利益率・客単価・PB商品比率・スペイン商品の取り扱い状況などを詳しく説明してもらいたいというのである。
 要求したほうが勝ちとの国民性なのだろうが、こちらとしては受け入れられるものではない。失礼とは思いながらもけんか腰のメールのやりとりで、何とかスケジュールの折り合いがついた。スペイン大使館は「彼らにはそれくらい厳しく話さないと分からないのです」とのこと。国際間の折衝ごとは大変なのだと改めて認識させられた。
 10月1日、政府関係者を含め総勢22名からなる視察団が朝8時に成田に到着した。マドリッドからパリ経由で16時間のフライトである。しかしメンバーからは疲労のかけらさえもうかがえなかった。ホテルに到着すると休憩することなくすぐにセミナーが開始され、短い昼食の後は太田市場の視察である。夜は六本木や赤坂に繰り出し、初めての日本訪問で地理も不案内なのに夜遅くまでナイトライフを楽しんでいた。翌朝(2日)は、早朝5時半に始まる築地市場のセリに間に合わせるため4時半起床である。彼ら(彼女ら)の体力と好奇心に底はないのだろうか。大航海時代に世界を席巻したスペインの人たち、遙か離れた異境でキリスト教を普及した宣教師ザビエルもかくあったのだろうと、妙に感心させられた。

 さて、東京都中央卸売市場の太田市場と築地市場の見学である。私も初めて経験する事ができた。そのにぎわいは聞きしに勝るものであった。1000台に及ぶ小型電気搬送車が走り回り、2メートルにもなろうという冷凍マグロが引き回され、もたもたすると跳ね飛ばされそうになる。今回は東京都の特別な計らいでセリを見学することができたが、場内は活気というよりは市場関係者(卸、仲卸)の殺気に包まれていた。私もメンバーにはきつく注意をしてフラッシュ撮影を禁じたが、中にはいうこと聞かずセリの最中にフラッシュがたかれ、威勢のいい関係者からつまみ出される場面もあった。セリは一瞬の間に買いを入れなければならず、フラッシュはそのタイミングを失わさせることになる。真剣なやりとりを邪魔したので怒られるのはもっともな話だ。