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サスティナビリティ(5)
巨大風車の列と風力発電
更新日:2007年12月11日

    

 2年ほど前、サンフランシスコからクラフト社に勤める友人を訪問した際、途中の小高い山が連なっている場所で「あれは何だ!」と思わず叫んでしまった。 風力発電地帯の風車があらゆる尾根に建つ“ウインド・ファーム”で、圧倒されるとともに一種異様な風景に驚かされた。
 これが有名なアルタモントパスの風力発電で、風車の数は5,000基とも6,000基ともいわれている。その発電総量は約670ギガワットであり、米国風力発電全体の約1割を占めている。アルタモントパスの発電量だけで2万所帯分の電力をまかなえるとのことである。
 世界的にはクリーンエネルギーとして風力発電が期待されており、1995年以来年率25%を超す勢いで増加している。ヨーロッパでは4,000万人に相当する家庭用電力が既に風力でまかなわれているとのことだ。(1)資源豊富 (2)安価 (3)広範囲に分布(4)クリーン――であることが急成長の理由で、ヨーロッパでは2020年までに2億人分の家庭電力を風力に依存するとの方針を立てており、米国ではすでに34州で商業規模の風力発電所が存在する。(レスター・ブラウン、アースポリシー研究所所長の講演より) 風力発電の利用を国別でみると、ドイツ、スペイン、米国、インドと続いていて、日本は13位と低迷している。欧州は積極的に風力発電を推進しており、温室ガス排出を削減するための有力な手段として位置づけている。デンマークでは電力の2割が風力に頼っているとのことである。また、近年では米国の取り組みが勢いづいており、またインド、中国など欧州以外の国の伸びが高い。一方、日本での拡大は計画を下回っているのが現状である。
 もちろん風力発電も多くの問題を抱えており、(1)渡り鳥や貴重な猛禽類がぶつかって命を落とす(事実、アルトモンパスでは1,000羽の鳥が1年間で命を落としており、自然環境保護団体から一時的な停止を求められたこともあった)(2)風まかせであり安定的な電力を取得できない(3)そのために周波数に影響を及ぼしパソコンなどの精密機器に悪影響を及ぼす場合がある、(4)見る人によっては景観を気にする(5)強風、落雷、コスト高などに対処しなければならない――等々、利点ばかりではないのも事実である。
 しかし、技術の進歩により今ではこれら問題点は大幅に改善され、現在は支障なく稼動していると聞く。発電の効率化は急速に上がっており、沖合の風力利用や高さ100メートルを越えることで鳥に比較的やさしい風車(鳥は地上に近い場所で餌を摂る)もすでに導入され、さらに蓄電技術も進化しているとのことである。
 米国太平洋沿岸・ドイツ大西沿岸などは北海道の日本海側と地域的に似通っており、北海道でもこのすばらしい資源を活かすことができるのではないだろうか? 風は強く、台風や地震は少なく、用地確保も比較的容易であると考えられる一方、冬季に多くのエネルギーを必要としている。 次号でこの点について、さらに深く探っていきたい。