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サスティナビリティ(81)
外断熱によるCO2削減-1
更新日:2010年03月05日

    

 小学校から60年近くの付き合いになる友人がいる。大学は私が文系、彼は理系と別々な道を歩んだが、彼の両親の家(彼自身が設計)に下宿したこともあり、無二の親友として今も付き合っている。彼は道内国立大学で長く教授を勤め、建築学会では大きな足跡を印している。また彼は多くの教え子を排出し、道内外の建築・設計業界および指導・研究機関で活躍している。その彼が、30年前に研究し暖めた技術を「北海道に普及したい」と、新たな活動を開始しようとしている。その技術が外断熱と長寿命建築である。最近彼に会う機会があったのでその思いと外断熱について聞いてみた。

 その前に、この業界を取り巻く状況として、地球温暖化防止対策に関し、家庭部門のCO2排出量削減が指摘されている。日本全体に占める家庭部門(自家用車を含む)のCO2排出は21%で、2007年の実績値によると1990年比較で41.2%増えている。家庭部門のCO2排出でみてみるとマイカーが33%と3分の1を占め、給湯が20%と続いている。冷房、テレビ、照明は意外に少なく、それぞれ2%、2%、3%だそうである。その中で暖房に起因するCO2排出量が13%とかなりの部分を占めているのだ。この数値はあくまでも全国平均であり、北海道の場合冬期の暖房(時には夏でも暖房を入れることもあるが)で、その比率は大幅に高くなっていると思われる(実数は把握していない)。その結果、北海道の家庭部門における一人あたりCO2排出量は全国平均の1.2倍になっている。
 国も家庭部門のCO2排出量を削減すべく、エコ住宅普及に取り組み始め、新築の場合30万ポイント(30万円分)が断熱や窓サッシの工事費に対し補助されるようになった。そのような中、外断熱工法は今後北海道の家庭部門排出量を大きく削減する手法として注目されていくだろう。
 私も現在集合住宅(いわゆるマンション)に住んでおり、東京の住宅と比べて保温性が優れていることに驚かされている。ただし、冬期間の暖房費(灯油)がかなりの負担になっていることも確かだ。北海道では従来、鉄筋コンクリートの駆体(壁や天井・床)内部に断熱材を貼り付ける内断熱工法が採用されていたとのことである。この場合、外気の駆体に与える影響がより直接的で、その温度差によってコンクリートにひび割れや結露が発生するケースが多く見られる。この状態が長年にわたって生じるとカビが発生し、更に鉄筋にさびが出たりする。したがって、一般的な集合住宅は12-15年で大幅な改修をしなければならない。また内断熱素材の厚さも20-30mmのものが主流を占めており、欧米の外断熱材が100mmを超えているのと比べ大きな違いとなっている。断熱材が薄いと外気温からの断熱性が充分ではなく、冬の寒さ・夏の暑さに対して室内温度の影響を受けやすいことにもなる。ヨーロッパやカナダなどの寒冷地で内断熱工法はここ数十年来殆ど使用されなくなっており、外断熱(駆体の外側を断熱材で覆う工法)になっているそうである。

 以上の基本認識をベースに前述の彼に聞いてみた。(以下次号)