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サスティナビリティ(93)
地球を激変させるティッピングポイント(11)まとめ-2
更新日:2010年07月20日

    

 先週は、梅雨も終わりに近づいている中、前線が最後の力を振り絞って各地に豪雨をもたらした。梅雨が終わった後も、8月下旬を中心に「ゲリラ雷雨」が多数発生する見込みだ(7月7日気象庁発表)。東京都では前年比45%増の140回、大阪府では約2倍の270回の発生が予測されている。雷を伴う局地的な集中豪雨は、地球温暖化やヒートアイランド現象の影響だともみられている。梅雨明け後、各地で猛暑日が続いているが、モスクワやワシントンでも異常な暑さが続き、市民生活に影響が出ていると報じられている。この現象が一時的なものではなく今後数年間もしくは十数年間続いたとしたら、その被害は毎年甚大なものになり「強い経済」「強い財政」「強い社会保障」どころの話でなくなる。ましてや“地球を激変させる8つのテッピングポイント”の一つでも発生するとどうなるのだろうか。
 何度もいってきたように、ティッピングポイントはまだまだ調査研究途上にあるもので、必ず発生すると断言できるにはいたっていない。ただ、温暖化で地球の気温が2℃上昇することで発生する危険が高いといわれている。地球温暖化は、CO2などの温室効果ガスの増加がその原因と分析されているが、温室効果ガスは一部地域に限定されることなく地球全体にその影響が広がる。それは、地球には偏西風(西から東へ)、貿易風(東から西へ)、極偏東風(東から西へ)が吹いており、これらの大気の移動が温室効果ガスを地球規模で攪拌するためだ。したがって、地球上のある特定の場所だけが安全といえるわけではない。
 しかしながら、世界中が同時に気候変動の被害を受けることはないのではなかろうか。地域によっては数年間のタイムラグがあると思われる。このタイムラグの間に人間の英知で破局を免れる処置がとれるとは考えられないだろうか。北海道は間違いなくタイムラグで生き延びる事が可能な地であると思う。
 地球温暖化の具体的な影響としては、熱波、冷害、大型台風、洪水、干魃、海面上昇、砂塵の襲来、病害虫の蔓延、生態系の変化などがあり、それによる食糧不足、水不足が人類に多大な被害を及ぼすと言われている。もちろん比較の問題ではあるが、北海道では現時点、梅雨の時期が明確には存在せず、したがってこの時期の豪雨被害は少ない。夏期の熱波やヒートアイランド現象も見られず、台風も北上して北海道に至る時点では勢いが弱まっている。また、東京・大阪のような海抜ゼロメートル地帯はほとんどなく海面上昇による被害を受けにくく、水不足の不安もきわめて少ない。これら北海道の持つ優位点をもっとアピールできないだろうか。
 それではティッピングポイントと北海道との関連について、順次見ていきたいと思う。北海道贔屓の舟本として、少々我田引水的であることは容赦願いたい。
 まず、「チャド・ボデレ低地から吹き上がる砂塵」である。詳細は本ブログ(84)で記載したが、サハラ砂漠のほぼ中央にあるボデレ地域は膨大な堆積物と共に乾燥化が進み、毎年11月から3月に吹く貿易風(ハルマッタン)により地中海から南米アマゾンまで砂塵が到来する。空を覆う砂塵により太陽光を遮り、ある地域では気温を低下させ、ある地域では豪雨やさらなる温暖化をもたらすという調査結果が出ている。ティッピングポイントに達すると、膨大な量の砂塵が巻き起こり広範囲に地球上を覆うことになる。貿易風(マルハッタン)は基本的に東方西向きに吹く風であり、砂塵の直接的な影響を受けるのはヨーロッパから南米に至る地域であり、太平洋を越えて日本にいたるまでには衰えているものと推察される。もちろん、世界的な経済の低迷、「地球の肺」であるアマゾン熱帯雨林への影響、サンゴの白化現象による海洋のCO2吸収力低下など、日本(北海道)にも影響が及ぶのは間違いないが、そこにはタイムラグがあるだろう。
 また、アジア地域で「チャド・ボデレ低地から吹き上がる砂塵」に相当するのが「黄砂」である。東アジア・タクラマカン砂漠で発生する砂塵がティッピングポイントになると、より直接的な影響を日本に及ぼすだろう。ボデレ低地からの砂塵と異なり、黄砂は偏西風に乗って日本にも襲ってくる。現在でも、黄砂は数メートルの壁のようになって朝鮮半島を襲うこともある。これが勢いを増すと、日本にも大量に到来する可能性がある。ただ、黄砂が発生する春先の偏西風は日本列島の西側を通過しており、北海道への影響は本州以南に比べると軽微であると思われる。ここでも、北海道はタイムラグで守られる可能性がある。