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サスティナビリティ(80)
地図に観る北海道の環境-6触れる地球(2)
更新日:2010年02月20日

    

 そろそろ黄砂が日本にやってくる時期だ。黄砂や大気汚染、および光化学スモッグをもたらす汚染物質の流れを「触れる地球」で見ることができる。光化学スモッグは黄緑色、二酸化炭素(CO2)は黄色、硫黄酸化物(SOX)は青色、窒素酸化物(NOx)は緑色で表され、東ヨーロッパや中国で発生し、米国まで偏西風に乗って流れていくのがわかる。もちろん途中の日本にも流れてくる。まず、黄砂の流れ(偏西風)をNASAの衛星写真で見てみよう。
下図は、中国やモンゴルで発生した黄砂が大陸からの偏西風に乗って日本にやってくる様子である。最近の調査によると、黄砂そのものに汚染物質はそれほど含まれておらず、むしろ大地に養分をもたらすとの説もある。しかし、黄砂は駐車場に置いた車にこびりついていたり、洗濯物に付着したりするという被害をもたらす“余計者”であることは確かだ。
 では、黄砂が北海道に及ぼす被害はどの程度なのだろうか。下の衛星写真でみると、朝鮮半島の北から本州に向かい、茶色っぽい黄砂が雲の流れと共に移動しているのが見てとれる。ただ、北海道の上空に注目してもらうと、そこはくっきりとしており、偏西風から外れているのがわかる。「北海道も黄砂で迷惑しているんですよ」と聞かされるが、本州や中四国、特に関西方面と比べるとそのもたらす被害は極端に低いといえるのではないだろうか。私も東京にいたころは、黄砂に辟易としていたものだ。「黄砂被害のない(非常に少ない)北海道」を、我々はもっとPRしていいのではないだろうか。
WEB出典:NASA

 次に、光化学オキシダント(スモッグ)の発生源ともいわれるオゾンの流れについて見てみる。下の図は、環境省酸性雨長期モニタリング報告書による、2007年5月8日から9日の間の高濃度オゾン観測調査だ。その期間中、九州から西日本の広い範囲で高濃度の光化学オキシダントが観測された。オゾンは中国大陸で発生し、日本に流れてくる量が多いといわれ、九州では40~45%、本州では25%が中国大陸からの寄与率とのことだ(地球環境戦略研究所 北京事務所長 小柳秀明氏のレポート)。
 前記の黄砂と同じように、青森県と北海道は、オゾンの流れから外れている。中国がさらに著しい成長を続けていくと、残念ながらオゾンの発生も増えていくのではないだろうか。さらに、温暖化が進むと本州以南で真夏日が増加し、光化学オキシダントが発生する可能性が高まるだろう。

北海道は、春先の黄砂や夏の光化学オキシダントが極めて少なく、自然・生活環境からみて極めて住みやすい地域である。道外からの短期移住や観光客を誘致にも役立つと思うのだが。