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サスティナビリティ(75)
地図に観る北海道の環境-3地球温暖化(1)
更新日:2009年12月10日

    

 11月1日(日)から9日にわたり、北海道大学で「サステイナビリティ・ウィーク2009」が開催され、この間、「気候環境変動」、「食料・水・衛生・健康」など6つのカテゴリーで33にもおよぶ各種シンポジウムや講演会が開催された。北海道の学術と研究の中核となる北大でこのようなイベントが開催されるのは、環境問題に少なからず興味のある人間として大変心強く感じたものだ。この催しを計画し実行した大学・学生・教授の皆様に敬意を表したい。
 さて、初日の11月1日に、環境省北海道地方事務所主催による「地球温暖化政策セミナー」が開催され、私も参加した。イチョウやポプラの色づいた落ち葉に囲まれたクラーク会館講堂でゴア元副大統領の「不都合な真実」が上映され、その後学術交流会館講堂で、セミナーがもたれた。「不都合な真実」は前にも一度観る機会があったが、地球温暖化の恐ろしさと、それが現実の問題として目の前に差し迫っているのだということを改めて認識させられた。
 「地球温暖化政策セミナー」の講師は環境省地球環境局総務課研究調査室室長の塚本直也氏で、同氏はIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の元日本政府代表であり、地球温暖化問題では日本における第一人者といえる方である。ちなみに、IPCCは各国の政府から派遣された科学者が参加し、地球温暖化に関する科学的・技術的・社会経済的な評価をおこない、それを各国の政策決定に活用してもらおうとする団体だ。IPCCが2007年にまとめた「第4次評価報告書:AR4」は3年の年月を費やし、130を超える国から選ばれた450名の代表執筆者および800名を超える執筆協力者により作成され、2,500名を超える研究者が査読したものであり、地球温暖化に関してはバイブルともいえるものだ。
 「第4次評価報告書:AR4」では地球温暖化の予測をいくつかのシナリオ別に作成している。下の図はA1Bシナリオで、化石エネルギーと再生可能エネルギーのバランスを取りながら、経済を高度に成長させた場合のケースである。図は、1980年から1999年の20年間の平均気温を、2080年から2099年に予想される平均気温と比較し、その差を色別に図示したものである。図によると、温暖化は北半球高緯度の陸上で最大となり、南極近くの海や北大西洋北部で最小となることを表している。地球のほとんどの地域が、今後100年以内に平均気温が3℃以上上昇するのがわかる。特に北極圏やヒマラヤ地域では温暖化が異常に高く進展しているのがみられる。これらの地域は現在氷や雪に覆われ、光や熱を反射する効果をもたらしている。いわば、白いシャツを着ているようなものだ。一方、北極やヒマラヤで氷河や万年雪の溶解が始まっているのはよく知られている事象である。これはアルベート効果と呼ばれるそうで、一旦氷が溶け始めると、太陽熱の吸収により一気に温暖化が加速される。白いシャツが灰色になり黒に変わっていくようなものだ。
 揚子江、ガンジス川、メコン川などアジアの大河の多くはヒマラヤを源流としており、その雪や氷が溶け始めると、インド、中国、南アジアで大規模な洪水が発生することが予想される。さらに大洪水の後には大渇水が訪れ、水不足でアジアの大穀倉地帯が深刻な事態になる恐れもある。

それでは、このような将来の地球温暖化が北海道にどのような影響を及ぼすのだろうか。次回にトライしたい。