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サスティナビリティ(11)
カー・シェアリング(2)
更新日:2008年02月05日

    

 札幌同様、1人あたり所有車数が多い自動車社会の米国では、1人乗り(=1台の車にドライバー1人しか乗っていない)自動車による通勤時の道路渋滞、さらには大気汚染への影響に頭を抱えている。
 私は、1996年から2年間米国南部のアトランタで勤務していたが、1996年のオリンピックを契機に同市は大きく発展し、東西・南北に片側6-7車線を持つフリーウエイ(高速道路)が走っている。それにもかかわらず通勤時間帯には大渋滞となる。そのフリーウェイの1番左の車線には“Two Man Only”の看板がぶら下がっている。直訳すれば「男2人用の車線」となるが、実際には”複数乗車の自動車のみに許された優先車線”で、ここではスムーズに車が流れている。
 米国西海岸ではこの車線はカープール(=マイカーの相乗り)用車線と呼ばれ、通勤時の道路渋滞の緩和と大気汚染対策として欧米で積極的に採用されている。カープールを利用する場合には車線を割り当てたり、駐車場のスペース確保、帰宅保証などの優遇策を提供している。
 加えて、1人乗りの通勤自動車を減らそうとし、カーシェアリングまたはカークラブもその規模を拡大している。これは車の共同所有もしくは共同利用で、欧米では数千人規模の会員をもっている協同組合もあり、一部では事業化が進んでいる。

 一方で、アトランタもオリンピック開催を機にマルタと呼ばれる都市交通網(一部区間地下鉄)を建設し運営しているが、こちらはいつも車内に十分なゆとりがある。アトランタ市では各駅の広い駐車場を利用して、車ではなく、マルタの利用を促進すべくやっきとなっているが、なかなか事態を改善するまでにはなっていない。
 費用的にも時間的にもさらには環境上も好ましい公共交通手段を敢えて使わないのは、車社会に慣れ親しんだ生活習慣によるものと思わざるを得ない。

 これほどひどい状況にはなっていないものの、前回問題提起させて頂いたとおり、札幌も国内の他都市と比較し車への依存が過度になっていると見受けられる。冬季の道路による事故のリスク軽減に加えて、環境問題に対する配慮として、札幌市の優れた公共交通を優先的に利用する習慣をつけるための策を講ずる必要があるのではないか。
 その策のひとつとして、カープールやカーシェアリングを各企業で検討をすることも有効であるだろうし、役所も各駅の駐車スペース確保に取り組むべきだろう。1人乗り自動車が減ることにより、市内にある各企業の駐車スペースは有効活用が可能となり、一部は緑地化し札幌市街地区の緑被率を高めるのに一役買うことになるだろう