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サスティナビリティ(44)
オバマ次期大統領の環境政策と北海道(7)
更新日:2009年01月30日

    

 1月20日正午(日本時間21日午前2時)、眠さをこらえながらオバマ米国44代目大統領の就任演説を聴いた。テレビや新聞で大々的に報道されているので、皆さんもそれぞれの思いや感慨を持たれたものと思う。私が一番印象に残ったのは New Era of Responsibility(求められているのは新たな責任の時代)という言葉であった。「現状維持、狭い権益の保護、したくない決断を先送りする時代は過ぎ去った」、「子々孫々が今を振り返った時に、我々が試練の時にジャーニー(道程)を終えることを拒否し、引き返すこともたじろぐこともなかったということを語り継がせようではないか」というフレーズは私の心に熱く刻み込まれた。まさにサステイナビリティ(地球環境の維持、人類の持続性)である。さらに、「我々は太陽光、風力、地熱を使い自動車を動かし、工場を稼働する」と、自然エネルギーへの積極的な取り組みを宣言した。オバマ政権は、グリーン・ニューディール政策で、CO2排出を抑制すると共に米国経済の再生を図ろうとしている。具体策として、2015年までに100万台のプラグインハイブリッドや電気自動車(EV)を製造し、自動車業界を再生しようとしている。その基盤は、風力発電や太陽光発電からもたらされるクリーンエネルギーである。
 何度も取り上げているが、欧米では2020年を目標に自然(再生可能)エネルギーの比率を20%以上にする取り組みが進められているが、日本の場合は目標そのものが一桁違う。
 風力発電で言えば、その最大の欠陥として発電の不安定性が挙げられている。自然任せで風が吹かなければ電力を生成する事が出来ないとの指摘である。これが、風力発電に対して否定的な意見を述べる人達の論拠になっている。
 前々回でも触れたが、風力発電で安定的に電力を供給させるためにはいくつかの手法が考えられる。第1には風車の置かれる場所であり、海岸に近い場所もしくは海上に設置する事でより強い風を受けられるようにすることになる。オロロン街道の場合はこうすることで必要最低限の風力を得られるとのことだ。第2には送電線系統をメッシュ型にし、道外の各電力会社との連携を取ることである。場合によっては中国北部、韓国およびロシア東北部と国際送電網をめぐらすことも考えられる。第3には太陽光発電との併用である。北海道の場合、9月から翌年5月の間には風力発電に最適な風が得られ、梅雨のない6月から夏にかけては長い日照時間で充分な太陽光を得られる。風力と太陽光を併用した場合、年間を通じて安定的な電力を生みだすことが出来るだろう。
 しかし、最も可能性が高く有効な方策として、蓄電方式の採用があるのではないだろうか。今、次世代電気自動車(EV)との関連でリチウムイオン電池が脚光を浴びている。最近のニュースでも、東芝が最大300億円を投資して2010年の稼働を目指して月産1,000万個のリチウムイオン電池を生産する計画を発表し、日産・NEC連合は1,000億円で日・米・欧に新工場を建てる計画である。三洋電機も2015年に向け、ハイブリッド向け100万個体制でリチウムバッテリーを生産する計画で、800億円を投入すると発表している。トヨタもパナソニックと合弁し、パナソニックEVエナジー社を設立した。ホンダや三菱自動車はGSユアサから提供されるリチウム電池でEVやハイブリッド車を本年中に発売する計画である。オバマ新大統領のグリーン・ニューディール計画でも、EVはその中核となっておりGM等に20億ドルを超える開発費を提供する。
 リチウムイオン電池は他の2次電池に較べコストは高いものの、小型で軽量であることから携帯電話のほぼ100%に採用されており、EVやハイブリッド用のエネルギーとして本命視されている。
 このリチウムイオン電池を風力発電の蓄電用に採用できないだろうか。さらに、ハイブリッド車や、EVの交換用電池として活用できないだろうか。このような突拍子もない発想がオバマ新大統領の就任演説を聴きながら浮かび出てきた。次回に私の仮説を述べたい。