【今月号特選記事】暴行騒動で問われるファイターズ栗山監督・吉村GMの責任…こんな中田翔に誰がした?

 中田翔選手の暴行事件に端を発する今回の騒動。事態の詳細を説明することなく収束を図ろうとした北海道日本ハムファイターズに対し、世間から厳しい目が向けられた。

 ファイターズが中田選手に対して一軍・二軍の全試合の出場停止処分を行ったのは8月11日。暴行騒動が起こったのはその1週間前、4日、函館でのエキシビジョンマッチ・横浜DeNAベイスターズ戦前のことという。

 処分から5日後の8月16日、栗山英樹監督がこの騒動について初めて言及し「正直、このチームでは(プレーを続けるのは)難しいかな」と発言。さらに4日後の8月20日、読売巨人軍への無償トレードが電撃発表された。

 栗山監督が旧知の間柄である巨人・原辰徳監督に直接電話を入れ、移籍が実現したという。中田選手はその日のうちに東京都内のジャイアンツの球団事務所で入団会見を行い、謝罪の弁を述べた。

トークショーに出演する中田翔選手(左・2018年撮影) ©財界さっぽろ

 2012年の就任以来、栗山監督は中田選手の4番起用にこだわり続けてきた。ついには球界を代表するスラッガーの1人に成長させたわけだが、一方で、近年の中田選手が「お山の大将になっていたのではないか」(マスコミ関係者)といった指摘がある。

「中田選手は成績がよくないときも、若手を飲みに誘っていた。それを快く思っていなかった球団関係者は少なからずいた。最近ではそれを面と向かって、注意できていなかったと聞く。この行動にとどまらず、中田選手のやりたい放題を放置していた。これは現場のみならず、フロントに対しても同じことが言える」(球団OB)

 今回の騒動がこうしたことの延長線上にあったとすれば、栗山監督にも一定の責任があるのでは、といった声もある。

栗山英樹監督(左)と吉村浩GM ©財界さっぽろ

 そうした声は編成トップの吉村浩GMにも向かっている。吉村氏は05年、ファイターズのGM補佐役に就任。チームの新たな方針である「スカウティングと育成」を実現すべく、同氏が導入したものがコンピューターソフト「BOS(ベースボール・オペレーション・システム)」だった。メジャーリーグで取り入れられていた選手査定基準を参考にしながら、約2億円の予算を投じてシステムを構築。これにより、選手の能力を数値で“見える化”した。

 BOSの効果は絶大で、06年には北海道移転後初めてパ・リーグ優勝&日本一を達成。翌07年はチーム史上初めてリーグ連覇を果たした。その後も09年、12年、16年(日本一)と優勝を重ねた。

 栗山監督をチームに招聘したのも吉村氏だ。15年からチームの3代目GMに就任。チーム統括本部長と球団の取締役も兼務した。現在は新球場運営会社の取締役にも名を連ねている。

「栗山さんも、吉村さんも優秀な人材だが、2人とも在任歴が長すぎる。野球に限らず、“長期政権”はマンネリやひずみを生むもの。それらは組織内の怠慢につながる」(球団OB)

 月刊財界さっぽろ10月号「中田翔、暴行騒動の代償 栗山ファイターズ“なれの果て”」では、栗山監督をはじめ中田選手を取り巻くこれまでの状況や中田選手の兄貴分だった稲葉篤紀氏が過去に語っていた後輩についての思い、“育ての親”水上善雄氏からの愛の直言など、今回の騒動をさまざまな角度から取り上げた特集を19ページにわたり掲載している。

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