アスリートインタビュー

北海道コンサドーレ札幌

【砂川誠のコンサの深層】ヘイス選手

今シーズンは9番の役割に専念する

砂川 今年3月に左ヒザの半月板損傷で出遅れてしまったけど、もう体調はいいんだよね。

ヘイス トレーナーのセウソと、ずっとケアをしていました。新たなケガを予防するという部分も含めて、今はいい準備ができています。体力的にも問題ありません。

砂川 ヘイスのプレースタイルって、最初はストライカーだと思っていて。でも昨シーズンはいわゆる〝10番〟と〝9番〟の間くらいの選手のようなプレーをしていた。自分ではどう思っているの?

ヘイス 昨シーズンは中盤のボランチ付近まで引いたところでボールを受けて、攻撃の組み立てからやってほしいと(四方田修平)監督から求められていました。10番の役割です。でも今年は前線でのプレーに専念することを監督から求められています。つまり9番、ストライカーの役割が多い。

砂川 ボールを持った時の創造性は、日本人にないものがあるよね。コンサドーレがもっと攻撃的でボール保持率も高いチームだったら、シンジ(MF小野伸二選手)やヘイスのような選手の持っているものを、さらに生かすことができると思う。

ヘイス いまいる選手の個々の能力を考えれば、そういうサッカーもできるはず。ただチームは守備から入る戦術をとっています。攻撃の時に、前線をサポートする人が1、2人しかいないし、選手間の距離も遠いから、そこを改善すれば、もう少しボールを回すこともできると思いますね。

-----ここから“延長戦”本誌未掲載-----

好きなチームは川崎フロンターレ

砂川 ヘイスと同じような感覚を持った人が増えたら、もっと攻撃の面でやれるんじゃないかと思うことがある。

ヘイス 今いる選手でもそれは可能だと思います。ただ、そのためにはもっとリスクを冒してやらないと。

砂川 選手同士でそういう話はするの?

ヘイス 日本語がわからないから何とも言えない(笑)

砂川 チームの目標はあくまでJ1残留。だからスタッフの中で勝ち点1でもいいという気持ちがあるのはわかる。でも、選手としては魅力あるサッカーをしたいという気持ちになるのもわかる。

ヘイス これまでの中で、このチームには勝てるなと思った試合もあったし、敵わないなという試合もあった。そして、もっとリスクを冒していけば勝てたのかなという試合もあったかも。

砂川 J1で強いと思ったチームは?

ヘイス セレッソ大阪とか浦和レッズ、鹿島アントラーズあたりはボール保持率や技術的なところで差があると感じました。自分の好きなサッカーは基本的にパスを回すサッカー。ドリブルやトリッキーなことよりも、トライアングルをつくってどんどんボールをつなぐチームじゃ、見ていて綺麗です。そういう意味で、一番は川崎フロンターレですね。

砂川 たぶんこれからヘイスの役割はもっともっと大きくなると思うんだけど、ヘイスには残留という目標だけでなく、魅力あるサッカーを見せてほしいな。

ヘイス チームはこれからどんどんよくなっていくと思います。自分が出ているからというのもあるし(笑)。でもここ数試合は結果も出ているし、この調子を維持したいです。

(構成・清水)

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1989年6月6日、ブラジル出身。182センチ・78キロ。06年12月に17歳でオランダの名門・PSVアイントホーフェンへ移籍。オランダでは監督との衝突をはじめトラブルが絶えず、ケガもあり実力を発揮できなかったが、12-13年シーズンに在籍したフィテッセではリーグ戦29試合7ゴールと活躍。その後ブラジルへ戻り、16年から北海道コンサドーレ札幌へ所属。背番号11、FW