ほっかいどうデータベース

ナシオ

明治44年創業。100年以上の歴史を持つ名門企業

増収増益を達成。事業の全国化とグローバル化で北海道に貢献

1911年創業した独立系菓子卸。現在では全国7カ所に事業所を展開し、業界第6位の実績を誇る。今や、北海道になくてはならない存在だ。

この1年の大きなトピックは、先代の平公夫氏(現会長)から平元彦氏への社長交代。コロナ禍や物価高といった難しい局面での交代となったが、増収増益と幸先の良いスタートとなった。

舵取りを担った平社長は「要因は2つ。人流が回復したことと物価高による値上げ基調です。会社や家庭、大学などで人が集まる際には、お菓子は欠かせないものです」と語る。

ヒット商品も生まれた。2022年に取り扱いを始めた韓国の「地球グミ」にSNSで火がつき、Z世代を中心に話題を集めた。また、グループの「ノースカラーズ」が各企業とのコラボレーションによってPB商品を開発。道内企業に加え、首都圏や西日本などの大手ビール会社やスーパーマーケットなどでもコラボする企業が増えている。

一方で、人材不足や情報共有不足などによって需要増に対応できなかった点もあるという。

平社長は「グループ企業とのシナジー効果が薄れていた。そのため事務職を増員するなど積極的に人的投資を行いました」と話す。

また、従業員の男女比率を5対5に保ち、若い人が働きやすい環境も構築する。来春の新卒採用も順調に進んでおり、組織の強化にも余念がない。

コロナ収束で、グローバル化の準備にも拍車がかかる。海外事業の「ビジネス開発部」では中国や東南アジア向けの輸出に加え、輸入も強化した。次のヒット商品を狙う。

もちろん北海道への貢献も忘れない。今秋には道内菓子メーカーを発掘すべく商談会を実施する。「生産者とバイヤーをつなげる機会を作って、北海道の底力を引き上げたい。SNSやEC事業など、新しいことにも挑戦しながら邁進していきます」と平社長。

平元彦社長
全国に7つの事業所を展開。札幌と首都圏が本部機能を担う