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空調電力コストを大幅削減!!「エコミラ」が北海道上陸
取材日:2017年11月

写真大 最大デマンドを削減するエコミラ「タイプDC」(上)と換気もコントロールする「タイププラス」(下)

写真 網島弘幸HR社長 写真 北海道販売代理店となった北日本通信の太田俊明社長 写真 「省エネルギーシステム」として2017年9月に特許を取得した 写真 「エコミラ」のロゴ 写真 「ル・トロワ」屋上の室外機 写真 屋上と5階の室外機64台を2台の「エコミラ」で制御する

 商業店舗やオフィス・工場など、大型施設のコスト削減の最後の聖域といわれるのが空調コスト。冷暖房が電力使用量の約半分を占めているからだ。その空調電力を大幅に削減し、全国で約400施設に設置されている「HR」(本社・大阪市)の「エコミラ」シリーズが遂に北海道で本格的に販売を開始した。

【モーターを最適に制御し30%節電】

 オフィスや店舗、工場などのランニングコスト削減は企業にとって恒常的な課題だ。昨今はLED照明を採用するなど、電力消費を削減しているところもある。しかし、電力消費量を最大限に削減するには冷房や暖房など、空調の省エネ化は避けて通れない。店舗やオフィスの電力消費量に占める割合は、空調が実に48%と2位の「照明」(26%)を大きく引き離し断トツのトップだからだ(経済産業省資源エネルギー庁推計「一般的な卸・小売店における用途別電力消費比率」)。
 そこで期待を寄せられてているのが、大阪市西区に本社を置く「HR」(網島弘幸社長)が開発したデマンドコントロールシステム「エコミラ・エア(ecomiraAIR)」シリーズ(特許第6205475号)だ。 
 この省電力システムはもともと、大手自動車メーカーで半導体製造装置の設計を手掛けていた網島弘幸社長が発案。
「厳密な温度、空調管理が求められる半導体製造工場の空調機器を自前で工夫し開発していたのがきっかけです。これを社会全体に使えば、電力を大幅に削減できると確信しました」と網島社長。
 2013年には、優れた技術を持つエンジニア集団として起業。開発、製造に乗り出した。
 折りしも当時は東日本大震災後だったこともあり、国内の電力事情や、地球温暖化防止対策に俄然注目が集まっていた。網島社長は〝エコに未来を〟との意味を込めて、製品を「エコミラ」と名付け、設立4年の新興企業ながら、現在まで大阪を中心に九州、沖縄など全国ですでに約400施設に設置。その効果が実証されている。 
 エコミラの大きな特徴は、冷媒を送る室外機のインバーターモーターの回転数を抑制して節電することにある。空調全体の電力消費の約90%がモーターであるため、回転数を34%減速することで、空調自体の電力消費量を30%削減することができるという。
 コストダウンにつながる仕組みは「最大デマンド値」を抑えることにある。高圧電力メーターは30分ごとに電力の平均値を計算する。この値をデマンド値といい、1カ月間で一番大きな値を最大デマンド値という。そして1年間の最大デマンド値が、次の1年間の契約電力となる。最大デマンド値が低くなれば、翌年の基本料金を低く抑えることができる。電気料金を確実に削減できるというわけだ。
 さらに同システムでは、施設の出入口など温度変化が多いゾーンや日当り、間仕切りといった施設の詳細な状況によってモーターの回転数を最適化。より効率的な電力消費量のコントロールを可能した画期的なシステムといえる。
 空調節電には、すでにデマンドコントローラー(通称デマコン)と呼ばれる機器が一部に普及している。このシステムは、エアコンを設定温度の範囲内でオンオフを繰り返すことで電力を抑える仕組み。室温は設定範囲内で上下して適温をキープするための局所的な気流で〝ドラフト感〟と呼ばれる過度な冷感・温感を与えていた。いわば節電のために〝我慢〟を伴う節電なのだ。起動と停止を繰り返すためモーターへの負荷も大きく、機材の耐久性への懸念もあった。
 対してエコミラは、インバーターモーターの回転数を制御しながら常時運転。例えるならエコカーのようにモーター出力を70〜80%に抑制して室内の温度変化を人が不快に感じないマイナス1・7度〜1・1度の範囲内を維持する。操作はタッチパネルで自在に設定できるほか、同社がIoTを使って遠隔制御を代行することも可能という先進のシステムだ。
特許取得技術でメーカーもお墨付き
 エコミラは17年9月8日に「省エネルギーシステム」として特許を取得。日本冷凍空調設備工業連合会主催の第33回「優良省エネルギー設備顕彰」(15年3月実施)では「省エネルギーセンター最優秀賞(改修設備部門)」を受賞したほか、企業としても「大阪トップランナー育成事業」の17年度認定に選出されている。
 商品構成は、通常タイプの「エコミラ  タイプDC」と、換気もコントロールする「エコミラ  タイププラス」の2種。タイプDCは、国内エアコン4大メーカーといわれるダイキン、日立、三菱、東芝の製品に設置しても各メーカーの保証対象外にはならないとの回答も得ている。いわばエコミラの技術にメーカー各社がお墨付きを与えてた格好で、こうした機器は国内で、ほぼ唯一といえる。
 設置工期はわずか2日間程度。工事内容はオンデマンド信号を発信するためのコントロール装置と制御盤を取り付けるだけ。既存の空調機器本体に手を加えることがなく、工事中も空調を止める必要はない。
 また「エコミラ タイププラス」は、換気のコントロールが可能なシステム。 
 映画館やレストラン、パチンコホールなどでは1時間に一定回の換気が義務付けられている。集客率にかかわらず決まった量を換気するため、そのたびに空調の電力使用量が増加し非効率的だった。
 タイププラスは、施設の管理システムなどと連動し、集客率に合わせて必要換気量を最適化。電力使用量を抑えることができる。
 例えば、パチンコホールでは、効率的に換気することでで1年間で約405万円の電気代を削減(同社試算)した例もある。

【試験設置でシミュレーション。効果実感】

 エコミラ導入費の目安は室外機1台に付き25〜30万円。償却効率から対象施設はショッピングモールなどの商業施設やオフィスビル、ホテル、レストラン、病院、老人ホームなど大型の施設が対象だ。例えば工場などでは電気料金の削減はもちろん、労働に適した空調管理によって労働環境を改善、生産効率の向上や働き方の改革にもつながるというメリットも望める。
 導入に際しては、必ず試験設置で効果の測定を経て正式契約しているのもの大きな特徴。
 試験設置では、実際の営業状態でエコミラを2カ月程度稼動。1年間の電気使用量を算出して節電効果をシミュレーション。施主側は減った電気料金を確認して契約に至ることができる。大がかりな工事を必要としないエコミラならではメリットだ。
 網島社長は「今日のネットワーク社会では製品に対する不評は瞬く間に広がります。そのために考案したのが試験設置です。私どもは製品に絶対の信頼を持っていますが、お客さまにもその効果を明確な数字でお見せした上で判断していただいています」とその意図を語る。
 同社では、北海道の販売を本格化するために「北日本通信」(本社・札幌市、太田俊明社長)と北海道販売代理店契約を締結。実際に、17年1月31日から3月31日に札幌市中央区大通西1の総合ビューティー複合ビル「ル・トロワ」(地上8階、地下2階)で試験設置を実施した。屋上と5階にある計64台の室外機に対し2系統の「エコミラ」を設置した結果、前年同期間の最大電力が1033キロワットだったのに対し、914キロワットとなり119キロワットを削減。評価試験の合格ラインとした933キロワットを19キロワットも下回った。これにより1年間で約639万円が削減できると試算した。一方、導入費は798万円。計算では1年2カ月でこの投資は回収できることが分かり、同年6月に正式契約を結んでいる。
「今回は最大電力を100キロワット以上を削減できました。そのコストをお客に対するさらなるサービスに転換することもできる。企業にとってこうした省エネ投資はまさに〝賢い選択〟です。当社の使命であるも地球温暖化の防止に寄与することができました」と網島社長は自信を見せる。
 また、今回の試験設置がおこなわれたのが真冬だったことにも注目が集まっている。北海道は暖房費の削減が経営課題の1つだが、今回の試験設置によって極寒の北海道でも効果が実証された。この結果を受けて、道内の大型ホームセンターや大型書店などでも試験設置が進んでいる。
「日本では15年6月に、安倍晋三総理がクールチョイスを発表しました。30年度の温室効果ガスの排出量を13年度比で26%削減するという目標達成のために、日本が世界に誇る省エネ・低炭素型の製品・サービス・行動など、温暖化対策に資するあらゆる〝賢い選択〟をうながす国民運動のことです。私どももこの『エコミラ』で、日本の温室効果ガスの排出量削減に貢献していきたい」と網島社長。
 試験設置などの詳細、問い合わせは北海道販売代理店「北日本通信」(電話番号011・252・1355)まで。

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