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新和ホールディングスが「奨学金返済支援制度」を導入
取材日:2017年12月

写真大 プレイランドハッピー南6条店

写真 新井修社長 写真 最上階に本社がある札幌センタービル 写真 毎回多くの就活生が参加するトップセミナー

―堅実経営に徹し続け、自己資本比率は91.6%に―  道内でパチンコ店「プレイランドハッピー」を展開する新和ホールディングス(本社・札幌市、新井修社長)は、新たな福利厚生策として、4月から社内に「奨学金返済支援制度」を導入。道内企業ではほとんど前例のない画期的な試みとして注目されている。

【奨学金返済分を上乗せ支給】

 2017年、同社の新井社長がグループ社員の子どもたち260人全員に、個人名義で1人あたり5万円の贈与を実施。内外を驚かせたことは記憶に新しい。

 それは同社が〝社員の子育てを応援したい〟との思いから、さまざまな支援制度を検討。その試みの1つだったという。そして今年、また1つ新たな試みを実施する。それが「奨学金返済支援制度」である。

 今や大学生の2人に1人が「奨学金」を利用していると言われている。学校を卒業して社会人となってからも長期間にわたる返済が大きな負担となっており、若者を取り巻く厳しい現実がある。現に国政においても「教育無償化」は重要な政策課題の1つとされ、国民の関心も非常に高い。

 同社が4月から導入する新制度は、対象者を「奨学金を利用している今春入社の新卒社員と、現在奨学金を返済中の既存社員」とし、毎月の給与に奨学金返済分を手当として上乗せするもの。もちろん、このような画期的な制度は道内業界では初めてで、道内企業全体を見渡しても極めて珍しい。

【制度導入の決断は新卒育成への思い】

 新井社長は「現在の奨学金は貸与型がほとんどで、実態は低利の奨学ローン。つまり奨学生は卒業時に何百万円もの借金を背負った状態で社会に出ることになる。その返済期間は入社後20年もの長期に渡り、返済に対する社員の不安は相当なもの。前途ある若者のこのような不安を少しでも解消し、優秀な新卒社員や若手社員が仕事に集中し、公私とも充実した生活を送れる環境をサポートしてあげたい」と力強く語る。

 実際に社内調査でも、今なお多くの社員が奨学金の返済を続けており、同社でもかねてからこのような社員の実情を把握していた。それだけに奨学金の問題について「社会問題としてではなく、当社の将来に直接かかわる問題と捉えている」(新井社長)と、導入の決断に至った経緯を解説する。

 現在、同社グループには700人を超える社員が在籍。そのうち、業界経験者の占める割合は全社員の1%に過ぎず、ほとんどが新卒社員で占められている。しかも、全21店舗の店長すべてが新卒から育て上げられた生え抜き社員であるのが特長だ。

【自己資本比率は90%超えと安定】

 この新制度の導入による今後の資金拠出の負担について新井社長は「目先の店舗拡大や利益追求よりも、社員が生活の基盤として安心して活躍できる環境をつくるのが経営者としての役割。当社にとって優秀な〝人財〟こそが最大の経営資源であり、これまで積み上げてきた内部留保を積極的に人材の投資に生かしていきたい」と語る。

 事実、同社は長年にわたる実質無借金経営により内部留保を着実に積み上げ、17年10月期決算の自己資本比率は実に91.6%と驚異的な水準に達している。企業の安全性を示す自己資本比率は、一般に40%あれば比較的健全、60~70%が理想的だと言われている。経済紙や調査機関の直近の集計によれば、上場企業ですら40%程度、全産業を平均すると25%程度だという。

 同社の財務基盤のこの比類なき健全性こそが、道内トップクラスの優良企業と評価される所以となっている。

【社員とその家族が誇りを持てる会社に】

 さらに新井社長は17年の贈与をおこなった際のエピソードを語る。

 それは、ある社員の夫人と子どもたちから贈与へのお礼の手紙が届いたというもので、2人の子どもに念願だった自転車を買ってあげることができたこと、その子どもたちが「サンタさんのプレゼントみたい」と大いに喜んでいたことなど、幸せな家族の情景が思い浮かぶ様子が綴られていたという。

「社員はもとより、そのご家族から直接感謝されることは、経営者としてこれほど誇らしいことはない」と新井社長。

 実際に、この「奨学金の返済支援」の構想を発表して以降、社内での反響も大きく、同社人事部には奨学金返済中の社員から感謝の声が多数寄せられているという。

「これほどの反響があるとは予想していなかった。 若手社員のモチベーションアップにつながれば」(同社人事部)と、制度導入後のより一層の社内の活性化や優秀な人材の確保に期待を寄せている。

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