「人命を運ぶ責任を果たす」 隙のない安全対策を実践
千歳相互観光バスは、千歳市内3路線を担うほか、道内一円で貸切観光バス事業を展開。〝人の命を運ぶ〟バス事業者として、安全対策で業界ナンバーワンを目指している。
優先的に取り組んでいるのが車両の更新だ。観光貸切バス事業においては「衝突軽減装置」や「横滑り防止装置」「居眠り運転防止装置」などの安全装置が装備された最新の高規格車両に更新中。8年前から毎年2~3台ずつ買い換えており、2019年までにすべての車両の更新を完了する計画だ。路線バスについても、日常点検業務を強化。老朽化が目立つ車両は随時更新していく。
それと同時に、警察署や消防署、保険会社と連携して、さまざまな安全教育を実施。中でも危険予知トレーニングやバス火災訓練、AEDを使用した救急救命講習、安全運転セミナーに力を注いでいる。
運行状況は運行記録計「デジタルタコグラフ」でリアルタイムに把握。速度超過のチェックをするだけでなく、負担のかからない勤怠管理を徹底している。また、アルコールチェッカーも最新式に更新。スマートフォンと連動させ、出張先での呼気検査結果を事務所でも確認できる仕組みを整えた。
ドライバーの健康管理も通常の健康診断に加え、「睡眠時無呼吸症候群」の専用検査を実施している。「人命の尊重がバス事業者最大の使命なので、一般的な定期健診だけでは不十分です。今後は、心臓や脳、呼吸器疾患の早期発見、発病させないことを目指し、ドライバー専用の『運転従事者脳MRI検査』の導入も検討していきたい」と中村敬臣社長。
また、業界の深刻なドライバー不足に対応するため、15年9月からは免許取得費用を助成する独自のドライバー養成を開始。今春に12人を一挙に採用し、新人研修をおこなっている。
「車両性能を過信せず、人身事故ゼロという目標に向けて、会社をあげて安全運行に取り組んでいきます。それが顧客満足の向上につながるものと確信しています」と中村社長。