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くわばら・まさと 北海道大学大学院文学研究科修士課程修了。札幌大学経済学部教授、札幌大学附属総合研究所長などを経て、2011年札幌大学・札幌大学女子短期大学部学長に就任。経済学博士。

多くの外国人留学生が学ぶキャンパスは日常的な国際交流の舞台
――新学長としての抱負を。
桑原 “協働”を柱に「学生が主体になった大学づくり」をより推進していきたい。本学は住宅街の中にあり、常に近隣住民と交流できる環境です。これを生かし、学生・地域社会・教職員の三者が協働して、さまざまな活動を展開していきます。既にアイヌの学生を核とした多文化共生コミュニティ「ウレシパ・クラブ」、学生FD委員会が中心となる「札大おこし隊」、地域住民とともにスポーツや文化を楽しむ「めぇ〜ず」など、多くの取り組みが着実に芽を出しています。どれも中心にいるのは学生です。本学の強みにしていきたい。
――自主性が出てきますね。
桑原 高校までは与えられることが多い。大学生になって急に自主性を出せと言っても無理です。地域に支えられながら、教職員が手助けしていくことが必要。大学生活の中で、勉強だけではなく、サークル活動などを通じて自己変革を遂げてくれればいい。自主性を発揮し、4年後には社会に受け入れられる学生に育って欲しい。
――震災復興のための「リムデイ.11」も注目されています。
桑原 毎月11日に東日本大震災の被災地へ募金を送る持続的募金プロジェクトです。復興支援でもありますが、同時に学生自らも成長するものです。社会に貢献できる学生を育てるためのトレーニングの一環ですから、これからも続けていきます。
――被災地域出身の学生も多い。
桑原 在学生に対しては既に生活支援のための措置を講じています。また、2012〜15年度に入学する学生に対する持続的支援措置も設けました。激甚な災害の副次的な影響もありますので、対象地域や被害をより広く認定し、減免措置を講じています。
――設備も充実しています。
桑原 大学は「知の学府」です。実は本学の蔵書は道内の大学で3番目に多い。開学44年の歴史にもかかわらず、71万冊もあるんです。相当な数ですし、世界的に著名な文化人類学者である山口昌男元学長から寄贈された山口文庫など、貴重な図書も多数あります。この図書館をもっと学生に利用して欲しい。考古学の研究者が多いため、埋蔵文化財展示室も充実しています。本学は「知」の面でもトップを走っていると自負しています。
――学生支援システム「アイトス」があるのも強みですね。
桑原 導入して7年たちますが、便利なシステムです。学生一人ひとりの出席状況や課外活動が把握できますし、就職活動では新鮮な募集情報がリアルタイムで手に入り、大きな武器になっています。ただし、ややもすれば一方通行になりがちです。学生と教員とが顔を合わせる人間関係があってこそアイトスは生かされます。大学は人間教育。最後は人と人ですよ。
――札幌大学スタンダードとはどのようなものですか。
桑原 大学側から履修モデルを提示するものです。自分で履修科目を選びきれない学生も多いのですが、これを野放しにするのではなく、大学側から提示してあげる。もちろん積極的で、大学側が提示した履修モデルでは飽き足らないという学生は、アドバイザーとも相談しながら自由に履修科目が選べます。また、入学後に他学部の科目に興味が湧いた学生には、学部の垣根を越えて学べるフロンティア・プログラムが用意されています。将来的には専門科目をおよそ40単位、共通科目40単位。残りの40単位は他学部のものを履修しても良いし、共通でも良いし、専門をさらに掘り下げても良いという形で構築したい。どの学部に入っても将来的にはいろいろな可能性があります。多様な形で「知」に接してもらいたい。
――国際性を高める努力もしていますね。
桑原 本学には外国語学部があり、英語、ロシア語、中国語などこれから日本が積極的にかかわっていかなければならない国の言葉が身につけられます。これを学び、武器にして欲しい。5年前には日本で5番目となる孔子学院を開設し、中国語や中国文化に関する講座を開講しています。当初は受講者も伸びを欠いていたのですが、近年の中国経済、文化の発展に触発され、非常に受講者が増えています。
――文科系総合大学を標榜していますが、ある意味では特色を出しにくいのではないでしょうか。
桑原 開学から一貫して文科系総合大学として歩んできた歴史があります。純粋な文科系大学というのは道内で本学だけです。これがある時期においては学生を引きつけましたが、最近の志願者数を考えるとややマイナスに働いているかもしれません。この旗印は簡単に下ろせませんが、カラーを出さないと社会から認められにくくなるという危惧は覚えています。現在は、各学部で地域社会への貢献を念頭に置く教育に取り組んでいます。これは、文科系総合大学という特色を少し消すことになるかもしれません。しかし、「地域に開かれ、地域に溶け込んだ大学づくり」は地域社会の核たる本学の使命です。今後も社会の要請に応じて、自然な流れで、新しい大学づくりを進めていきます。
基本データ
| ■学部・学科(2012年度) | |
| ●大学 | 募集人員 |
| 経済学部 | |
| 経済学科 | 250人 |
| 外国語学部 | |
| 英語学科 | 80人 |
| ロシア語学科 | 30人 |
| 経営学部 | |
| 経営学科 | 280人 |
| 法学部 | |
| 法学科 | 220人 |
| 文化学部 | |
| 文化学科 | 230人 |
| ●女子短期大学部 | |
| 英文学科 | 60人 |
| 経営学科 | 60人 |
| ●大学院 | |
| 法学研究科(修士) | 10人 |
| 経営学研究科 (修士) |
10人 |
| 外国語学研究科 (修士) |
8人 |
| 経済学研究科 (修士) |
10人 |
| 文化学研究科 (修士) |
10人 |
■2010年度業種別就職(進路)実績

■主な就職先●科研製薬●北海道旅客鉄道●スカイマーク●メディセオ●北海道銀行●北洋銀行●損害保険ジャパン●大和ハウス工業●ANA新千歳空港

■主な就職先●日清オイリオグループ●日本通運●佐川急便●北海道銀行●北洋銀行●札幌信用金庫●札幌中央信用組合●カナモト●グランビスタホテル&リゾート