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Interview

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新たな出発の第一歩は
統一地方選を勝ち抜くこと
掲載号:2015年4月

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佐々木隆博 民主党北海道新代表

2012年の衆院選で歴史的大敗北を喫した民主党北海道。その再生を託された横路孝弘氏だったが、4月の知事選に独自候補を擁立できなかったとして代表を辞任。後任には道6区選出の衆院議員・佐々木隆博氏が選出された。

育ててもらった民主党への恩返し

――また大変なときに代表を引き受けられましたね。
佐々木 政治の世界はいつでも大変ですから(笑)
――代表就任の経緯を。
佐々木 2月18日の水曜、東京で北海道選出の国会議員会が開かれました。そこで横路孝弘さんが民主党北海道代表を辞任すると。規約に明記されているわけではないのですが、代表は国会議員から選ぶという慣習になっている。任期は臨時大会がある6月までです。
代表代行がいるので、代表は空席のままにしておこうかという話もありましたが、統一地方選で候補のみなさんが頑張っている。そんな時だから、任期は短くても、きちんと選んだほうがいいと。3区の荒井聰さん中心に決めてくれということになりました。
――選考委員長みたいなものですね。
佐々木 それに参院議員の小川勝也さんが国会議員会の会長ですから、この2人で2日後の金曜日の国会議員会までに決めてもらうことになりました。
――そこで佐々木さんしかいないと。
佐々木 その経緯はわかりません。そもそも北海道選出の国会議員は、いま8人しかいない。とくに衆議院は人数が減って、代表を経験していないのは私と逢坂誠二さんと鈴木貴子さん。参議院の小川さん、徳永エリさん、相原久美子さんの3人も代表未経験。そうなるとこの6人の中から選ぶしかない。2月20日午前、国会内で国会議員会の会合を開き、私に後任をお願いしたいと言われました。
sasaki2 ――正式な機関決定は翌21日の運営委員会なのでしょうが、事実上の決定は本当にその前日だった。
佐々木 私自身、4月で議員生活29年目に入ります。ここまで育ててもらった民主党への〝恩返し〟という思いで引き受けさせてもらいました。私のほうからは、いまの役員体制そのままでお願いすることを申し上げました。
――横路さんから何か言われましたか。
佐々木 「頼む」とだけ。
――運営委員会では、すでに知事選に出馬表明している佐藤のりゆきさんの支持を、民主党北海道として正式に決定しました。
佐々木 佐藤さんには運営委員会に来てもらい、挨拶もお願いした。その話を聞く限り、われわれの政策とかなり近いと感じました。
佐藤さん本人の意向として、政党の推薦はもらわないと聞いています。われわれもそれをのみ込んで支持を決めました。ただ政策協定は結ばないまでも、政策協議はしていかなければいけない。いくら政策がそう違わないといっても、大きな柱くらいはきちんと整理をしておきたい。早急に話し合いの機会を持ちたいと思っています。
――現職の高橋はるみ知事が4選すると聞いたとき、どう感じましたか。
佐々木 単純な多選批判もあるようですが、私の考えはそうではありません。この12年で北海道をどうしようとしてきたのか、それがまったく見えないところに一番の問題を感じました。結局、経済界にしても農家にしても、あるいは生活者にしても、高橋知事のもとで北海道がこう変わるのだから頑張ろうという思いになった人は、ほとんどいないのではないでしょうか。確かに大きな失敗はなかったのかもしれない。でもビジョンが見えない。佐藤さんに一部経済人がついていますが、そういうところに対する不満があるのだと思います。
政治はメッセージです。高橋知事が道民に対し、何のメッセージを発信してきたでしょうか。食と観光だけを言われても、じゃあ食をどうしたいのか、観光をどうしたいのか。国の政策と連動してやりますでは、やはり違う。道民にとって非常に残念なことです。
そこを変えていくのが、佐藤さんに課せられた使命ですし、彼もそこにチャレンジをしたいと思ったのではないでしょうか。

民主党はまだまだ信頼回復の途上

――横路さんは党の立て直しを託されて代表に就任しましたが、道半ばでの辞任。知事候補が決められなかった。ただ、知事選があるのは4年前からわかりきったことです。
佐々木 自前候補ということでずっと選考してきましたが、それが実現できませんでした。昨年暮れの衆院選で、想定していたものが大きく狂ったことも事実です。
――旧社会党時代も含めて、知事候補を立てられなかったのは初めてとか。
佐々木 あまり昔のことはわかりませんが、そう言われています。
――そこは佐々木さんも忸怩たるものがあるのでは。
佐々木 自前候補を立てるのがベストでしょうが、タイミングの問題もある。あまりにも自前候補にこだわりすぎて、もっと大変な結果になっても困ります。その時点、その時点で考えるしかない。
横路さんは自前候補擁立で頑張ってこられたが、一方で、佐藤さんで道民が結集するという流れもできつつありました。そこに無理に民主の候補を出すというのは、戦略上、必ずしも正しいとはいえない。相手を利するだけの話になってしまう。道民の思いをどう結集するかが選挙です。現状、佐藤さんの支援はベストの選択だと思います。
私は「選挙はまちづくり」だと思っています。知事候補であれ議員の候補であれ、こういうまちづくりをしたいと住民に訴えるのが選挙です。それが共有できれば当選するし、共有できなければ当選できない。もちろん、勝ち負けはありますが、ビジョンを語り合わないと選挙をやる意味がありません。政党はそれを提供する役割を担っているわけですが、今回知事選については自分たちで提供できなかったという反省はあります。
――横路さんが果たせなかった党の立て直しを託されたことになります。
佐々木 そういう思いでいます。ただ、与えられた任期は残任期間の6月まで。たくさんのことはやれません。私に与えられた最大の任務は統一地方選に勝利すること。そこを超えないことには次が始まりません。
――任期が6月までとはいっても、そこでまた代わるとも思えませんが。
佐々木 でも現段階で、その先の話はできません。 民主党はまだまだ信頼回復の途上です。そこはきちんと自覚しながら、同時に前を向いて、どういう地方、どういう日本をつくっていくかということをしっかり訴えていく。それが信頼回復への道だとも思います。
少なくとも、われわれが政権交代のときに訴えてきたことは間違っていたわけではありません。ただ、手法に丁寧さを欠いていたり、説明が足りなかったりというところがあった。そこは反省しながらも、いままで通りの日本のやり方で、この先もいいということではないと思うので、そこは卑屈にならずに訴えていきたい。しっかり反省しながら、道民のみなさんに民主党をアピールしていきたい。
――道民にアピールしなければならないのに、知事候補も立てられない、道議候補も過半数すら立てられないでは、アピールにならないのでは。
佐々木 知事候補の支持は決めたわけです。自前で立てたのと同じだけの責任をもって選挙戦に入っていきます。道議候補とも一連で戦う。

組織がきちんと機能する文化が必要

――その道議候補が立てきれていません。
佐々木 道議候補の擁立が遅れているのは、知事選での迷走の影響がないとはいえません。できるだけ過半数を目指していきたいとは思っていますが、なかなか難しい状況です。私が初めて道議選に出馬表明したときのことを思い出します。3月10日でしたから。
――新党大地とは昨年の衆院選に引き続き、統一地方選でも共闘しています。
佐々木 昨年の衆院選は〝一強多弱〟といわれていました。野党はその一強に立ち向かうべく、できるだけ選挙協力の道を模索すべきでした。大地との共闘は、結果としては成功だったと思います。政党が違うわけですから、日頃の政治活動について共闘しようというのはおかしいですが、選挙とか議会の法案審議で共闘するというのは十分にある話です。戦術的に必要なことだと思います。
――一方で、維新の党との共闘は機能しませんでした。
佐々木 確かに北海道はそうでした。情報の伝達で、どっちに先に言うべきか。そんなボタンのかけ違いが重なったように聞いています。民主党は全体的に若い人が多く、組織というものについて訓練されていないところがある。仮に、ものごとが3日遅れても順序立てて進めていれば何でもなかったのに、その順序を間違えることで、まったく進まなくなるということもある。組織とはそういうものです。組織がきちんと機能する文化が必要で、北海道はそのモデルになれると思います。ただ、維新との関係は大変です。一度ねじれてしまったわけだから、その修復から始めないといけない。道議選、札幌市議選もある。スピードが求められます。
――維新からのアプローチは。
佐々木 国会内の廊下で、松木謙公さんから「よろしく頼みますね」という話があったくらいです。
――道議選で大地とは選挙協力していますが、大地は大地で、4人以上当選すれば自分たちで会派をつくりたい意向のようです。
佐々木 そうなると様子は変わってくる。協力にならない。私自身、詳しく聞いていないので何ともいえないですが、選挙協力という以上は、お互いにメリットがなければ意味がない。
――民主党としては、空白区で候補者が立てられないところに大地が出てほしいということですね。
佐々木 それが選挙協力です。
――しかし、現実はそういうところばかりではありません。大地が現有議席を持っている帯広市、北見市は別にしても、民主党も大地も出るという区もある。
佐々木 空白区を埋めるためにお互い調整しようというのがベストですが、それぞれ事情がある。すでに推薦し終えているところもあると聞いています。まだ調整中というところもあると聞いている。
――ところで佐々木さんは、岡田克也代表との関係はどうなんですか。
佐々木 2~3年に一度は、私の地元にも寄ってくれます。岡田さんが北海道に来たら、私のところ、鉢呂吉雄さんのところ、逢坂さんのところには必ず寄ってくれるのです。
私と逢坂さんが初当選した2005年の衆院選。当時の代表は岡田さんでした。民主党北海道の代表は鉢呂さん。そんなことがあるのかもしれません。義理堅い人ですから。7年半の国政の中で、岡田さんとはいろんな場面で一緒にやってきました。直接いろんな話もできます。私自身はいい関係だと思っています。

=ききて/鈴木正紀=