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Interview

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「原料でも加工品でも道産食材なら何でも提供できる」掲載号:2016年6月

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赤尾昭彦 セコマ会長

 道内最大シェアのコンビニチェーンが「セコマ」に社名を変更した。コンビニの枠を超え、今やメーカー、卸売業として本州に攻勢を仕掛けている。東京で陣頭指揮を執る赤尾昭彦会長に現状と今後の展開を聞いた。
あかお・あきひこ 1940年留萌生まれ。74年セイコーマート設立。本部長、専務、副社長を経て2004年社長就任。06年より現職。

メーカー・卸売業と して本州本格進出

――4月1日に「セイコーマート」から「セコマ」に社名変更しました。その狙いは。
赤尾 グループの全体像を見ると、メーカー、卸、さらには付随するサービス業もグループで統括する組織構造になっています。セイコーマートはコンビニエンスストアの名称であり、小売業のイメージが強い。ここから脱皮しようと考えました。
若い人たちは「セコマ」や「セイコマ」と略して呼んでいます。ブランドは3文字がいい。ですからセコマにしました。
セコマの下にコンビニエンスストアのセイコーマートがぶら下がり、同じようにメーカー、卸など30社近くのグループ企業がぶら下がる構造。単なる社名変更ではなく、今後を見据えた重要な変更です。
――赤尾会長は最近、新橋の東京事務所にいることが多い。首都圏での活動に力を入れていますね。
赤尾 ここ10年くらいで潮の流れが大きく変わりました。鳴門の渦潮のように激しくうごめいています。昔のことをくり返しおこなっている企業は、この渦にのみ込まれている。
われわれは、新しい潮の流れに乗るために行動を起こす。そのための本州進出です。
――関東に約100店舗ありますが、今後店舗事業での全国展開は考えていますか。
赤尾 考えていません。店舗事業での新規出店にはかなりの投資が必要。その割にもうけは大きくありません。それならメーカーや卸として本州で展開しようということです。
すでに茨城県のひたちなか市に冷蔵冷凍設備を整えた倉庫を持ち、土浦市には食品製造工場、さらに、西多摩に2000坪の配送センター、埼玉県の入間市にも配送センターを持っています。
ただ、本州はマーケットが大きい。このマーケットに対応するため、新工場建設も視野にあります。

豊富にヨーグルト工場。量産体制へ

――自社製品であるリテールブランドでの展開が中心になるのでしょうか。
赤尾 当初はリテールブランドでしたが、今はその枠を超えています。
われわれは原料をたくさん持っている。私は原料を持つのが好きなんですよ。魚のセリ権は全道に5つ持っており、1200トン分の魚を持っています。牛乳もありますし、農業生産法人も全道に持っている。豚も養豚場から直接買っています。年間6000頭分です。北海道産の鮭やサンマを1年半分ストックし、これを武器に首都圏で商売をしかけています。
原料が欲しければ原料を、加工品が欲しければ製造して販売する。北海道の食材で欲しいものは全部言ってください、何でも提供できますと話しています。
――すごい量ですね。
赤尾 私は戦前生まれ。食うに困ったから現物現金商売です。空気のように合併合併で利益を出すのは大嫌い。現物があっていくらですよ。当社のメーカーはみんな現物を持っている。これが一貫した戦略です。
われわれが売るボリュームは最低10トン単位。コンテナの規模です。10キロ、20キロでの販売はしません。しかも継続的に納入でき、基本的に現金できっちり払う企業と取り引きしています。
今はまだ買ってもらう側ですが、今後は逆選別する時代になっていく。北海道ブランドを欲しがっても手に入らない時代が来るからです。当社は原料をがっちり抑え、高品質の製品をつくる技術がある。原料さえあれば、機械を回すだけで商品はできる。どーんと来いですよ。
――道内でも評判のいい豊富牛乳公社の牛乳はどうですか。
赤尾 牛乳は価格競争が激しい。味は別として価格だけなら北海道よりも首都圏のほうが牛乳は安いのが現状です。
ところが、北海道のヨーグルトは少ない。本州に供給できるだけの生産能力を持つ北海道のメーカーがないからでしょう。
そこで昨年から準備し、豊富町にヨーグルト工場を建設しています。11月以降に稼働します。牛乳をふんだんに使ったヨーグルトを首都圏に供給する体制が整います。

メーカーの工場建築で北海道の人口は増える

――首都圏での展開において北海道ブランドは役に立っていますか。
赤尾 北海道の食べ物はおいしいというお墨付きが後ろに光っている。追い風ですよね。
世界中を見ても北海道ぐらい空気も土壌も汚染されていない地域はないんですよ。温暖化で北海道はなんでもとれるようになりましたしね。
特に中国をはじめとしたアジア圏の人は、北海道の食べ物が好き。北海道は信用があるんですよ。これから北海道には次々と中国マーケットを狙った工場ができると思います。北海道は過疎だ、過疎だと言われますが今入っているさまざまな情報から総合的に考えると、今後、北海道の人口は増えるはずです。
――一般的には人口が減ると言われていますが。
赤尾 それは統計上からのデータ。確かにこれまではそうでしたが、北海道の価値は変わりました。潮目が変わったんです。
北海道は水質もいいし、季候もいい。土地はたくさんあって、しかも安い。今後、食品産業の大メーカーの工場が北海道に集まり、労働者によって人口は増えます。
すでに当社でもセコマブランドの大福、飲料水、菓子、アイスなどの商品を船積みで中国やタイに輸出しています。大福は北海道のもち米で北海道の小豆を使った100グラムもある大きなもの。アイスもラクトアイスではない牛乳でつくったアイスクリームです。
マレーシアやカンボジアにも輸出しています。数はまだ多くはないが東南アジアすべてがうちのマーケット。世界相手に仕事をしていますよ。
――グループの年商は。
赤尾 小売は1800億円、卸は1200億円。メーカーその他でも約300億円あり、北燦食品は100億円企業です。小売も卸もメーカーも収益を上げています。メーカーは合理化、新商品開発で収益が上げられる。今後一番力を付けるのはメーカーでしょうね。
――雇用面での貢献も大きいですね。
赤尾 社員だけで1000人。パートタイマーが2万人近く。グループでの雇用は2万人を超えています。
店舗のパートさんたちはベテランが多く、頼りになります。本部社員は約300人。これが2万人の組織を動かしているのですから効率がいい。
グループ企業は二十数社あり、二十数人の社長がいますが、寄せ集めではなく純粋培養です。一部の専門業態は外部から社長を採用することもありますが、各グループ会社の社長は、基本的に外部からは採用していません。
毎年、新卒採用して勉強してもらい、その社員が子会社の社長になっています。
――今後の展開は。
赤尾 設備投資は積極的にしていきたい。いま一番力を入れているのが農業生産法人です。すでに持っていますが、まだまだ規模が不足しています。
私の夢は、グループの農業生産法人で、ロボットによる農業をすることです。人間を使わず、ロボットが10町歩、20町歩の広大な畑を耕し、肥料をやり、刈り入れをする。私はそれを山の上から眺めていたい。
そして、その農作物が全国でも最高品質のセコマの商品になる。すでにそのプランは持っているんですよ。

=ききて/=