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Interview

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「北彩都で旭川中心市街地は変る!」掲載号:2009年9月号

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西川 将人 旭川市長

旭川ではいま、中心街市街地の活性化を目指して「北彩都」計画が進められている。JR線の高架・駅舎の整備が行われているもので、旭川の表玄関が大きく変わろうとしている。1期目の任期満了まで残すところ1年余りとなった西川将人市長を直撃した。

北彩都エリアに市営住宅建設構想

――丸井今井旭川店が閉店になりました。中心街商店街を代表する店舗でしたし、職を失った従業員の方も多いと思います。大変ショックな出来事でしたね。
西川 丸井今井は112年間、旭川で営業し、商店街の顔として、まちとともに歩んできました。閉店を回避するため、私どもも最大限の努力はしてまいりましたが、このような結果になってしまいました。それだけに非常に寂しい残念な思いでいっぱいです。
その中でちょうどいま、北彩都の事業が進行しています。来年度、JRが高架となり、駅舎が一部開業します。再来年秋ころには駅舎が本格的オープンとなります。このことが、また中心街のにぎわいを取り戻す起爆剤になると考えています。
――買物公園の再生は市長が就任以来ずっと力を入れてきた。しかし、シャッターが閉まっている店舗やどこの商店街にでもあるような店舗が増えたような気がします。なんだか月並みな通りになったなという感想も抱くのですが…
西川 やはり旭川にしかない商店街をつくっていくということが、魅力、競争力アップにつながります。店舗の形態や業種、置いてある商品も非常に大事な要素だと思います。  市ではこれからもいろいろな面で支援、バックアップをしていきたいと考えていますし、一方では例えば駐輪場や駐車場の問題など、ハード面も課題としてあります。これらについては北彩都の事業計画の中で使い勝手のいいものにしていくつもりです。
i2   ――そこでお聞きしたいのが、北彩都の事業計画の中身です。
西川 ぜひとも全道の方に知っていただきたいと思いますが、1つはJR線が高架になり、駅舎がリニューアルされます。全面ガラス張りで天井の採光も良くなりますので、非常に明るい駅になります。
ちょうど裏には忠別川があり、自然に恵まれた景色が一望できます。天気のいいときは大雪山連峰も望めます。一方、前面には買物公園が広がります。  駅前広場もいまの2・6倍のスペースに広がります。バス停も極力この中に集約していきたいと考えています。駐車場、タクシー乗り場も含めて整備します。 いま、駅前には自転車がいっぱい置いてありますが、駐輪場も整備しようと考えています。駅前広場でいままで以上にいろんなイベントができるように、頑張っ ていきます。
――それにともなう再開発も大きなものになるんでしょうね。
西川 そうですね。線路の敷地が空きますので、売却していかなければならない土地もあります。商業ゾーン、居住ゾーン、文化ゾーンといろいろ分かれていますので、そこを早く埋めていくことが大切になっていきます。
中心市街地への定住促進は、私自身が就任以来、なんとしても進めていきたいと考えていました。まだ構想段階ですが、北彩都のエリアに市営住宅を建設できないか検討しているところです。まだ計画段階のものですが、百数十世帯を誘導できればと思っています。
また、いま駅前の一等地に北彩都病院がありますが、あそこと線路の裏が今度、大きく空くことになります。保留地になっていますが、ここにどういう施設を つくるかも課題です。ある意味では旭川の新しい顔になっていく可能性もあることですからね。しっかりとした施設を誘導し、既存の中心市街地と連動した人の 流れをつくっていきたい。

忠別川に架ける2本の橋でまちを一体化

――いままでは線路に分断されて、言い方は悪いかもしれませんが裏と表が一体化してないようなイメージでしたものね。
西川 そこで高架になったら忠別川に橋が架けられます。平成22年度と24年度で2本の橋が完成するよう工事を進めていまして、大雪アリーナなどがある神楽地区から歩いて駅に来られるようになります。市役所の裏の通りとさんろく街からまっすぐ突き抜けることになります。
――あとは民間の施設がどれだけ張り付くかですね。
西川 民間にいかに投資をしていただけるかということが肝心です。私たちは現在、中心市街地の活性化計 画を練り直し、平成22年度末に国の認定を得る方向で、商工会議所や商店街などの関係者のみなさんとも話し合い、中心市街地活性化のための将来のプランを 描こうとしているところです。これを1つの呼び水にし、多くのみなさんに立地していただけるよう努力していきます。
郊外の大型商業施設の進出が中心市街地の衰退につながったという面もあります。今後は大規模集客施設の新規の進出に規制がかかりますから、大きなものが無秩序に広がっていくことには歯止めをかけられると考えています。
――モータリゼーションから取り残されたお年寄りのことも、考えていかなければなりませんね。
西川 全くですね。病院も含めて拠点施設が中心街には集中しています。お年寄りの方が一軒家で雪はねなどをするというのは大変なので、需要としては中心部のマンションがどんどん増えてくると思います。こうしたことなども、まちづくり全体で考えていきたい。
公共交通機関、バスなどの活用方法も検討していかなければなりません。  また、中心市街地とは直接関係はありませんが、市内にある旭川市の支所機能の見直しについて、来年度に向け検討を進めており、公的サービスが地域でもっと身近に受けられるようにできないかと考えています。
丸井が撤退する、しないの論議があったときに、丸井の中に市役所の相談窓口を設けたいという提案をしました。丸井の跡地の事業主がまだ決まっていませんが、場所がどこになるかは別にして、中心市街地での市民サービス提供は必要性を感じています。

ものづくりをもう一押し支援

――旭川経済の活性化のための柱はどのようなものを考えていますか。
西川 大きく分けて3点あると思います。  1点目は既存の産業をどう伸ばしていくかです。旭川の得意分野は農業であり、食品加工、そしてものづくりです。ものづくりでは旭川家具が有名ですが、そ れも含め機械金属などいろいろな分野で、非常に高い技術力を持っている企業があります。こういった事業主さんを応援していくために、追加の支援をすること により、商品化や事業化を応援する「ものづくりもう一押し支援事業」など、いろんな事業を展開しています。
また、「デザイン力次世代継承事業」も行っています。「WEBデザインのまち旭川」をめざしており、地域の大学、研究センターと連携して、力を付けていこ うとしています。  さらに食品産業支援センターがスタートしていますが、引き続き機能の充実と産業界との連携を図っていきます。  もう1つはやはり企業誘致です。東京に企業誘致推進員を置き、企業の情報を収集し、誘致活動を行っています。なかなか簡単には形は見えてきませんが、例 えば地震が少ない、冷涼な気候で夏もすがすがしいという地域の特性を生かし、コンピューター関係の産業を誘致したいと考えています。データセンターは北海 道の中で5つの候補の中に旭川が認定されていますので、これも打ち出していきたい。
また、都市規模を考えますと、旭川は人材的にも恵まれており、労働力も豊富ですので、コールセンター誘致に努力していきます。  東京には旭川市内の高校の同窓会がたくさんあり、東京高校同窓会サミットを開催してもらっています。私も今年出席を予定しておりますが、向こうで活躍し ている旭川にゆかりのある方々からあらゆる情報をいただいて企業誘致につなげていき、また、その人たちの口をお借りして地域の宣伝をしていきたいと考えて います。
3つめは、旭山動物園を核とする観光です。いまグリーンツーリズムが増えてきてます。農家民泊の免許を取る補助をスタートしました。初年度はすでに20 軒以上の許可を受けました。農家民泊を含めた体験型観光と旭山動物園、周辺の温泉地、大自然がありますので、教育旅行の誘致にも力を入れているところで す。
i5  ――旭川空港の活用も必要ですね。
西川 新千歳空港に次ぐ代替空港を目指して国土交通省と積極的に話をしている最中です。国からの予算も確保させてもらって、ぜひとも旭川空港を拡充していきたいと考えています。
――海外からのお客さんも多いようですね。
西川 空港の利用客は非常に伸びております。国際線はアシアナ航空の定期便が就航しています。台湾からはチャーター便が150便くらい来ています。お客さんとしては香港、シンガポール、中国の方が増えています。
私と富良野、上川、東川の首長らが6月にシンガポールへ行き、大々的なPR活動を行ってきました。特に冬季観光を宣伝してきましたので、今年の冬あたりから効果が出ることを期待しています。
映画の「旭山動物園物語」がこれから台湾と香港で上映されることになりました。ここで実績ができればシンガポールや中国などでも上映していきたいということでしたので、さらなる海外からの観光客入り込みが期待できると思います。

農産物、食品のブランド化に全力

――市長に就任されて丸3年になろうとしていますが、この間を振り返ってどんな感想をお持ちですか。
西川 大変だと思う暇もなく、毎日忙しく充実した日々です。残り1年ちょっとですので、これまで種を まいてきたものをどう形にしていくかという時期にきていますので、そのことを意識して来年度予算を組みたいと思いますし、1つの区切りとして、これからの 1年間職務にまい進したいと考えています。
――市長の中で「これだけは」というものを1、2点あげると…
西川 旭川の農産物、食品にもっと付加価値を付け、ブランドをつくりあげ、経済活性化につなげていきたいですね。
そのほかにも多々ありますが、「子育てに優しいまち」ということで今年も予算付けを行いましたが、引き続き子育て支援の政策に重きを置いていきたいと考えています。

=ききて/09年8月5日取材 酒井雅広=