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2017/01/26(木) 「北海道をアニソンで元気に!」縁をつなぐ父娘

  

「とにかく人の笑顔が見たいんです。そのためなら、ピエロにもなれます」と笑顔で語るのは、美唄市に住む神田勇樹さん。

インパクト大のオレンジ色のコスチュームは、アニメ好きなら誰もが知っているといっても過言ではない、〝ドラゴンボール〟の亀仙流道着。ただし胸と背中のマークは亀ではなく、名字からとった〝神〟なのがポイントだ。

もともと歌が大好き。家族とはよくカラオケに行き、アニソンを歌っては楽しんでいたという。そんなとき、友だちの推薦で「全日本アニソングランプリ」に出場した。

「結果は札幌本選で落ちてしまったんですが、インパクトがあったようで、2ちゃんねるなどで話題になりました(笑)。そこからお声を掛けていただいて、2012年12月、35歳で初めて、札幌市清田区にあるイベントホールのステージに立つことになりました。やはり盛り上がるのは、ドラゴンボールの主題歌『CHA-LA HEAD-CHA-LA』でしたね」

観客を前に歌ったとき、何もかもが楽しく、会場の一体感で幸せな気持ちになったという。そこからアッという間にさまざまな場所から声がかかり、2013年には札幌をメーンに、年間50~60本のステージイベントに出演した。

当時を振り返り、神田さんは「さすがにこのときは、嫁さんからお叱りを受けました(笑)。もっと家族の時間も大事にしようって。同時に、どこの会場に行っても応援してくれる人ばかりの有難い環境で〝このままだと自分は溺れてしまう〟と危機感を感じていました。そこから札幌でおこなわれる箱形のイベントを離れて、いろいろな自治体が主催するお祭りに出ようと決意したんです。自分を全く知らない人たちの前で、どこまで場を盛り上げられるのか。挑戦も兼ねて、方向転換することにしました」と話す。

そう決意してからは、ますますパフォーマンス磨きに集中したという。平日公務員が終われば曲を覚え、歌の練習をし、セットリストも見直した。奥さんの厳しい〝ダメ出し〟は、改善点につながる大きな武器になったという。そんなストイックに上を目指す父の姿を身近で見てきたのが、当時小学2年だった娘の夏凜ちゃん。父と同じステージに立つのを夢見るようになり、2014年2月、手稲区民センターホールで念願のデビューを果たした。初お披露目に向けて、母が手づくりで仕上げたコスチュームは、やはりオレンジ色の道着に〝神〟マーク。女の子らしいフワリとしたバルーンスカートが、唯一父との違いだった。

初ステージでの感想は「心臓がバクバクで、歌い出しが遅れてしまいました。お客さんの手拍子や歓声がすごく嬉しかったなぁ」と夏凜ちゃんは話す。

それから3年がたち、今年は夏凜ちゃんも小学5年生。披露する曲も増え、国民的アニメの「ドラえもん」「ちびまるこちゃん」のテーマソングから、現代の子どもに大人気の「妖怪ウォッチ」まで、約20曲のレパートリーがあるという。今では父と離れ、一人でステージに立つ機会も増えた。

「やっぱりお父さんが隣にいるほうが安心して、声量も大きくなります。でも歌い終わってから、お客さんに『お父さんに(パフォーマンスが)勝ってたよ』と言われると、やったぁ~って思います」と、夏凜ちゃん。父を超えたい野心も抱いている。

そんな神田親子の今後の目標は「縁と恩をつないでいくこと」。昨年末は〝縁つなぎイベント〟と題し、さくら劇場(札幌市中央区南4西2)で「祝~ヨロコビノオスソワケ~」を主催。さまざまな場所で出会った演者17組を呼び、6時間に渡るロングライブをおこなった。約120人の観客動員があり、多くの縁を結びつけるきっかけが生まれたという。

「縁や恩というのは、自分だけが持っていても仕方ないと思うんです。縁はつなぎ、恩は返していくのが神田流です」と神田さんは話す。

今年、親子でのパフォーマンス第1弾は「旭川雪まつり」のステージ。2月11日、午後3時30分から常磐公園でおこなわれる。「雪が解けるくらいホットにします。頑張るので、ぜひ見に来てください!」と夏凜ちゃんの意気込みも十分だ。(後藤)

=写真=イベントステージで会場を盛り上げる神田勇樹さん(左)と娘の夏凜ちゃん