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2017/02/09(木) 北海道立文学館で「民藝」に触れる

  

 聞いたことはあるけど、イマイチ実態がつかめない、どんなものかは説明できない――「民藝」に対してそんな印象を抱いている人にこそ、ぜひ足を運んでいただきたいのが「『手仕事の日本』と民藝の思想」だ。現在、北海道立文学館の特別展示室でおこなわれている。

そもそも民藝とは〝民衆的工藝品〟の略で、名もない職人が鑑賞のための美術品ではなく、あくまでも〝日常的に使用するもの〟としてつくったものをいう。簡素で飾らない健全な美しさが、民藝の魅力なのだ。

約90年前、その〝民藝〟という言葉を生み出して広めたのが思想家の柳宗悦。同展示のテーマになっている民藝案内記「手仕事の日本」の著者である。

同著書では柳が約20年間、全国の工芸品を鋭くも愛情深く見つめ続けてきたことがうかがえる。彼が綴った文章とともに、展示では旅をするように東北の会津塗や関東の益子焼、北陸の輪島塗など、日本中の品々が鑑賞できる。

また同展示担当の学芸員、熊谷麻美さんに見どころを聞いてみると「今まで民藝に馴染みのなかった人が見ても楽しめる、わかりやすい内容になっていると思います。文芸館で民藝を展示するというのは稀なこと。品物の近くにいろいろな文章が並んでいるのにも注目してほしいです」と話してくれた。

余談として――記者が取材にうかがった日は気温が低く、徒歩で道立文学館に向かうと、やはり寒さで身体が冷え切ってしまった。しかし民藝を鑑賞後は、単純に体温の上昇だけではない〝ぬくもり〟に包まれていた。歴史を紡いできた品々は、現代の私たちにホッとする安心感をくれるのかもしれない。(後藤)

「『手仕事の日本』と民藝の思想」
北海道立文学館
住所/札幌市中央区中島公園1-4(地下鉄「中島公園駅」から徒歩6分)
電話/011-511-7655
開催期間/3月26日まで
開館時間/午前9時30分~午後5時(月曜定休)
※民藝カフェは午前9時30分~午後4時

=写真=「『手仕事の日本』と民藝の思想」展示会場の様子