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月の穴場

斎藤 豊
昭和3年11月江別生まれ 自転車にテントを積み込み、北海道の全沿岸2,400キロを自給自足で9年間釣り歩く。 NHKをはじめ各民放テレビ・ラジオに出演。

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2013年6月号 

 僕の名は通称「ガヤ」。ホッケに次いで、ほんのりと水の微温む6月になると今度はいよいよ僕らの出番だ。ガヤという名は釣り人たちが勝手につけた名前で、ほんとはカサゴ目フサカサゴ科の「エゾメバル」(蝦夷目張)というのが歴とした僕の本名だ。文字どおり体の大きさに比べ、目が大きいことからその名がつけられたらしい。
 かつては僕らが釣られると、「何だガヤか?」と邪魔もの扱いにされた時代もあったが、それはどこに行っても仲間がガヤガヤいた頃の昔の話。だが今はめっきり仲間も少なくなって、たとえ釣られても踏んづけられたりポイ捨てされることもなくなったから、僕らもずいぶん出世したもんだと思う。僕らは夜になると、集団で就餌活動をする夜行性の魚。だがそれも天候次第。風もなく、波穏やかな夜がわれわれの天下だが、釣り人たちはこんな日を「メバルなぎ」とかいって、われわれを狙う絶好のチャンスだと決めているようだ。
 僕らの仲間は卵胎生だから、10月頃に水中乱舞をしながら交尾、6月頃には体内で育った仔魚を産み出すのが特徴だ。釣り人たちは「はち切れんばかりの大きなおなかをした重量級と、強い引き込みがたまらない魅力!」なぁんて喜んで遊んでいってくれる。特に、われわれの仲間はみんな貪欲だし動くものには反応が早いので、目の前でサンマの短冊などをチラチラさせられるとつい食欲をそそられる。僕らの棲処は防波堤のブロック周辺や岩礁帯だ。