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月の穴場

斎藤 豊
昭和3年11月江別生まれ 自転車にテントを積み込み、北海道の全沿岸2,400キロを自給自足で9年間釣り歩く。 NHKをはじめ各民放テレビ・ラジオに出演。

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2011年9月号 

 夜釣りのシーズンを迎えた。海岸線を車で走っていても、暗い磯や岩場で頻(しきり)にヘッドライトが点滅する。恐らくソイやハチガラなどを狙った夜釣り組であろう。ハチガラとは、ソイと同じくメバル属「ムラソイ」のこと。この魚のアタリと引き込みは荒々しく、うかうかしようものなら竿尻が跳ね上がるほどの強烈さ。従ってわれわれは、このハチガラを古武士に例えて〈日本海の荒武者〉と呼ぶ。
 暑さが続いた7月半ば、釣友・前野廣平さんと涼を求めて夜釣りと洒落(しゃれ)こんだ。釣行先は旧称タンパケ岬と呼ばれた留萌管内「雄冬岬」。札幌を正午過ぎに出発し、現地に到着したのは15時過ぎ。日没までには間があるが、早ばやと大駐車場で装備を整え、延長878メートルの雄冬岬トンネルの南口脇からロープを伝って釣り場に下りる。座を構えたのはゴロタ場を少し歩いた断崖絶壁下の岩礁帯である。この時期ホンダワラ(海草)が、ちと邪魔するが、目の前は青々と深みを湛(たた)えて如何にも大魚が潜んでいる気配。2本の竿を投げ終えて間もなくだった。絶壁側に投げ込んだ右竿が、いきなりガクンガクンと激しく揺れ出した。合わせをくれて大きく竿を煽(あお)る。手元に伝わるのは大物のアブラコか強烈なソイの引きと見た。うまくホンダワラを交し、岩場に引き抜いたのは案の定40センチオーバーの大型クロソイだった。
 特筆すべきはいきなり竿尻を持ち上げた33センチのハチガラ。エサは、すべて途中の港で釣ったチカを1匹掛けとした。