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月の穴場

斎藤 豊
昭和3年11月江別生まれ 自転車にテントを積み込み、北海道の全沿岸2,400キロを自給自足で9年間釣り歩く。 NHKをはじめ各民放テレビ・ラジオに出演。

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2011年3月号 

漁村歳時記(宮城雄太朗著)を読んでいて、ちょいと目を引いた。凍結する湖や内湾の氷を割って網を入れ、別の口まで引いてコマイを獲る網漁業だ。シバレの強い道内で今でもこんな古風な漁法があるのかと思っていたら、タイミングよく春国岱・風蓮湖(根室)の記事が新聞に出た。氷下待網漁(こおりしたまちあみりょう)というらしい。当て字の好きな日本では、漢字で氷下魚と書いてコマイと読ませるのも納得がいく。
  懇意な居酒屋のノレンをくぐる。「いた、いた!」冬場はすっかり体を持て余している釣りバカ飲んべぇども3人、店のおやじまで巻き込んで釣り談議の真っ最中だ。顔を見るなり「釣り行ったかぁ?」「何釣れるぅ?」とお決まりのご挨拶(あいさつ)。それでなくても行きたくてバタバタしているこちとら「今だらコマイだ、うまくいってオオ(大)マイだ!」。横からおやじも唆(そそのか)す。「コマイのルイベはンめぇど、口の中でとろっと溶けるあの味、やめられねッ!」。昼間の酒は利きすぎる。いつの間にか話は決まって翌日日高海岸へ…。
  年明けの海はどこへ行っても荒れていた。白いウサギが沖でぴょんぴょん飛び跳ねていた。落ち着いたのは勝手の知った静内漁港(地元では入船漁港)。外防先端から外海側に向けて竿を出す。程なくしてキュンキュン、ガク~ンと来た。
  翌日、またまた飲んべぇどもと居酒屋で落ち合った。持参したのはルイベにするカチンコチンに凍った42センチのオオマイ。それを目ざとく見つけたおやじ、「待ってましたぁ!」